ロナルド・A・ハイフェッツ、幸田シャーミン訳 『リーダーシップとは何か!』 産能大学出版 1996

佐藤ゼミリーダーシップ部隊のパートナー矢部ちゃんから借りた本、原題は『Leadership without easy answer』。
本自体は厚いが文字が大きいのでおもったより早く読めた。

内容のほうはオーソリティに視点をあてて公式のオーソリティ、非公式のオーソリティを持つリーダーシップについてそれぞれの記述がある。
このオーソリティの記述についてはさとまんも僕もしっくりくるものを感じなかった。
特に有益だと感じたのは第3部第11章「個人的な挑戦」だが、心に強く残ったのは幸せなブキャナン一家にガン告知という死の宣告をするパーソンズ医師の話だ。
厳しい現実をうけとめることが出来ない人々に対して、リーダーがいかに接し方向性を示すと言うことはどういうことかというのを感じさせてくれる、この箇所は感動的だ。

ただ、著者はハーバード大学医学部出身でもあるがジュリアード音楽院を出たくらいの音楽家でもあるので(ちなみに今はハーバード大学J・F・ケネディ校の講師)音楽の例えがおもしろかった・・・
「音楽は、不協和音も全体の調和を構成する重要な一部であることを教えてくれる」
「音楽はまた、何種類もの沈黙(無音)を聞き分けることを教えてくれる」
「音楽は、構造や聴衆との関係の中で、そうぞうされるものだ」
「それは感情というものを大事にし、それを負債でなく資産と見ることである。また、含まれた意味を見つけだす忍耐を持つことである」
・・・など、また他の部分で印象に残っているのは・・・
「リーダーシップを行使するということが、そしてその研究ですら感情を刺激するのは、リーダーシップが私たちの価値観を呼び起こすからである」
「リーダーシップは、傑出と支配なのである」
「リーダーシップを活動として定義する方がずっと有益」
「『リーダーは生まれながらのもので、作られるものではない』とみなし、リーダーシップという言葉に共通の個人的特性を見出そうとする方向は、極めて危険である。自己欺瞞と責任逃れを育てるからだ」
「対立する価値観の視点を取り込むことが適応の成功には不可欠なのである」
「リードする人にとって重要なのは、後で振り返ることではなく、出来事を現在進行形で判断することである」
「注目はリーダーシップの通過である」

また最後にリーダーシップについて提言をおこなっているがそれは・・・
1:バルコニーに上がる
2:自分自身と自分の役割を区別する
3:対立を外部化する
4:パートナーを利用する
5:自分自身をデータとして利用し人の意見をよく聞く
6:避難所を見つける
7:目的意識を持つ
・・・の7つだ。

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1997 6/26
リーダーシップ論、経営学
まろまろヒット率3

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