北海道から帰ってきたので北海道ごはんというコンテンツを創造した、まろまろです。
さてさて、『村上春樹、河合隼雄に会いにいく』河合隼雄・村上春樹著(新潮社)1998。
小説家の村上春樹と心理学者の河合隼雄の対談本。
二人の本を何冊か読んだことがあったことと、二人の間に共通点を感じたので手に取った一冊。
読んでみると、その分野の主流派コミュニティには属さなかった、安易な首尾一貫性を求めないなど、
やはり本人たちも共通点があると感じているらしく、盛り上がった話の様子が伝わってきた。
たとえば・・・
村上春樹:「小説にとってバランスというのは非常に大切である。でも、統合性は必要ないし、整合性、順序も主要ではない」
河合隼雄:「ストーリーというのは背後にイメージを持っていなかったら絶対に成立しない(中略)イメージとの関連にコミットしていくことが課題」
・・・と述べている点などは、彼らのスタンスを示すものとして納得してしまった。
他にも・・・
河合隼雄:「物語というのはいろいろな意味で結ぶ力を持っている」
村上春樹:「事実とフィクションは永遠の補完関係にある」(勝ち負けではない)
・・・という語りは物語の力をどうとらえるかについて参考になると感じた。
さらに・・・
河合隼雄:「矛盾の存在やその在り方、解消の方法などについて考え、言語化していく。しかし、決して解決を焦らない。
そうしているうちに、最初は矛盾としてとらえていた現象が、異なるパースペクティブや、異なる次元のなかで矛盾を持たない姿に変貌する」
・・・というのは人生訓としても印象深い。
また、この対談では全般を通して『ねじまき鳥クロニクル』がトピックスとして取り上げられることが多かった。
ちょうどこの本を今月読み終えたところだったので(まったくの偶然)、ありありとその場面が思い浮かんだ。
また、箱庭療法についてもよく話題になっていたが、これまたたまたま箱庭療法の本も何冊か読んでいたので理解も早かった。
ちなみにこの対談は1995年におこなわれたものをまとめている。
1995年というのは、阪神大震災、阪神大震災、オウム事件、エヴァンゲリオン公開、インターネット元年、とういう風に大きな出来事があった年でもある。
僕個人も読書日記をつけはじめたのがちょうど1995年だったので、二人の対談から当時の自分が思い出されたりもした。
2007 8/27
対談
まろまろヒット率3