大阪に帰ってみると久々にやしきたかじんをTVで見た、らぶナベです。
さて、『日本の奇僧・快僧』今井雅晴著(講談社現代新書)1995。
仏教史の専門家が、奇僧・快僧として評価されてきた僧たち、
道鏡、西行、文覚、親鸞、日蓮、一遍、尊雲(護良親王)、一休、快川、天海を取り上げている一冊。
読んでみて興味深かったのは、奇僧・快僧と呼ばれる人たちには共通項があると言っている点だ。
それは、1:力強さがある、2:アウトサイダーである、3:学問が深い、というもので、
いわゆる頼もしい知的アウトサイダーとしての存在感が庶民の人気を集めたと指摘している。
また、踊念仏の一遍はわかるとして、日蓮と親鸞も取り上げているのも面白かった。
この二人は現代では聖化、権威化しているけど、確かに奇僧の部類に入る僧たちだろう。
日蓮は一切の妥協を放棄したファイターであり続けたし、
非僧非俗(僧でもなく俗でもない)を自称した親鸞はまさにアウトサイダーだった。
だから僧が制度に組み込まれて俗化が進んだ江戸時代以降は快僧・奇僧が出現していないとして、
(南光坊)天海で終わっているところがこの本の特徴と言える。
生々しくて、まがまがしい、でも頼りがいがある知的アウトサイダーとしての
奇僧・快僧たちの魅力をちょっと感じさせてくれる一冊。
2005 12/25
歴史、仏教
まろまろヒット率3