畑村洋太郎 『みる わかる 伝える』 講談社 2008

渡邊義弘@ご縁をいただいて常滑市にあるりんくうビーチでBBQを体験させていただきました。

さて、畑村洋太郎 『みる わかる 伝える』 講談社 2008。

失敗学で知られる著者が、失敗の原因は「みる」、「わかる」、「伝える」の過程で齟齬がある場合が多いことに注目して、
認知・理解・伝達のそれぞれの段階の課題を解説して、理想モデルを提案する一冊。

これまでの失敗学の蓄積を基にしているので、特に第3部の「伝える」編に感銘を受ける内容が多かった。
認知科学コミュニケーション論はもちろん、組織論教育論としても参考になる一冊。

以下は、チェックした箇所(一部要約含む)・・・

☆逆演算の見方を使うことのメリット=結果から遡っていくことで物事に優先順位をみつけやすい
→日本のクルマの信頼性の高さは、順演算と逆演算の両方の見方がしっかりとなされていることが一番の理由
<第1部「みる」編>

☆ちゃんと伝わったかどうかは、伝達手段の良し悪し(プロセス)で決まるのでは無く、
結果として伝える側と伝えられる側とがほぼ同じ状態になっているかどうかで決まる
→伝える人にとって一番大切なのは、伝えた人のことをきちんと見守ること
(こうしたフィードバックが教育の本質)
<第3部「伝える」編>

☆受け手が知識を欲しくなる状況をつくること、そして伝わったかどうかを見守ることが、伝える工夫よりも重要
<第3部「伝える」編>

☆経験の知識化=知識化=原因・行動・結果の一連の因果関係を簡単かつ明快な文章や図で示すこと(上位概念に登ること)
<第3部「伝える」編>

☆文章が持つ一般性+絵が持つ具体性、を合わせて伝えると効果的
<第3部「伝える」編>

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2013 6/23
失敗学、情報・メディア、コミュニケーション論、組織論、教育学、認知科学
まろまろヒット率4

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