内モンエピソード集

<2796> inbox, 00/ 4/19 19:31 ps360953@askic.kic.ritsumei.ac.jpから 107行
標題: [ml-dokusyo 203] 内モンエピソード
期限: 00/10/16 19:31
宛先: ml-dokusyo@ml.ritsumei.ac.jp

ようやく内モンゴル日記の清書&まとめが終わったので(総数1万4千字)
その中からこの前アップしそこなったエピソードをいくつか
ピックアップするっす(細かいこと知りたけばまたメールください)・・・

「デインジャラスタウン・フフホト」
何だかんだ交渉して内モンゴル最大の都市フフホト(呼和浩特)市から
ツアーと別行動で草原に向かうことになったものの直前に調整したために
これから僕が訪ねていく場所についても便乗させてもらうことになる
人たちについても詳細は直前まで把握できていなかった。
さらに話をつけてくれた人からは「どういう人たちかはあまり
よくわからない、もしかしたらやばいかも」とまで言われていた。
草原に向かう車に乗り込んだ時に初めて一緒に行く人たち(訪ねる家の
娘さん夫婦にあたる内蒙古新聞記者の二人と旅行会社の副社長さん)と
顔を合わせたものの英語がほとんど通じないので独力での意思疎通は
筆談しか方法が無かったが車がとても揺れるのでそれもろくにできなかった。
日本語をある程度話せる旅行会社の副社長さんににお願いして
通訳してもらおうとしたが紹介してくれた人からこの人物は
金の亡者のような人なのであまり信頼のおけないということを
さんざん聞かされていたのでかなり慎重に接することにした。
さぁ、出発しようというのに車の中ではみんなほとんど話さなかったし
車が走り出すとさらにみんな黙りこくってしまってしまった。
そんな中、車は草原に向かうはずなのに急にスピードを上げて
フフホト市内のスラム街のような場所に入って薄暗い路地裏に停まり、
みんな黙って降りていった。そして長い間ほったらかしにされた。
・・・これは話に聞く誘導する役と実行する役が別れた強盗か?
と思い「ここで死ぬのかなぁ」と妙に覚めた気分になってしまった。
どうも僕は普段必要以上に小心な面がある反動からか、
ここ一番になると変に開き直ってしまって自暴自棄のような気分に
陥ることがある。この旅も最初から危険を覚悟して行ったものなので
「念願の内モンゴルに来て死ねるならそれでも良いかな。
どうせなら2、3人は道ずれにしてやろう」と考えているとみんな帰ってきて
いきなり僕が座っている後部座席に大量のビールを置いた。
それから僕にビール缶を渡して「飲め」というジェスチャーをされた。
何じゃそりゃ?と気が抜けたようになりながら飲んでみると
初めて笑顔で話しかけてきた。後で親しくなってからこの時のことを
聞いてみると初対面の人と会ったときには酒で挨拶をするもので
酒を仕入れてから挨拶しようとしただけのことらしい。
(スラム街のような場所に行ったのはそこのビールは安かったためらしい)
・・・危険な街、フフホト市。

「内蒙古大学」
フフホト市にある内蒙古大学を訪問した。
そもそもこの旅は「内モンゴルで教育プログラムをおこなう際に
どのような機関とどのような連係ができるか調査して来い」という名目で
お金が降りていて教授からは「現地で何かする時に日本語が通じる
ポスト役を見つけて来て欲しい」とも言われていたので
内蒙古大学に行くのはいわばお仕事にあたる。
内蒙古大学は中国10大大学という区分に入る総合大学らしく訪問すると
まず日本語学院の張教授という人と事務長さんが出てきてくれた。
一通りこちら側の事情を話してみると「どのようなかたちでも
ぜひ協力したい、私の生徒たちを通訳に使ってくれ」と好感色だった。
やたらと好意的なのも気持ち悪いのでちょっとさぐりを入れてみると
何でも無料だった大学が最近有料化してサーヴィス提供ということを
突きつけられるようになったらしいが内モンゴルに入ってくる日本語は
すべて書き言葉やニュースなどの丁寧語ばかりらしい。
(日本語は丁寧語と日常語との差が激しいので有名な言語)
大学としては日本語を学ぶ学生に対して現地で話されている生の日本語と
接して欲しいと思っているがなかなかnative日本人と接する機会は無く、
特に学生と同じ年代の日本人と接する機会が無いのが悩みの種らしい。
だからどのようなかたちでも同年代の日本の学生と接する機会を
持ちたいと強く願っていたところだというのだ。
また、張教授は初対面なのに正直に中国の大学の現状なども話してくれた。
自然と「この人は信頼できる人だな」と感じることができたので
彼から「授業に参加して欲しい」と言われた時は快諾した。
教室に入ってみると確かに使っている教材はちょっと古い。
実際にこの教育を受けて日本に来るとちょっと
ギャップがあるだろうなということがよくわかった。
学生とも1時間ほど話せたがなかなかに面白い。
これからどういうつながりになるのかは教授会で決まることだが
個人的にも良い体験をさせてもらったと感じられた。

「草原の風」
草原ではこの大地にいることが嬉しくて一人で遠出の散歩をした。
小高い丘の上に立って周りを見渡してみると180度すべて地平線と
雲一つない青空だけの空間に立っていることに気づいた(当たり前だが)。
ふと大声でいろんなことを叫んでみる。
怒り、憤り、悲しみ・・・日本では大声で話す機会の無いことを
思いっきり叫ぶと草原にふいている風がそういうものすべてを
持っていってくれるように思えた。
小高い丘の上は特に風が強かったので思い出の写真などを
草原の風に飛ばして家に帰る。
帰って聞いてみると僕が思いっきり叫んでいた声などは
まったく家の方には聞こえていなかったらしい・・・
と、いうことはあの時僕に何かあって助けを呼んだとしても
誰も助けには来てくれなかったということか、ちょっとどきどきっ(^^;
2000 3/19~25
出来事メモ、海外体験記、インターンシップ

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