グレアム・T・アリソン、宮里政玄訳 『決定の本質』 中央公論社 1977

言わずと知れた政策学の数少ない古典。
名著中の名著として有名で一回生の時から一度は読んでみたいと
切に思っていた一冊。
キューバ危機における決定の本質を第一モデル(合理的行為者)、
第二モデル(組織過程)、第三モデル(政府内政治)の三つの視点から
アプローチしている。
まず各モデル理論を先に述べた後で、その理論にもとづいて
キューバ危機の決定を追っていってくれているので、読んでいて退屈しない。
第七章「結論」では、三つのモデルを比較検討していてわかりやすい。
その第七章によると「第一モデルはより広い脈絡、
より大きな国家的パターン、そして共有のイメージに焦点を当てる」、
「第二モデルは、情報や選択肢や行為を生み出す組織的ルーティンを
明らかにする」、「第三モデルは、政府の個々の指導者と、
主要な政府の選択を決定する指導者間の政治のより細かい分析に焦点を
当てる」と、それぞれのモデルでもその視点や結論はかなり違い、
お互いに相互補完(ををを!「補完」(^^))的であるとしている。

また、「これから発展しようとする科学には一般理論を要求する傾向が
みられる。この要求を満たすために、理解を犠牲にした一般化を無理に行う
傾向が強い。即席に一般化するよりも、部分的パラダイムを精密化し、
関連する行為の種類を明確化することの方が、限定的な理論や命題を
発展せしめるみのり多い道であろう」とアリソンが
あとがきで書いていることは、とても印象深い。
政策系学部や新しい学問領域を学ぶ人間に対する彼なりの示唆が
ここにはるように思う。
ちなみに注釈の多さは今まで読んだ本の中で間違いなくトップだ(笑)

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1997 2/13
意思決定論、政治学、歴史
まろまろヒット率5

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