陳舜臣 『チンギス・ハーンの一族』 集英社 全4巻 2000

要望にお応えしてまろまろごはん日記の中にスイーツ・カテゴリをつくった、まろまろ@自他共に認める甘党です(^_^)v

さてさて、『チンギス・ハーンの一族』陳舜臣著(集英社)全4巻2000。

1巻:「草原の覇者」
2巻:「中原を征く」
3巻:「滄海への道」
4巻:「斜陽万里」
・・・の四巻から成るチンギス・ハーンとその一族の興亡史。
テムジンがチンギス・ハーンと名乗って他国の記録に登場する前後から、フビライ・ハーンの死までを中心にえがいている。

歴史小説だけど、物語性より淡々とした記述の方が多い。
たとえばチンギス・ハーンの物語では必ず出てくる、長男ジョチ(ジュチ)の出生をめぐる話があっさりとしていた。
これはチンギス・ハーンの正妻ボルテが妊娠した時期とメルキト部に奪われていた時期がかぶるため、
長男ジョチは自分の子供ではないかもしれないとチンギス・ハーンが生涯悩み続けるという話で、
井上靖の『蒼き狼』ではこの点が物語の根幹部分になっている。
(『元朝秘史』より)
でも、この『チンギス・ハーンの一族』では、メルキト部に奪われた時期にはボルテはすでに妊娠していたので、
チンギス・ハーンは長男の出生を別に疑っていないという『集史』の方の説を採用して普通に流していた。

このように歴史小説といっても、三世代以上にわたる通史をえがいているということもあって、淡々としている。
ただ、それだけにメリハリを感じられない部分もあった。

ちなみにこの本は、「世界の覇者になったチンギス・ハーンだって何度も負けているんだから」と言ってすすめてくれた本でもある。
見た目がそんなに憔悴していたのかなと読みながら反省(^^;

この本をamazonで見ちゃう

2007 6/21
歴史小説
まろまろヒット率3

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