読書日記の下にあるコラムやポエムは見落としがちだという指摘を複数受けている、
らぶナベ@独立コンテンツにすべきかどうかご意見募集しまっす(^^)
さて、『テキストサイト大全』釜本雪生+くぼうちのぶゆき編著
(ソフトマジック)2002年初版。
「個人による情報発信」は21世紀のキーワードの一つになりそうだと感じ始めている。
さらに『個人ホームページのカリスマ』や『万有縁力』が思ったよりも良かったので、
網羅的なタイトルと分量の厚さにひかれて購入した一冊。
HP運営者の一人としても何かヒントが得られればと読んだのだが、
「テキストサイトの平均寿命が半年から一年の間・・・
しかし閉鎖した人間のほとんどが再びサイトをたちあげる」というのが面白かった。
演劇にしろ写真にしろ芸能活動にしろどんな表現活動でも、
一度表現者としての充実感を感じた人間はそれを忘れられないのだろう。
「表現は麻薬」とも言うが、その薬をいかに楽しめるかが
情報化社会を生きる上で重要な鍵の一つとなってくるだろう。
(妄想銀行)
しかし、残念ながらこの本には重大な欠点が・・・
最初の方でテキストサイトの定義をする箇所があるのにそれを曖昧にさせている。
それなのにその後は常に「テキストサイトというものは」として話を進めているので
結果的に派閥などの内輪的な話や著者の先入観ばかりが妙に目立ってしまっている。
特にこの分野は信頼できる統計データがほとんどない上に変化も激しいので
「個人サイト」と言わずにあえて「テキストサイト」と打ち出すなら、
誤解を恐れずに最初に定義をしっかりと徹底的にやるか
もしくは完全に定義を放棄するのかのどちらかにしないと、
不完全燃焼に終わってしまうのだろう。
(どちらも勇気がいるが新しい分野を扱うのには必要なこと)
新しい分野に挑戦するというこの本の姿勢もタイトルも扱う素材も
良いだけにもったいなさを一番に感じてしまった。
インタヴューをおこなった有名テキストサイト(とされる)の運営者の多くが
「自分のところはテキストサイトじゃない」と言っていたのが象徴的だろう。
ただ、非常に魅力的な素材や姿勢なので、こういう本がまた出ることを期待。
個人サイトは今後減ることはなさそうなので安心して期待しよう(^^)
2002 8/1
情報関連、メディア論
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