異常に忙しい時でも暇人のように思われる自分のキャラが
たまに憎いと思っているらぶナベ@「忙しい暇人会」会長の地位はまだまだ安泰か?(^^;
『図解「孫子の兵法」を身につける本』是本信義著(中経出版)1999年初版。
松阪で極上肉おごってもらった服部の家からパチってきた孫子の解説書。
思い起こせば小学校くらいの時に田舎からの帰り途中で新幹線の駅の
キヨスクにあった孫子の本を親にねだって買ってもらって以来
(三笠書房だったかな?)
孫子は人生で5本の指に入るくらいの愛読書になった。
単純に読み物として読んでいて面白いし痛快な面がある。
それに様々な場面ですぐに応用できる示唆に富んでいるので
自信を持って「すごい本」だと言い切れる数少ない本だ。
最近はちゃんと読んでいなかったがおそらく20世紀最高の戦略理論家である
リデル・ハートの代表著作『戦略論』を読んだ時もその中で口酸っぱく
孫子への回帰=”indirect approach”が主張されていたのを覚えている。
しかし数年ぶりにあらためて読み返してみると
色々な意味ですばらしい本であることは変わらないけれど
ここに書かれている視点にとらわれすぎていては
すごく可能性の小さな人間になってしまうのではないだろうか?
っと思ったりした。
この本を生涯の愛読書として手放さなかった武田信玄が
最後は織田信長に勝てなかったのもわかるような気がしてきた。
これは戦略という概念自体が本質的に現状甘受→応用型だからだろうか。
ある意味で接し方を間違えるととても危険な本になるのだろう。
そういう点でも危険な男にはぴったりの本だが(^_^)
あくまでも応用書であるけど基本書では無いと言った方が良いのかな?
ちなみにこの解説書の中身自体は著者が海上自衛隊出身ということもあってか
ビジネス書のくせにポエニ戦争や第二次大戦中などの戦史を事例に
取り上げていてそれを図解で説明してくれているので読んでいて面白い。
双方の意思決定や行動の過程を時系列にしてそれぞれのアプローチを
交差させる図形は見ていてかなり楽しめる。
戦略はその性質から文字だけだと理解に時間がかかるけど
図解にすると飛躍的にわかりやすくなるという性質をあらためて感じた。
薄っぺらいだろうと思って読んでみて案の定薄っぺらかったが、
どうしてなかなか薄っぺらく解説されていても
様々な事を考えさせてくれる孫子はやっぱりすごい本かも(^^)
ちなみに西洋に孫子の紹介者した立て役者のリデル・ハートは
最近「このイギリス人って孫子の読み方間違っているんじゃないか?」
っていう風に突っ込まれているらしいんだけどどうなんだろう?
彼の解説について僕はそんなに違和感感じなかったんだけどなぁ。
2000 7/18
戦略論
まろまろヒット率3