スティーブン・C・ヘイズ、スペンサー・スミス、武藤崇ほか訳 『ACT(アクセプタンス&コミットメント・セラピー)をはじめる セルフヘルプのためのワークブック』 星和書店 2010

渡邊義弘@LINEのスタンプは苦手ですが、最近はボンレス猫を使っています。

さて、スティーブン・C・ヘイズ、スペンサー・スミス、武藤崇ほか訳 『ACT(アクセプタンス&コミットメント・セラピー)をはじめる セルフヘルプのためのワークブック』 星和書店 2010。

お世話になっているカウンセラーさんからオススメされた、認知行動療法の一つ、ACT (Acceptance and Commitment Therapy=アクセプタンス&コミットメント・セラピー=アクト)の本。
原題は、“Get Out of Your Mind & Into Your Life: The New Acceptance & Commitment Therapy” (2005)

内容は、苦悩や不快感を取り除くのでも、克服するのでもなく、受け容れながら自分の価値に進むことを特徴としている。
特に印象的だったのは・・・

☆心の中で繰り返される言語ゲームについて、永遠に続くチェス・ゲームの比喩を使って、
そのゲームをいつでも降りることができることに気づく、そして相手の駒も盤も自分自身であることに気づく
<第7章 マインドと”あなた”(後編):3つの”私”>

・・・という趣旨の展開がされているところだ。
自分がゲームをしていることに気づくこと、そのゲームがいったい何なのかを一考することに大切さに共感した。
また・・・

☆価値は、判断ではなく、選択
<第11章 ”これ”が価値だ!>

・・・としているところは、心に響いた。
判断には常に理由が必要だけど、選択には理由は必須ではないからだ。

以下は、その他にチェックした箇所(一部要約含む)・・・

○心理的な問題を解決するという目標が、そのままその目標を達成するための手段にならない
<はじめに マインドの沼から・・・>

☆常識とは異なるACTの考え方・捉え方・・・

 ・心理的な苦痛はノーマルなもの。苦痛は重要なもの。そして、誰もが苦痛を感じる

 ・心理的な苦痛を意図的に取り除くことはできない。
  あなたにできることは、それを人為的に増大させないようにすることだけ

 ・苦痛と苦悩は、異なる2つの心理的な状態

 ・自分の苦悩を明確にしていく必要はない

 ・苦痛をアクセプタンスする(受け容れる)ことは、苦悩を取り除くためのひとつのステップ

 ・自分が価値あるものと考える生活は、今すぐにでもはじめることができる。
  ただし、そのためには、自分のマインドの呪縛から解き放たれ、自分のライフ(生活や人生)を生きていく方法を学ぶ必要がある
<はじめに マインドの沼から・・・>

○悲しみをも生み出してしまう言語的スキルは、その一方では、人間が生きるうえで欠くことのできないくらい重要なもの
→苦悩は人間の存在条件として組み込まれている=避けられない
<第2章 言語の”ひみつ”:ことばがあるから苦悩が生まれる>

○認知的フュージョン(cognitive fusion)=思考が意味するとおりに、自分の思考を取り扱うこと
→体験の回避の根本的な原因は、認知的フュージョンにある
<第5章 マインドと”あなた”(前編):マインドと「距離」をとる?!>

☆思考「から」何かを見るのではなく、思考そのものを見る方法=脱フュージョン(cognitive defusion)
→苦悩の大半は、「評価」を「記述」と取り違えることによって生じる
→自分の評価的な意見が一時的な特性であると信じ、それによって、それらが記述であると考えてしまいがち
<第6章 マインドと”あなた”(中編):買ってはいけない>

○思考、感情、記憶、身体の感覚を生じるままにキャッチする方法の一つ=考えにラベルを貼る
 例:「今日中にすべきことがある」→「今日中にすべきことがある、と考えている」
<第6章 マインドと”あなた”(中編):買ってはいけない>

○マインドの鑑賞=マインドが悩みや意見に句とを挟もうとしていることに気がついたら、マインドにお礼を言う
=マインドが生み出すものを完成で鑑賞する=”今日は1日とてもよく心配してくれました、その働きに感謝します”など
→言語マシーンは、何千年も前から与えられた仕事=「問題解決」と「危機回避」を真面目にこなしている
<第6章 マインドと”あなた”(中編):買ってはいけない>

○言語的な能力から生じる自己・・・

 ・概念化された自己

 ・継続的な自己認識のプロセスとしての自己

 ・観察者としての自己
<第7章 マインドと”あなた”(後編):3つの”私”>

○メディテーションは、痛みを伴った情動や思考、身体の感覚を切り離すことはできない
→それらが浮かんで消えるのを、ただ見つめるということを教えるもの
<第8章 マインドフルネス:Just Do It!>

☆価値=一瞬一瞬の時間を紡ぎあわせて、一つの意味ある道のりを創り出すような意図的な性質をもつ
<第11章 ”これ”が価値だ!>

○自分の価値に気づくエクササイズの一つ=自分自身の葬儀に出席するというイメージ
<第12章 選ぶのは”あなた”>

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2015 8/13
心理学、認知行動療法、ACT
まろまろヒット率4

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