河合隼雄・吉本ばなな 『なるほどの対話』 新潮社 2005

まろまろ@ついにこの「まろまろ記」が携帯電話に完全対応しました(^_^)v

さて、『なるほどの対話』河合隼雄・吉本ばなな著(新潮社)2005。

心理学者の河合隼雄と、小説家の吉本ばななによる対談本。

読んでみると、小説でも治療でも”偶然”が大切だということを話し合っていて、
河合が自分の職業を「偶然屋さん」と語っていたのが印象的だった。
「うまいこといったやつは、わけわからんのや。失敗したのは、全部わけがわかる」(河合)というのは、
一つ間違うと単なる傲慢だったり安っぽい開き直りになるけれど、河合隼雄が言うと妙に納得。

また、二人ともヒーリングや癒しという言葉に対してネガティヴにとらえていて、
「いま世間で言われていることはヒーリングではなくリラクゼーション」と話している点も印象に残った。

対談に加えてこの本には二人のQ&A往復書簡が載せられているのだけど、
「蝶と蛾はどちらが好き?」という河合の質問に、吉本が「圧倒的に蛾が好き」と応えているのには思わず笑ってしまった。

そして、河合が好きな言葉として「ふたつよいこと、さてないものよ」を紹介していたのも印象深い。
この言葉は『こころの処方箋』を読んだときにも紹介されていた言葉だったけれど、
かつて『こころの処方箋』を読んだ時と自分の置かれている状況が違うだけに心に響くものがあった。

他にも・・・

「ずっと目が覚めている人で掴める人は少ない→寝ている人は勘が冴えてくる」(河合)

「いまの現代人は”社会”病にかかっている→ただ外に出て働いているだけなのに社会に貢献していると思っている人がいる」(河合)

「とにかく日本には、おせっかいが多い→それは想像する作業にとってものすごくマイナス」(河合)

・・・などの発言に興味を持った。
こうして見ると河合発言が多い(^^;
(吉本ばななは対談が苦手とのこと)

この本をamazonで見ちゃう

2007 10/24
対談本
まろまろヒット率3

“河合隼雄・吉本ばなな 『なるほどの対話』 新潮社 2005” への0件の返信

  1. ピンバック: 本のある生活

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です