岡田斗司夫 『オタク学入門』 太田出版 1996

またたま面白い本を見つけましたよお!!
『オタク学入門』岡田斗司夫(太田出版)っていう本です。
この岡田斗司夫っておっちゃんは最近良くテレビとか雑誌とかに出ているので
見かけた人もいるかもしれませんが、GAINAX創設者で
現東京大学オタク文化論ゼミという講義の講師です。

「オタク」と聞くと何だかよくわからないけど「異質」な「異物」な
とにかく否定的なイメージがありますよね?
ただ、どうしてそういうイメージが自分にあるのかはうまく説明できない。
ただ、Mさん事件以来「オタク」的なモノはとにかく反社会的で
自己完結的なイメージを何となく持ってしまっている人が多いと思います。
この本はこうした「オタク」という社会的異物を面白おかしく、
かつ深く濃く(笑)アプローチしためずらしい一冊です。

構成は、第1章:オタクの正体、第2章:オタクの世界性、
第3章:オタクの3つの眼、第4章:「粋」の眼、第5章:「匠」の眼、
第6章:「通」の眼、第7章:オタク文化論から成っている。
特に第1章:オタクの正体と第7章:オタク文化論は「オタク」という
社会的にネガティヴな価値観を一般論とはまた違った視点からとらえていて、
とても参考になるっす。

内容は「オタク」と呼ばれるかなり「痛い」人間(笑)の熱い
情熱から生まれるエピソードに爆笑できますが、
本質は「なぜアニメ、漫画などのオタクという文化が日本で生まれ、
現在この文化において世界のトップであるのか?」という疑問を
日本古来の文化論まで立ち返り説明しようとしている意欲作っす。
次代の奔流を読む上でも、論拠もないのに凝り固まった
自分の異物なものへの固定概念をほぐす上でも良質の一冊だと思いますよ(^^)

この本をamazonで見ちゃう

1996 11/10
文化論
まろまろヒット率4

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です