今日でちょうど読書日記をはじめて10年になる、らぶナベです。
さて、そんな10周年をかざる一冊は・・・
『幼年期の終り』アーサー・C・クラーク著、福島正実訳(ハヤカワ文庫)1979(原著1953)。
10年前に読書日記をつけはじめた最初の本は、
トルストイの『光あるうち光の中を歩め』だった。
この本はタイトルに引かれて読んだものの、
トルストイの晩年の作品らしく説教臭くてみみっちい話だった。
そこで次の10年はスケールの大きな本でスタートしようと、
古今東西のSF小説の中でも1,2を争うスケールの大きさから
SF文学の金字塔と言われているこの『幼年期の終わり』を手に取った。
物語は人類が宇宙ロケットを開発する直前に突然あらわれた
異星人「オーバーロード」との接触からはじまる。
圧倒的な科学力を持つ彼らオーバーロードと
人類との接触にはどんな意味があるのか?
オーバーロードの目的は何なのか?
その謎を軸に物語は進む・・・
原著はもう50年以上前に書かれたものなので(有人宇宙飛行のずっと前)、
科学技術に関する話はどうしても古めかしく感じてしまうし、
個人的な物語が中心となる前半は少し退屈な感じがした。
ただ、後半は物語のスケール、スピードが激変する。
物語のスポットライトが当たる範囲が急激に広がる感じがして、
がんばってついていかないと取り残されそうになるほど。
大きな話なのに読み終えてみると少し寂しさを感じてしまうという
宇宙規模の進化について想像することができるおもしろい一冊。
2005 4/8
SF小説
まろまろヒット率4