見た目と存在感がカモノハシに似ていると言われたことがある、らぶナベです。
さて、『へんないきもの』早川いくを著(バジリコ)2004。
そのものずばり、不思議な見た目や驚きの生態を持った生物を紹介する本。
メスの20万分の1の体積しかないオスが、メスの子宮内で一生をすごすというボネリムシや、
気温150度からマイナス273度(絶対零度)の環境下でも生き残るクマムシなど、
「どうやって進化したんだ?」と思うような不思議な生物が取り上げられている。
紹介文がけっこう面白くて、たとえば海面を50メートルも飛ぶトビイカについては・・・
「それにしても水中の、しかも軟体動物が飛行するのである(略)よほど気合を入れて進化をしたのだろう。
イカは多くを語らぬが、数多くの苦労もあったに違いない」・・・など哀愁を誘うものが多い。
可愛いと定評のある動物を紹介する「かわゆいどうぶつさん」のシリーズでも、
実は激しく集団抗争を繰り広げるプレーリードッグや、荒々しい捕食スタイルを持つアイアイなど、
見た目が愛らしいとされる生物たちの生々しい面を紹介している。
可愛いとか気持ち悪いとかいう価値判断は人間が勝手につくったもので、生物たちにとってはそれが自然な姿なんだ。
そういうことをあらためて思い知らされる一冊でもある。
2006 1/25
自然科学
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