姜尚中 『悩む力』 集英社 2008

渡邊義弘@講義を受ける機会は無かったですが、かつて姜尚中さんが教授をしていた学校にいたことがあります。

さて、姜尚中 『悩む力』 集英社 2008。

日々の生活を全面肯定できるわけでもなく、かといって宗教や精神的なものに逃げ込むこともできない・・・
そんな「生きづらい」とも表現される現代に生きる我々の悩みについて語った一冊。

読んでみると、19世紀末から20世紀初頭にかけて活躍した夏目漱石とマックス・ウェーバーを「悩み抜いた人」として引用しているのが特徴的。
この2人の思想、言葉を取り上げながら・・・

○自分でこれだと確信できるものが得られるまで悩みつづける。
あるいは、それしか方法はないということを信じる。
それは「不可知論だ」と言う人もいるでしょう。
でも、中途半端でやめてしまったら、それこそ何も信じられなくなるのではないかと思います。
<第五章 「信じる者」は救われるか>

○私にはどうしなさいともアドバイスできるわけではありません。と言うより、それぞれの人に悩んで考えてほしいと思います。
「脳」に特化して上滑りになったり、「私」に閉塞して城を作ったりしないで、つながる方法を考えてほしいと思います。
<第八章 なぜ死んではいけないか>

・・・という風に、悩み続けることが大切だとしている。
また、仕事については・・・

○社会というのは、基本的には見知らぬ者同士が集まっている集合体であり、だから、そこで生きるためには、他者からの何らかの形で仲間として承認される必要があります。
そのための手段が、働くということなのです。
働くことによて初めて「そこにいていい」という承認が与えられる。
→人間というのは、「自分が自分として生きるために働く」のです。
「自分が社会の中で生きていていい」という実感を持つためには、やはり働くしかないのです。
<第六章 何のために「働く」のか>

・・・として、存在を相互承認するために必要だとしているのも印象的な一冊。

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2017 1/20
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