Archive for the ‘コミュニケーション論’


『カリスマ―出会いのエロティシズム』 チャールズ・リンドホルム著、森下伸也訳 新曜社 199201.17.06

修二と彰の振り付けを練習中の、らぶナベです。

さて、『カリスマ―出会いのエロティシズム』 チャールズ・リンドホルム著、森下伸也訳 新曜社 1992

カリスマの研究書、めちゃ面白かった一冊!
内容は理論編(第2部)でカリスマ研究の歴史、各分野からのアプローチを押さえながら統合理論としてまとめ、
実例編(第3部)でカリスマとその信奉者たちの典型例を取り上げて、
結論(第4部)でカリスマとその信奉者たちとの相互作用は一体何なんなのか、その今日的な意味も含めて答えを出している。
理論の深さ、実例の迫力、結論の説得力、どれを取ってもカリスマの研究の決定版と言える本。

まず、すごいなと思ったのが膨大な先行研究を押さえていているところだ。
たとえば理論編では情念に焦点を当てた哲学者たちとしてヒュームやミル、ニーチェ(2章)、社会学としてのアプローチ、ウェーバー(ヴェーバー)とデュルケム(3章)、
催眠と群集心理学からのアプローチのメスマー、ル・ボン、タルド(4章)、精神分析学からのアプローチとしてのフロイト(5章)などの
カリスマ研究の背景やそれぞれのアプローチを総括しながら、
カリスマ的リーダーシップの病理性を強調する心理学的見解と、カリスマ的集団に積極的な価値を与える社会学的言説との対比をまとめて(6章)、
カリスマ精神の病いなのか、再社会化なのだろうかと問いの下で統合理論化(7章)をしている。

その次の実例編では典型的なカリスマとその信奉者たちの実例としてアドルフ・ヒトラーとナチ党(8章)、
チャールズ・マンソンとそのファミリー(9章)、ジム・ジョーンズと人民寺院(10章)を取り上げている。
著者は文化人類学出身なので、この実例編は本領発揮という感じでとても迫力があった。
ある人物がカリスマ的パーソナリティを持つことになってゆく過程、奴隷化しているのに自分は解放されていると思う信奉者たち、
そしてカリスマと信奉者の相互作用で生まれた集団のダイナミズムが展開し、崩壊していく様が克明にえがかれていて、
単純に生々しい読み物としても読み入ってしまった。
そしてシャーマニズムとの共通点を指摘しながら(11章)、結論につなげるという流れがとても綺麗。

結論(12章)では、現代のカリスマをよく指摘されるような芸能人やスポーツ選手にとどまるだけでなく、
カリスマ的な特徴を帯びた人間関係として、家族(観)とロマンティックな恋愛を挙げているのが面白い。
確かに実例編で出てきたカリスマとその信奉者たちは極端な事例かもしれないけど、
読みながらホストに入れ込む女性や、キャバクラ嬢に振り回される男性を思い起こしていただけに納得。
(実は自分自身の恋愛体験の中にも重ね合わさる面もあった(^^;)

人間関係がもたらす無我と交感の絶頂感(エクスタシー)は魅力的で、時には没頭してしまう。
コミュニケーションの快楽に耽溺する人の性向は決して特殊なものではなく、
人間の本質の一つなんだ、というこの本の主張は説得力があった。
(そこには集団のダイナミズムが生まれる源泉になる)

ちなみに、この本はインターネット普及以前に書かれたものだったので、
現在のネットコミュニティ内でのカリスマ出現に著者はどう思っているのか知りたかった。
また、理論編の第2部はけっこう面白いんだけど、理論的背景とかアプローチを退屈だと思う人は、
訳者が言っているように実例編の第3部から読んでも十分に面白く読めると思う。

以下はチェックした箇所(要約含む)・・・

○カリスマというものを理解するためには、カリスマ的人物の性格やそのカリスマ的魅力を個々の人間に受け容れやすくさせている諸属性を研究しなければならないばかりでなく、
同時に指導者と信奉者が相互作用をおこなっているカリスマ集団そのもののダイナミズムをも分析しなければならない
<第1章 序説>

○弱く空虚な人間は、服従することによって、ひとつのアイデンティティを、また力と意志という不可欠な幻想を手に入れることができる
→カリスマの信奉者たちは抑圧の中に解放されているという感覚を感じる (Hoffer 1951)
<第4章 催眠と群集心理>

