浅野祐吾 『軍事思想史入門』 原書房 1979

テレビ東京系列にて火曜日の7時から放映している
『KAIKANフレーズ』を見て「これって俺たちの時代で言うところの
『アイドル伝説えり子』のバンドヴァージョンか?」と感じている、
らぶナベ@しかし『アイドル天使ようこそようこ』は良かった、
田中陽子はかなりきっつかったけど(^^)

さて、『軍事思想史入門』浅野祐吾著(原書房)1979年初版。
中世から現代までのヨーロッパ史と古代から現代までの中国史における
軍事思想の展開を通史的に紹介している一冊。
断片的なものをつなげ合わせたという側面が強いために、
読んでいてそれほどガツンと来るような箇所は少なかったが
一度はこのようにまとめて軍事思想史を見てみることは必要なのだろう。

この本の中でもっとも印象深かったのは戦史研究に対する批判の代表例として
常にやり玉に挙がる戦前の軍国主義時代に対しての反論として・・・
「決して、戦争や軍隊についての知識が日本人に普及していたのではない。
むしろそれは軍事機密の名の下に、
国民の手の届かない所に秘蔵されていたのである。
・・・つまり少数の専門家と、多数の無知な人間というのが
戦前の軍事思想の普及状態だった。」
・・・と述べている箇所は実に説得力があるものだった。

以下はこの本でその他にチェックしたところ・・・

○プロイセンのフリードリッヒ大王の言葉・・・
「戦勝とは敵にその地位を譲ることを余儀なくさせることである。」

○よく話題にのぼるモルトケとシュリーフェンの違いについては
そのいくつかを列挙して対比している、以下はその一部・・・
「モルトケは撃破しやすい敵をまず攻撃しようとしたが、
シュリーフェンは最も強大で、危険な敵を
全力をあげて撃滅する必要を説いた。」
「モルトケが外交との調節をはかることを考えたが、
シュリーフェンは政治家を信ぜず、武力による撃滅戦に傾倒した。」
「モルトケが作戦計画において初期作戦を重視し、
綿密な計画作戦を指導するが、
その後は状況の変化に対応する情況作戦を考えたのに対し、
シュリーフェンは全期間を通じて緻密な計画作戦が可能であると信じた。」

○フラーからの引用・・・
「小銃が歩兵をつくり、歩兵が民主主義をもたらした。」

○毛沢東の十大軍事原則・・・
1「まず分散した敵を討ち、集中した強大な敵はあとで撃つ。」
2「まず小、中都市および広大な郷村を占拠し、あとで大都市を占領する。」
3「敵の生産力を殲滅することを主目的とし地域の奪取は主目的としない。」
4「絶対優勢の兵力を集中し、敵を四囲から包囲殲滅につとめ、
 不徹底な消耗戦を避ける。」
5「準備と確信の無い戦いは行わない。」
6「勇敢に戦い、犠牲と疲労、連続作戦を恐れない気風を養うこと。」
7「つとめて運動戦によって敵の殲滅をはかる」
8「都市攻撃にあたっては敵の守備薄弱部を、
 中程度の守備に対しては状況と能力の許す限り機を見て、
 堅固な守備に対しては条件の成熟を待ってこれを奪取する。」
9「敵の兵器と人員の大部を捕獲、捕虜として自己を補充する。
 わが軍の人力と物力の補給源は主として前線にある。」
10「部隊の休息と整備は二つの戦役の間をりようして行うが、
 休息を長きに失せぬよう、また敵に反撃の余裕を与えない限度で行うこと。」

○あとがきにて・・・
「歴史は過去を取り扱うものであるが、
それを扱う方法は過去からだけでは生まれてこない。
将来に対するある種の見通しがあってこそ
過去の扱い方も出てくるのである。」

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1999 5/18
戦略論、政治学、歴史
まろまろヒット率4

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