真矢みきはあれだけ言って宝塚から怒られないのか心配になる、らぶナベです。
さて、『痛快!コンピュータ学』坂村健著(集英社)2002年初版。
組み込みOS「TRON」を開発した著者が書いたコンピュータ学の入門書。
コンピュータの原理的な仕組みと歴史について紹介している一冊。
中でも歴史の話が面白くて、コンピュータ誕生にまつわるゴタゴタ話では
フォン・ノイマンって嫌なやつだなと思ったりもした(笑)
ちなみに僕は著者が講師をつとめる「電脳建築学」という講義を受けていて、
この本はその講義のプレテキストに指定されているのだけど、
講義名物の著者の毒舌ぶりが本書の端々でも垣間見られてそれも楽しみだった。
特に語注では江戸っ子モード全開っといった感じで笑いながら読んでしまった。
以下はチェックした箇所(一部要約)・・・
○コンピュータという道具は、水や空気のよに本質的に「無色透明」
→いままでの道具は人間の肉体の能力を増強するものが多かったが、
コンピュータは人間の脳の働きを増幅してくれるもの
<第1章 コンピュータ学へ、ようこそ>
○情報の単位「ビット」を考えたシャノンの功績は、
数字だけでなく全ての情報をコード化できるとした点
<第2章 20世紀を変えた情報理論>
○アナログとデジタルの違い・・・
・アナログ情報=コード化されていない情報→連続性があり切れ目がない
・デジタル情報=コード化された情報→不連続で飛び飛び
<第2章 20世紀を変えた情報理論>
○電子式計算機(コンピュータ)が成功を収めた最大の原因
=計算のベースを10進法ではなく2進法に置いたところ(プール代数のおかげ)
<第4章 0と1のマジック・プール代数>
○コンピュータ学をマスターするコツは
「とりあえず分かった気になれば、それでいい」と考えること(略)
その意味ではコンピュータ学は英語に似ている
<第4章 0と1のマジック・プール代数>
○フォン・ノイマン型コンピュータの最大の特徴は、
一度に一つのことしかできない点=逐次処理
<第5章 プログラム コンピュータとの会話術>
○アルゴリズムを勉強することはプログラミング言語の勉強をするよりずっと重要
(プログラムを書くことはプロットを重視する小説を書くことに似ているから)
<第5章 プログラム コンピュータとの会話術>
○メイン・フレーム市場で圧倒的な強さを持っていたIBMが
パソコン市場で覇権を失ったのは、
CPU(インテル)とOS(マイクロソフト)の自社開発をせずに囲い込み戦略が失敗したため
<第6章 世界を変えた小さな「石」>
○「モデム」の語源=Modulation(変調)+DE-Modulation(復調)を合わせたもの
<第8章 インターネットのは「信頼の輪」>
○コンピュータが誕生してからこの半世紀の流れ
=「集中(メインフレーム)から分散(パーソナルコンピュータ)へ」
→「孤立(スタンドアロン)から共同(オンライン)へ」
<第8章 インターネットのは「信頼の輪」>
○ボーダレスな時代だからこそ、それぞれの国民性や文化が大切になってくる(略)
世界中が金太郎飴のように同じでは、わざわざネットにつなぐ必要性はない
<第8章 インターネットのは「信頼の輪」>
2003 4/23
コンピュータアーキテクチャ、情報関連
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