マイケル・ギボンズ、小林信一監訳 『現代社会と知の創造―モード論とは何か』 丸善 1997

ごはん日記にコロッケそばコンテンツをアップしたら、「揚げたてではダメなのです!」などの熱いメールが複数寄せられた、
らぶナベ@立喰師列伝にはまだまだ入れないようです(^^;

さて、『現代社会と知の創造―モード論とは何か』マイケル・ギボンズ編著、小林信一監訳(丸善出版)1997。
原題は“The New Production of Knowledge: The Dynamics of Science and Research in Contemporary Societies”(1994)。

前からペラペラと飛ばし読みしたことはあったけど、最近になってWeb2.0などのネット進化の議論で
引用されてるのを見かけることが増えたので通し読みしてみた一冊。

現在、知的生産の方法が大きく変化している。
この本では、その科学技術活動のモード(様式)についての議論をしている。
ディシプリンの内的論理で研究するこれまでの知識生産様式をモード1、
社会に開放された新しい様式をモード2と分類して、その背景や意義を述べている。

解説に書かれてあるように、やっつけ仕事を感じるところや無理やり感がある部分もあるけど、
初版から10年以上たったいまでもこの本が提言したモード2の動きは変わっていない。
たとえばネット上での動きはまさにモード2のものだし、「お行儀の悪い」様式がますます存在感を増してきている。
そんな僕もお行儀の悪い方に分類されているんだろうなと思いながら読み終えた。

ちなみにかなり長い序章(30ページ)を読めばそれで十分内容がわかるようになっている。

以下はチェックした箇所(一部要約)・・・

○クーンのパラダイム論では個々のディシプリンの内部の研究活動を規定するパラダイムの存在を考えた
→ギボンズのモード論では、個別のディシプリンを超えて、あるいは科学技術の研究活動を超えて、
知的な生産活動全体を規定するモードが存在していると考える
<転機に立つ「科学技術と社会」―日本語版の解説にかえて―>

☆トランスディシプリナリティの四つの側面・・・
1:明確な、しかし進化する問題解決の枠組を発展させる
2:解は経験的要素と理論的要素の両方を含み、それはまぎれもなく知識への貢献
3:モード1では制度的な経路を通じて成果が伝達されるが、モード2では成果は参加者が参加している最中に伝えられる
4:ダイナミックであり、流動的な問題解決能力
<序章>

☆本書の核心は、供給サイドにおける潜在的な知識生産者の拡大と、
需要サイドの専門知識に対する要求の拡大が同時並行的に起こっていることが、
知的生産の新しいモードの出現の条件を生み出しているということ
<序章>

○モード2はコミュニケーションが決定的に重要
→知識を利用するためには知識生産に参加しなければならない
<序章>

☆科学は動的にいつも複雑で変化に富んだプロセスで社会を形成したり、また社会によって逆に科学が形作られたりしている
→科学が取り組む可能性のある問題の幅は際限なく大きく、それゆえ研究課題は純粋に知的な言葉では理解しえない
<第一章 知識生産の進化>

○科学は、技術的な規範と社会規範との緊密な相互作用を含む高度に構造化された一連の活動
<第一章 知識生産の進化>

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2006 3/6
科学哲学、技術社会論、研究様式論
まろまろヒット率3

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