アントワーヌ=アンリ・ジョミニ、佐藤徳太郎訳 『戦争概論』 中央公論新社 2001

家族の関係もあって大阪にいるけれど、再び復興支援オフ会の依頼が来たので一時上京の際に主催することになった、
まろまろ@遠隔地からオフ会準備というのも情報通信の発達のおかげですな(今さらだけど^^;)

さて、『戦争概論』アントワーヌ=アンリ・ジョミニ著、佐藤徳太郎訳(中央公論新社)2001。

19世紀、ナポレオン戦争の時代を生きた著者による兵学書。
同時代人であるクラウゼビッツの『戦争論』と同じく戦略論の古典として読み継がれている本だけど、
原著はフランス語、さらにこれまで日本語訳も無かったので、今回はじめて読むことになった一冊。
(この点でも日本ではポピュラーなクラウゼビッツとは対照的)

読んでみると、本文よりもやはり著者のジョミニの経歴の方に興味を持った。
スイスに生まれ、フランスに渡ってナポレオンの幕僚になり、次にロシアに転向してナポレオンと戦う立場となって、
後にロシア士官学校の設立に尽力、最後は90歳で大往生をとげているというまさに波乱の人生。
特にナポレオン戦争の期間中、前半はナポレオン陣営として、後半は敵陣営として両方の立場を経験しているのは興味深い。

そんな著者だけど、読んでみると本論で展開されいている「内戦作戦」・「外線作戦」などは、
ナポレオンよりもフリードリッヒ大王の影響を強く受けているのが伝わってくる。
加えて、クラウゼビッツへの批判がよく出てくるのだけど、
その度に皮肉的な表現になっているところが著者の性格がかいま見えて微笑ましかった(w

また、彼の理論が幾何学的すぎるという批判に対しては・・・
「戦争はこれを全体として見た場合は科学(science)では無くて術(art)である」
「理論が、あらゆる場合に人のなすべきことを数学的正確さで教えてくれるものではないにしても、
避けられるかもしれない過誤を絶えず指摘してくれるもであることは確か」
・・・などと反論している(第8章)のも印象深い。

最後に付録「ジョミニについて」がついているので、この本を取り巻く戦略理論の系譜も書かれてある点は理解に役立った。
特にジョミニの理論のアメリカ軍への影響(マハンなど)はなるほどと納得。
ただし、和訳はかなり読みにくかった。

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2007 9/24
戦略論
まろまろヒット率3

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