ナニゲに散歩が好きな、らぶナベ@人生自体がぶらり途中下車気味です。
さて、『本郷界隈~街道をゆく37~』司馬遼太郎著(朝日文庫)1996年初版。
歴史散歩エッセイ「街道をゆく」シリーズの東京都文京区本郷周辺の巻。
本郷周辺の所縁の地を著者が歩いてその由来や歴史を語っている。
僕は去年から小石川三丁目に住んで本郷三丁目に通っているので(まさに本郷界隈)、
著者が歩いて所縁を語る場所は肌感覚で馴染みがあるところばかりだった。
普段何気なく通り過ぎているところが舞台のエピソードを知るというだけでも楽しめた。
本郷界隈は坂と路地が多くて20年来の不動産屋さんでも道を間違えるほど入り組んでいる。
(部屋選びの時の内観で実際に見かけた)
そんな路地裏の気づかないような場所に夏目漱石、森鴎外、坪内逍遙、樋口一葉、
正岡子規などの明治の文豪の所縁があったりするのがおもしろい。
前から本郷界隈は「明治の匂いが残る下町」っという感じがしていたが、
この本を読めば本郷界隈のいま見ている風景とかつての風景が重ね合わせられて
立体的にその土地に立っているような気持ちになれる。
実はこの本も調べもので立ち寄った本郷の真砂図書館で見つけて借りたものだが、
その真砂も正岡子規や坪内逍遙の所縁としてこの本に出てきたりする。
そんな文脈を重ね合わせられる所縁本が僕はナニゲに好きだ。
2004 10/3
歴史、エッセイ
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