スティーヴン・キング、池央耿訳 『小説作法』 アーティストハウス 2001

まろまろ@2009年も明けましたね!
今年もどうぞよろしくお願いします(^_-)

さて、『小説作法』スティーヴン・キング著、池央耿訳(アーティストハウス)2001。

『ショーシャンクの空に』『グリーン・マイル』『スタンド・バイ・ミー』などで知られる
現代アメリカを代表する作家、スティーヴン・キングが自らの半生と創作について書いた一冊。
原題は”On Writing: A Memoir of the Craft” (2000)。

内容は自伝、エッセイ、作文指南の三つの要素が入っているので、
単なるhow toにとどまらず、スティーヴン・キングらしい表現が散りばめられている。

たとえば文章とは何か?という問いに対しては、「もちろん、テレパシーである」と断言しているし、
修飾語を多用することの弊害を・・・
「飼い猫や犬にイヴニングドレスを着せるようなもので、当のペットも迷惑だし、計算ずくの可愛らしさを押しつけた飼い主は、それ以上にみっともない」(道具箱)
・・・などと書いているのは著者らしいユーモアを感じた。

そんな中でも特に印象に残ったのは・・・
「世界を丸ごと作品に書き込むことはできない。しかし、自分が最も大切にしている世界は書ける。それこそが作品である」(小説作法)
・・・という一節だ。
これは小説のみならず、すべての表現に通じることではないだろうかと強く心に残った。

また・・・
「私が何よりも重きを置くのは残響である」(小説作法)
・・・というのはというのはスティーヴン・キングの作品に共通しているものなので説得力があった。

さらに・・・
「描写は作者の想像に発して読者の印象に帰結すべきものである」(小説作法)
「優れた小説は必ず、物語にはじまって主題に辿り着く」(小説作法)
「文章の極意は、不安と気取りを捨てることである」(道具箱)
・・・などは覚えていこうと思った。

ちなみにスティーヴン・キングの小説を読んでいると、面白いところではあるけれど、
時々描写や表現が長ったらしく感じることも多々ある。
でも、そんなスティーヴン・キングでさえ、削ることを強く意識しているのは興味深かった。
(「プロの作家といえども初稿はおそまつなもの」と言っている点も納得)

以下は、チェックした箇所・・・

○ドアを閉じて書け。ドアを開けて書き直せ。
すなわち、文章の出発点は自分だが、書かれた文章は人の目にさらされるということである。
<生い立ち>

☆文章とは何か?
もちろん、テレパシーである。
<文章とは何か>

☆文章を書く上で心して避けなくてならないのは、語彙の乏しさを恥じて、やたらに言葉を飾ることである。
これは飼い猫や犬にイヴニングドレスを着せるようなもので、当のペットも迷惑だし、計算ずくの可愛らしさを押しつけた飼い主は、それ以上にみっともない。
<道具箱>

○要は平明、簡素を心懸けることである。語彙に関しては、適切で生きがいいと思える限り、真っ先に浮かんだ言葉を使うという鉄則を忘れてはいけない。
<道具箱>

○消極的な愛人が受け身の態度を好むと同様、臆病な作者が受け身に逃げる。
<道具箱>

☆文章の極意は、不安と気取りを捨てることである。
名文と悪文を区別せずにはいられないことにはじまって、気どりそれ自体が小心者のふるまいだ。
<道具箱>

○私の場合、短編であれ、長編であれ、小説の要素は三つである。
話をA地点からB地点、そして、大団円のZ地点へ運ぶ叙述。
読者に実感を与える描写。
登場人物を血の通った存在にする会話。
この三つで小説は成り立っている。
<小説作法>

○構想を練ることと、作品の流れを自然に任せることはとうてい両立しない。
ここはよくよく念を押しておきたい。
作品は自律的に成長するというのが私の基本的な考えである。
作家の仕事は作品に成長の場を与え、その過程を文字に写し取ることだ。
<小説作法>

☆描写は作者の想像に発して読者の印象に帰結すべきものである。
<小説作法>

☆優れた小説は必ず、物語にはじまって主題に辿り着く。
主題にはじまって物語に行き着くことはほとんどない。
<小説作法>

☆私が何よりも重きを置くのは残響である。
固定的な読者が巻を閉じた後、その頭と心に余韻が尾を曳いたら本望だ。
<小説作法>

○初稿を人に見せることについて・・・
野球なら、同店はランナーに有利、小説では作者の得である。
誰かが結末を絶賛し、別の誰かがぼろくそに言った場合も事情は同じ。
評価は互角で、作者は大威張りである。
<小説作法>

☆世界を丸ごと作品に書き込むことはできない。しかし、自分が最も大切にしている世界は書ける。
それこそが作品である。
<小説作法>

○作者がひたすらただ一人を思って書く、その相手を今からは理想の読者(Ideal Reader)、略してIRと呼ぶことにしよう。
<小説作法>

○書くことが人生ではないが、場合によっては、人生の本道に立ち返るよすがである。
<小説作法>

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2009 1/1
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