☆自己の解体的幻想による同一化的経験こそが指導者に対する信奉者の愛、自我の境界が消失する超越的な愛の源泉
<第6章 カリスマは精神の病か、それとも再社会化か>

○心理学者たちが指導者に焦点をあて、彼らの障害をもったパーソナリティを強調しがちであるのに対し、
社会学者たちは指導者の性格についてほとんど論じることなく、信奉者や彼らを取り巻く環境に関心をもつ
→心理学が信奉者のうちに病理性を見ようとするのに対して、
社会学者は信奉者が普通の人間よりも深い心理学的な生涯を病んでいるわけではないことを証明することに関心をもっている
<第6章 カリスマは精神の病か、それとも再社会化か>

○カリスマに対しては大きく分けて二つのアプローチがある・・・
・精神分析学に由来するものでカリスマの感情的強烈さや超越的性格を認めはするが、それに対する価値判断を含み、指導者の個人的特長を過度に強調するもの
・社会学に由来するもので集団の重要性、共同体への参加が人々の願望の対象となりうることをよく認識しているが、
 しかし経験から情念を剥離させ、リーダーシップを閑却し、カリスマ的紐帯の根底にある無意識の衝動を軽視するもの
→どちらのアプローチもカリスマ的経験の一部を教えてくれるが全体ではない
<第6章 カリスマは精神の病か、それとも再社会化か>

☆自我がその価値を減ぜられ、アイデンティティの標識や対象とのきずなを剥奪されながら、それでもなお同時にすべての行為の唯一の正当化根拠とされるとき、
カリスマの啓示や帰依者の共同体的集団への没入によってあたえられる激しさや内的確実感は高度に魅力的
→このようにして高められた相互作用の形式は現実の社会構造に欠けている、交感の感情、エクスタシー的自己喪失、超越、信念をあたえる
<第7章 カリスマの統合理論>

☆カリスマ的な関わりへ導いていく諸条件について統合的図式・・・
・疎外された現代社会とナルシシズムの文化が結合して人々にカリスマへの没入を受容させやすくしている
・人格的アイデンティティを遮断することによって人々に自己喪失を用意させる思想改造
→いずれも人格的アイデンティティを脅かし、集団による個人の吸収を促進し、集団形成の指導者に対するエクスタシー的心酔を偏愛するように作用する、
 ある種の技法や社会状況がもつ人格解体的作用に対してまことに弱い存在として人間を描く
<第7章 カリスマの統合理論>

○ヒトラーという恐るべき事実に直面した歴史家や政治学者は、当然のことながら彼や彼の運動からその神秘的な要素を取りのぞこうとするから、
その結果として諸々の偶然の変数が結びつくことで彼に政権の掌握と維持が可能になったという事実を強調することになる
<第8章 「取り憑かれた従者」>

☆カリスマ集団の隠された目的は「成功」することではなく、経験することそれ自体
→だから外的脅威の圧力で集合体経験は強化される
<第8章 「取り憑かれた従者」>

○(ナチスのSS訓練は)極度の疲労と苦痛、そして屈辱は、男たちの過去とのきずなを切断し、いかなる自律感覚も腐食させる効果を発揮した
<第8章 「取り憑かれた従者」>

○社会変動が旧来のきずなを切断してしまったところはどこでも、補償としてのカリスマ運動を好む
<第9章 「愛こそわが裁き」>

○主観のうちに生じるエクスタシー的なトランスという変成状態の所有がシャーマニズムの中心
<第11章 「聖なるものの技術者」>

☆シャーマンの役割につくことは、現代においてカリスマとなることと同じく、アイデンティティ解体という初期局面から苦痛に満ちた自己再構成を経て、
他のもっと弱い魂たちを圧しつぶす潜在的な精霊をコントロールして顕在化させる能力をもった変身せる専門家としての再生へ向かう運動
<第11章 「聖なるものの技術者」>

☆カリスマ的啓示は、周縁に追いやられた集団を無視し抑圧してきた社会構造における弱き者の示威運動、反構造の契機、警告のコミュニタスとなる (Turner 1982)
→カリスマの形態は、いかなる社会にあっても、社会構造の中にそれがあらわれることで克服されなければなならい抑圧のタイプと程度を示す
<第11章 「聖なるものの技術者」>

