シュテファン・ツヴァイク、片山敏彦訳 『人類の星の時間』 みすず書房 1996(原著1943)

温泉&銭湯好きなので新コンテンツとして「ぷかぷかお風呂(仮)」をつくろうかと思っている、
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さて、『人類の星の時間』シュテファン・ツヴァイク著、片山敏彦訳(みすず書房)1996(原著1943)。

『ジョゼフ・フーシェ』などの伝記小説の名作を残している著者が書いた歴史的瞬間のエピソード集。
「人類の星の時間」の意味は「時間を超えてつづく決定が、或る一定の日附の中に、或るひとときの中に、しばしばただ一分間の中に圧縮される」、
「そんな時間は星のように光を放ってそして不易に、無常変転の闇の上に照る」(序)ということからタイトルになっている。

そんな人類史の中で輝く、濃縮された瞬間として「不滅の中への逃亡」(太平洋の発見:1513年9月25日)、
「ウォーターロー(ワーテルロー)の世界的瞬間」(1815年6月18日のナポレオン)」、
「エルドラード(黄金郷)の発見」(J.A.ズーター、カリフォルニア:1848年1月)などの12の歴史的瞬間をえがいている。

読んでみると瞬間をとらえた詩的な表現が印象に残ることが多かった。
たとえば後にフランス国家になるラ・マルセイエーズの誕生を取り上げた章
「一と晩だけの天才」(ラ・マルセイエーズの作曲:1792年4月25日)では、
「もしも一つの作品がただ一人の人をほんとうに感動させたならば、それだけで十分である」
なぜなら「どの感動も、それ自身創造的なものだから」と述べているのが印象深い。

また、「封印列車」(レーニン:1917年4月9日)の章で、「あのときスイスの国境からドイツ全土を超えてペテルスブルグに着き、
それから時代の秩序を破壊するに到った(略)革命家たちを乗せていたあの列車ほど長い射程と運命決定の力とを、
戦争中のどの砲撃も持ってはいなかった」という表現はまさに歴史的意味を言い得て妙だと思った。

他にも、脳溢血で倒れながらも復活したヘンデルを取り上げた「ゲオルグ・フリードリッヒ・ヘンデルの復活」(1741年8月21日)の章では、
ヘンデルの死を述べる最後の一行を「ゲオルク・フリードリッヒ・ヘンデルと呼ばれた存在のうちの、滅ぶべき部分だけが滅びたのである」
として終わっているのがWEBで遺書を公開している僕の気持ちに響くものがあった。

振り返ってみると一人の人生の中でも、瞬間的な出来事や決定がその先の数十年を決めることがある。
その濃縮された瞬間がその先も星のように光輝くように、僕も決断と行動をしたいものだと思った(^_-)

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2006 2/6
歴史
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