諸葛孔明って良く考えたらヒキコモリだったのだろうかと、
三顧の礼の伝説をいぶかっているNA-Beっす。
さて、『狂骨の夢』京極夏彦(講談社文庫)2000年初版。
間違いなく僕が手にした本の中で一番気持ち悪い表紙の本(^^;
それなのに読後感は妙にすがすがしかった。
そのギャップが楽しい京極堂シリーズ第三作目。
たぶんこれは京極堂シリーズの特徴である”憑き物落とし”の面が
すごくはっきり出ているからだろう。
特に最後のページ(969page)の最後の台詞によって
読んでるこちら側の”憑き物”も落とされた気分になる。
前作の『魍魎の匣』は境界を越えてしまった人々の話に思えたけど
今回の『狂骨の夢』は執拗を捨てられなかった人々の話に思えた。
生々しく感じられた前回と比べてやけに淡々と読めのは
生体よりも骨の方がやはり何だか”枯れた”感じがするからだろうか。
燃えも腐りもしない骨に執拗を込める人々の哀しい滑稽さが印象深い一冊。
2002 2/7
小説、文学
まろまろヒット率4