○逸脱せる集団とその指導者に精神的な変調をきたした者というレッテルを貼ることと、彼らが実際に狂気に落ち込んでいくこととの間には明確な相関関係がある
<第11章 「聖なるものの技術者」>

☆今日におけるカリスマの過剰なあらわれは、交感を求める人間の根源的な欲求を社会システムが満たしえないでいることの反映
→カリスマとその集団は、その暗さによってわれわれ自身が置かれているディレンマの輪郭をくっきりと縁どる影
<第11章 「聖なるものの技術者」>

○非日常な無我の状態に到達することのできる一つの方法が、移ろいやすい気質をもったカリスマ的指導者という霊感喚起的な人物によって結合された集団に所属すること
<第12章 今日のカリスマ>

☆恋愛においては、カリスマにおいてと同じように、相手のうちへ自己を喪失することが縮小としてでなく、高揚、エクスタシー、自我の拡大として経験される (Chasseguet-Smigrel 1976)
→恋に落ちることは巨大な革命のエクスタシー感情と変革パターンを小規模で複製する集合運動の最も単純な形態 (Alberoni 1983)
→カリスマも恋愛も強烈な情動喚起的関係における自他の完全な同一化を要求するので同時並行することはできない
<第12章 今日のカリスマ>

☆カリスマとは、世俗的な世界の疎外と孤立の外部にあってそれと対立する根源的な超越の瞬間をもたらす直接的なエクスタシー経験
→無我と交感というモーメントは、われわれ人間の不可欠な条件の一部
→問題はそうしたモーメントがどのような形態をとるかということ
<第12章 今日のカリスマ>

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2006 1/17
カリスマ研究、社会学、心理学、社会心理学、文化人類学、宗教学、思想史、リーダーシップ論、政治学、組織論、コミュニティ論
まろまろヒット率5

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『コミュニケーション学―その展望と視点』 末田清子・福田浩子著 松柏社 200304.15.04

弊社建物に新しい顔が増えてどぎまぎしている、らぶナベ@実は人見知り系です(^^;

さて、『コミュニケーション学-その展望と視点-』
末田清子・福田浩子著(松柏社)2003年初版。

評判が良かったので読んでみたコミュニケーション学関連領域の概要書。
コミュニケーションをめぐる用語の定義や研究の背景を丁寧に紹介してくれている。

コミュニケーションに対する各分野からの主要なアプローチを
「機械論的視点」、「心理学的視点」、「相互作用論的視点」、
「システム論的視点」に分類して紹介したり(3、4章)、
言語学からのアプローチや(5、6、7章)、
コンテクスト研究(9章)に対するフォローもされている。
定義・引用・索引が充実しているので辞書としても使えるし、
コミュニケーション学関係の概要書では決定版的ではないだろうか?

以下はチェックした箇所(一部要約含む)・・・

☆コミュニケーションの定義=
・ラテン語の共通項(communicare)が語源→当事者が共通項をつくりあげるプロセス
・”Culture is communication and communication is cultre”(E.T.Hall)
・本書の定義=シンボルを創造し、そのシンボルを介して意味を共有するプロセス
<第1章 コミュニケーションとは何か>

☆コミュニケーションの特徴=
シンボルを介して行われる、言葉や行為そのものに意味はなく人が意味づけする、
意識無意識を問わず人はコミュニケーションを行う、
あるコミュニケーション場面を同じように再現はできない、
コミュニケーションとはプロセス、コミュニケーションの問題は単純化できない
<第1章 コミュニケーションとは何か>

☆コミュニケーション論をめぐる主要な4つの視点・・・

☆「機械論的視点」(The mechanistic perspective)
・命題:「どのチャンネルが一番大きい量のシグナルを送れるか、
     どれくらいノイズが生じるか」の問いに答えるために構築
・特徴:全体は部分の総体に等しいとういう立場
・研究:チャンネルの違いによるコミュニケーション効果など
・コミュニケーション能力:いかにノイズを減らし効率を高めるか
・文化の扱い:文化は要素として組み込まない
→古いモデルでシンプルなので広く使用されている

