司馬遼太郎 『花神』 新潮社 上中下巻 1976

倒幕軍総司令官で日本陸軍の基礎を創った大村益次郎(ちなみに海軍の父と
呼ばれているのは『坂の上の雲』で過大評価されていると噂の山本権兵衛)
の生涯を書いた一冊。
面白いのは元々彼は軍事の専門家ではなく村の医者だということ。
生涯の半分以上を(暗殺されるんで短い人生なんだけど)村医者、
蘭学者として平凡にすごし、急に一躍して歴史の表舞台に立つんだけど
熱い意気込みとか思想とか気負いとかいうものが
ほとんど無かったのが興味深い。
彼の周りや状況はまさに激動そのものなんだけど
彼自身は本当に淡々として生き続けていた。
司馬遼太郎はこの本の中で「激動の時代の技術者」をえがこうとしたらしいが
まさに大村益次郎はその技術者そのもの。
医師、蘭学者、軍人という一見何の関連性も無い職業も大村が持っていた
西洋技術(外人大嫌いだったが)にとっては一貫性のあったもので
騒ぎ立てるような転身とは自分自身思っていなかった。

しかしこの小説は以前大河ドラマになったらしいけど
主演は誰だったのだろうか?
演じるにはとても難しい役どころだろうと思う。

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1998 6/10
小説、歴史
まろまろヒット率4

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