去年の12月に藤江から「結構おもろいでぇ~」ということで借りた本。
この著者については時々雑誌とかでもコメントが載ってたりするので
知っていたのだが、彼の著作を読むのは始めて。
(だって表層的なイメージがあるもん(^^))
もともと3冊分の本を一冊にまとめたのものなので分量自体は多いのだが、
一項一項は短く構成されている。
だいたい一日につき一項、三ヶ月以上かけて少しづつ読み終えた。
それだけ長いこと読み続けたものだが、もっとも印象に残っているのは
ごく最初の方に述べられていた「危機管理は損な仕事」というところだ。
危機管理とは何も無くて当たり前、害は0にして当然で、
もし万が一何かあれば囂々たる非難を受ける仕事だからだ。
これは危機管理が「一利を出すことよりも一害を取り除くことが仕事」
(大久保利通の口癖)と言われる政治の領域に属しているんだということを
強く感じさせられることだ。
だいぶ飛躍するようだがゴールキーパーのつらさに似ている
・・・でもかっこいいぞ川口!(笑)
事例として香港暴動をちょっと多用し過ぎた点とあまりに自己の体験を
事例として使い過ぎていて「ほんまにそうなんかい!」と思えた面が
少し気にはなった。
しかし僕がよく知らなかった歴史的事例、特に1960年代の事件を
事例として詳しく述べているのは新鮮だった。
またフィンランド戦争時のマンネルハイム元帥の指導の下に展開された
フィンランドの戦術的、戦略的勇戦は僕が今後戦史の研究をする上での
チェックリストに入れる価値があるのだろう。
1998 3/22
危機管理、問題対処
まろまろヒット率3