☆「心理学的視点」(The psychological perspective)
・命題:「刺激をどのように選択し、どのように反応しているか」
・特徴:メッセージの意味はコミュニケーションを行う人が与えるものであるという立場
・研究:概念フィルターを持った個人など
・コミュニケーション能力:いかに当事者相互のフィルターを近似させられるか
・文化の扱い:人が様々な刺激を選別して取り入れる際のフィルターを形作るもの
→メッセージの送り手よりも受け手側に焦点を当てているので応用範囲が広い
  (特に異文化間コミュニケーションではよく使用される)

☆「(シンボリック)相互作用論的視点」(The interactionist perspective)
・命題:「(言葉や行為などの)シンボルがいかに創造され、共有されるか」
・特徴:コミュニケーションは役割取得・遂行によって成立するという立場
・研究:シンボルがある文化でどのように創られるか、変るかなど
・コミュニケーション能力:当事者がどの程度意味を共有しているか
・文化の扱い:コミュニケーションの当事者が共有するシンボル
→文化や副文化の創造、言語発達、認知的プロセスなどに応用可能

☆「システム論的視点」(The perspective of general systems theory)
・命題:「いかにコミュニケーション・パターンを探求するか」
・特徴:全体は部分の総体よりも大きいという立場
・研究:小集団や家族内コミュニケーション・パターンの探求など
・コミュニケーション能力:いかにルールに従ってコミュニケーションできるか
・文化の扱い:習得されたある解釈のシステム(知識体系)であり受け継がれるもの
→まだ新しい理論
<第3章 コミュニケーションの4つの視点>
<第4章 文化に対する視点の多様化>

☆四つの視点の分類・・・

「機械論的視点」&「心理学的視点」
・法則によってコミュニケーションは司られる
・因果関係の探求
・仮説検証型の量的研究(quantitative research)

「シンボリック相互作用論的視点」&「システム論的視点」
・調整可能なルールがコミュニケーションにはある
・現象の探求
・仮説構築型の質的研究(qualitative research)
<第3章 コミュニケーションの4つの視点>

☆言語の定義=
・「言語は思考を形成していく器官である」(Humboldt)
・”a set(finite or infinite) of sentences, each finite
in length and constructed out of a finite set of elements”(Chomsky)
<第5章 言語コミュニケーション(1)>

☆言語の特性=
1:超越性(displacement)、2:恣意性(arbitrariness)、3:生産性(productivity)
4:文化的伝承(cultural transmission)、5:非連続性(discreteness)、6:二重性(duality)
<第5章 言語コミュニケーション(1)>

○普遍文法(Universal Grammar)=
人間の言語の能力を言語能力(competence)と言語運用(performance)に分けて、
前者の言語獲得装置(Language Acquisition Device)が
人類には生まれながらに備わっているとすること(Chomsky)
<第6章 言語コミュニケーション(2)>

○言語学のコミュニケーション能力(communicative competence)=
文法能力(grammatical competence)、社会言語能力(sociplinguistic competence)
談話能力(discourse competence)、方略能力(strategic competence)
(Canale&Swain)
<第6章 言語コミュニケーション(2)>

○協調の原則(cooperative principle)=
会話のやり取りはある程度までは協調的作業であること(H.P.Grice)
<第6章 言語コミュニケーション(2)>

○会話の格率(Maxims of conversation)=
量の格率(Maxims of quantity)、質の格率(Maxims of quality)、
関連性の格率(Maxim of relation)、様態の格率(Maxims of manner)
<第6章 言語コミュニケーション(2)>

☆言語コミュニケーションの特徴=
デジタルである、新しい社会現実を創ることが可能、
抽象思考で重要になる、内省的である(Trenholm&Jensen)
<第7章 言語コミュニケーション(3)>

○言語コミュニケーションの意味の3レベル
・意味論レベル=外延的(denotative)意味+内包的(connotative)意味
・統語論レベル=語彙が文法的に正しい順序に並べる必要性
・語用論レベル=CMM(Coordinated Management of Meaning)
<第7章 言語コミュニケーション(3)>

☆コミュニケーション能力研究の歴史的な2つの潮流
・レトリック研究(humanistic rhetorical study)
 →構想(invention)、配置(disposition)、修辞(style)、
  記憶(memory)、所作(delivery)から構成
・社会科学的研究(social-scientific communication theory)
<第7章 言語コミュニケーション(3)>

