ステファノ・フォン・ロー&トルステン・クロケンブリンク、岩田明子・小林多恵訳 『小さい“つ”が消えた日』 三修社 2008

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さて、『小さい“つ”が消えた日』ステファノ・フォン・ロー文、トルステン・クロケンブリンク絵、岩田明子・小林多恵日本語監修(三修社)2008。

いつも先頭に立ちたがる偉そうな“あ”、逆に他を優先する謙虚な“ん”、迷ってばかりの“か”、文字の間に身を置く中立的な“を”、
などの文字が住む五十音村の村民の一人、小さい“つ”は、ある日、他の文字たちから言葉が話せないことをからかわれる。
存在を否定された小さい“つ”は、五十音村を飛び出して旅に出る。
旅先でのさまざまな体験を通して小さい“つ”は自分の存在を見つめなおす。
一方で、小さい“つ”が消えた日本語は大混乱におちいってしまう・・・

日本に留学経験のあるドイツ人の著者が書いた日本語の絵本。
確かに小さい“つ”(“っ”)は、それ自体で発音することが無い日本語の無声音の一つ。
その小さい“つ”に注目した理由は、著者が二十歳を過ぎてから日本語を勉強し始めたことがきっかけになっているとのこと。
母国語では、「言葉を意識するのは、言い間違えをしたときか、おかしなことを言ってしまったときくらい」だけど、
外国語を勉強すると「大人になって何も感じなくなってしまっていた些細なことにも感心、感動することができる」
、と著者が「おわりに」で述べているように、nativeとしては普段意識しない日本語の役割に注目している。

そうした意図で書かれているので、言葉遊びの側面も大きいのがこの本の特徴の一つ。
たとえば、主人公の小さい“つ”と、そのお父さんの大きい“つ”、そしてお父さんのことが好きな“み”、
の三人が最後に並ぶラストも言葉遊びのオチとなっている。

言語的な着眼点を軸にして、普段は見落としがちな大切なものの発見をテーマとしてえがく一冊。

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2010 7/12
絵本
まろまろヒット率3

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