らぶナベの口癖のひとつ。
思春期のやり場のない怒りや衝動を歌った尾崎豊の『15の夜』という名曲があるが、
らぶナベはちょうど15歳の時にたまたまこの歌と出会った。
「盗んだバイクで走り出す(略)暗い闇のとばりの中へ・・・」
という印象的な一節に心震わして家出を試みたことがある。
当時たまらなく感じていた圧迫感や焦燥感とこの歌を重ね合わせて、
歌詞にあるようにわざわざ寒い冬の夜を選んでバイクを盗もうとした。
・・・ところがいざ実行に移してみるとバイクの盗み方がわからず、
試行錯誤してみたものの寒さに耐えられずに結局そのまま家に戻った経験がある。
この歌ではバイクを盗んだあとに「自由になれた気がした、15の夜」
という一節で終わるが、らぶナベ版15の夜は
「自由になれた気もしなかった、15の夜」として終わった。
以来、「世の中というのは歌や小説のようにはいかないものだ」というのが口癖になる。
どんなことでも話半分に見聞きしなくてはいけないという、
人生にとって何番目かに大切な心構えを養うきっかけとなった事件である。
誰もが思春期に一度は経験する社会の壁との衝突は後に財産になるものである。
類似例:飲み屋でよく耳にしても・・・「しみったれた武勇伝は聞き流せ」