○翻訳・通訳の等価性=
語彙の等価性、慣用表現の等価性、文法的等価性、経験・文化的等価性、概念の等価性
<第8章 言語と文化の相互作用>

○イーミックとエティック
・イーミック(emic)=ある特定の文化の枠組みに依存して事象をみる
・エティック(etic)=ある特定の文化の枠組みに依存しないで事象をみる(Pike)
<第8章 言語と文化の相互作用>

☆コンテクストをとらえす尺度は主に2つ・・・
・静的か、動的か(コミュニケーションを規定するのか、お互いに変化していくものか)
・コミュニケーションが起こっている場のことか、その場を取り囲む背景か
<第9章 コミュニケーションの場と背景>

☆コンテクストの種類(Malinowski)=
・状況のコンテクスト(context of situation)
 →活動領域(field)、役割関係(tenor)、伝達様式(mode)が構成要素
・文化のコンテクスト(context of culture)
<第9章 コミュニケーションの場と背景>

☆コンテクスト化(contextualization)=
言語及び非言語を使ってある時ある場所で言った言葉と過去の知識を結びつけ、
会話を保持していくプロセス(Gumperz)
→コンテクスト情報をもとにある会話表現を選ぶこと(Maynard)=
 自己コンテクスト化(self-contextualization)
<第9章 コミュニケーションの場と背景>

☆Hallのコンテクスト定義=
「できごとを取り巻く情報であり、そのできごとの意味と密接に結びついているもの」
→共有している情報量が多ければハイ・コンテクスト文化、
 共有している情報量が少なければロー・コンテクスト文化
<第9章 コミュニケーションの場と背景>

○言語コード=制限(restricted)コード+複雑(elaborated)コード(Bernstein)
<第9章 コミュニケーションの場と背景>

○音調学(Vocalics)=韻律素性(prosodic features)+周辺言語(paralanguage)
<第11章 非言語コミュニケーション(2)>

☆ジェスチャーの機能=
1:表象記号(Emblems)、例示子(Illustrators)、感情表示(Affect displays)、
発話調整子(Regulators)、適応子(Adaptors)
<第11章 非言語コミュニケーション(3)>

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2004 4/15
コミュニケーション学、言語学、社会心理学、心理学、教育学
まろまろヒット率4

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『コミュニケーション・入門―心の中からインターネットまで』 船津衛著 有斐閣アルマ 199611.10.03

最近になって公開している遺書がいろいろなところで取り上げられるようになった、
らぶナベ@この本風に言えば生死間コミュニケーション?(^^;

さて、『コミュニケーション・入門~心の中からインターネットまで~』
船津衛著(有斐閣アルマ)1996年初版。

コミュニケーション論についての議論を網羅的に紹介している一冊。
何となく感じてるコミュニケーション論への違和感を具体化させるために、
メルマガでこの分野の本を募集したときに紹介された本でもある。

読んでみると「うわさ」についての記述に一番の興味を持った。
曖昧な状況の中で状況を把握するために必要なものとしてうわさは発生する。
だから人々がうわさに基づいて行動するのはそのうわさを信じているからではなく、
それが必要だからだし、情報が多すぎても発生するというのは納得(第7章)。

でもやっぱり通して読んでみると全体的に何だか薄いような気がする。
これはメディア論などの本を読むときに感じる違和感にも似ている。
双方向とか強調しながら実は受信者中心で発信者への視点が弱いからだろうか?

ちなみに副題にインターネットが入っているけど、
初版が1996年ということもあって記述がすごく少ない。
(日本におけるインターネット元年が1995年)
やはりこの領域はすごいスピードで変化しているんだなぁ
っとあらためて感じたりもした。

以下はチェックした箇所(一部要約&関心が高い順)・・・

☆「うわさ」
=曖昧な状況に共に巻き込まれた人々が自分たちの知識を寄せ集めることによって
その状況についての有意味な解釈を行おうとするコミュニケーション(ジブタニ, 1985)
→うわさは単なる伝達ではなく人々が状況を規定する過程
→人々がうわさに基づいて行為するのはそれを信用しているからではなく、
それを必要としているから
<第7章 集団行動・社会運動のコミュニケーション>

