アンヌ=マリ・デルカンブル、小林修・高橋宏訳、後藤明監修 『ムハンマドの生涯』 創元社 改訂新版2003

らぶナベ@隠しページごはん日記を「まろまろごはん日記」として公式コンテンツ化しました。
隠しページ期間は実に3年にわたっていたのでちょっとした感慨です(*^_^*)

さて、『ムハンマドの生涯』アンヌ=マリ・デルカンブル著、小林修・高橋宏訳、後藤明監修(創元社)改訂新版2003。

イスラーム教の創始者ムハンマドの生涯をたどった一冊。
後半ではイスラームの法概念や慣習も紹介されているし、日本ではあまり見る機会の無い図版も使われている。
(ただ、監修者も書いているように誤解のある部分も少しあるので注意)

読んでみて興味を持ったのが、イスラーム歴元年に当たる622年のヒジュラ前後でムハンマドの役割や性格が変化している点だ。
もちろん地位が変わったという面も大きいけど、それにしても預言者としての宗教活動を中心にしていたメッカ時代と、
政治家としての役割も担ったマディーナ時代では、ムハンマド自身の性格もかなり変化しているように感じた。
たとえばクルアーン(コーラン)も、メッカ時代のメッカ啓示は短く詩的なものが多いのに、
マディーナ時代のマディーナ啓示の部分は長くて行政的なものが多いという大きな違いがある。
卵が先か鶏が先か、環境の変化か個人的な因子か・・・少し考えさせられた。

また、ムハンマドがウカーズの市場で、砂漠では金より言葉が価値があることを知ったというエピソードにも興味を持った。
ムハンマドの生きた時代は詩人が語る詩には霊鬼(ジン)が宿るとされて大きな影響力を持っていた。
その詩の力に影響を受け、自身でも活用したムハンマドのメディア戦略にも関心を持った。

この本をamazonで見ちゃう

2006 4/30
歴史、宗教、イスラーム教
まろまろヒット率3

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です