☆うわさは変化していく状況に適応するために情報が必要であるにも関わらず、
制度的チャンネルが破壊されている場合に生み出される(ジブタニ, 1985)
→情報が多すぎる場合にも発生する
→新しい環境に対処する際に人々がよりいっそう適切な方法を
発達させていく過程に不可欠な要素
<第7章 集団行動・社会運動のコミュニケーション>

☆自己に対する他者の認識と評価についての想像、
それと関連する自己の感情から自我が成り立っている(クーリー, 1921)
→notワレ思うゆえにワレありbutワレワレ思うゆえにワレあり
<第2章 自我とコミュニケーション>

☆「自我は本質的に社会的」
=社会は自我に常に先行して存在し、自我は社会から生まれ、
そこにおける社会的経験と社会的活動の過程において生み出される(クーリー, 1921)
→役割取得(role-taking)を通じて具体的に形作られる
<第2章 自我とコミュニケーション>

☆マスコミは人々の「評価」や「影響」の点ではパーソナルなものにはかなわないが、
「認知」や「情報の流れ」の点では強い力を持っている(ドイッチマン&ダニエルソン)
<第8章 マス・コミュニケーション>

☆「コミュニケーション」
=2人以上の人間が意味を伝達し、その意味の伝達を通じて
互いに共通な意味を有するようになる過程
<第8章 マス・コミュニケーション>

☆「ネットワーク」
=固有の意思と主体性のあるユニットがそれぞれの自由意思で自発的に参加したまとまり
(金子, 1988)
<第5章 集団・組織のコミュニケーション>

○「自己表現」
=自分の気持ち、意志、意見、態度、思考、地位、身分などを他者に向かって表現すること
<第3章 人と人とのコミュニケーション>

○「意味の意識」
=他者の反応と自己の反応、さらにその間の関係を意識していること(ミード, 1973)
<第1章 人間のコミュニケーション>

○「意味のあるシンボル(significant symbol)」
=他者のうちに一定の反応を引き起こすと同時に、
それと同一の反応を自己のうちに引き起こすもの(ミード, 1973)
→これによって人々の共通の意味の世界(universe of discourse)が生まれる
→これは人間特有のもの
<第1章 人間のコミュニケーション>

○「創発的内省性(emergent reflexivity)」
=他者の態度を通じて自己の内面を省みて、
過去と未来を関連づけながら新たな世界を創造すること(ミード, 1973)
<第1章 人間のコミュニケーション>

○「自分自身との相互作用(self interaction)」
=人間は自我をもつ存在として物事や他者を対象化するのと同じく
自分自身を対象化して自分自身に向かって行為できるようになること
→人間は自分自身とコミュニケーションできる(ブルーマー, 1991)
<第1章 人間のコミュニケーション>

○社会規範、価値、理想に同調するときに真の自我を感じる「制度的自我」
               VS
そうしたものから解放されたときに真の自我を感じる「インパルシブな自我」
(その中にはさらにインパルス解放型とインティメート型がある)
<第2章 自我とコミュニケーション>

○「鏡に映った自我(looking-glass self)」
=人間の自我は他者を鏡として、鏡としての他者を通じて知ることができること
(クーリー, 1921)
<第2章 自我とコミュニケーション>

○役割コンフリクト=役割内(intra-role)コンフリクト&役割間(inter-role)コンフリクト
<第2章 自我とコミュニケーション>

○「役割距離」
=決められた役割期待とはズレる行為を行って、目的を達成してしまうこと
→他者の期待から相対的に自由で自律性があることを示す(ゴフマン, 1985)
<第3章 人と人とのコミュニケーション>

○「役割形成」
=既存の役割規定の枠を越えて新たな人間行為を展開すること(ターナー)
<第3章 人と人とのコミュニケーション>

○コミュニケーションの私化は結局は非私化をもたらし再社会化に進む
<第4章 電話コミュニケーション>

○「コミュニケーション合理的なもの」
=共通の状況規定のもとで相互の了解と合意が形づくられ、行為の調整がなされるもの
(ハーバーマス, 1986)
<第5章 集団・組織のコミュニケーション>

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2003 11/10
コミュニケーション論、社会学、社会心理学、心理学、教育学
まろまろヒット率3

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