実は最近ピュタゴラスにご縁がある、まろまろです。
さて、『ピュタゴラスの旅』酒見賢一著(集英社)2001。
「ピュタゴラスは旅人であった」
・・・ピュタゴラス教団の教主、ピュタゴラスは突発的な旅に出る。
教団はピュタゴラスの旅に後継者と期待される英才の少年、テゥウモスを同行させる。
輪廻転生を信じ、無知な人々の期待に応えようとするピュタゴラスの態度に、少年テゥウモスは疑問を感じてゆく・・・
表題の『ピュタゴラスの旅』を含む五編の短編集。
何と言っても表題の『ピュタゴラスの旅』が印象深い。
伝説に包まれた哲学者、ピュタゴラス(ピタゴラス,Pythagoras)を主役にした歴史小説というだけでも珍しいけれど、
宗教的な救いに応えるピュタゴラスと、科学の探究を求める弟子テゥウモスとの対立の中に、
宗教と科学と哲学が、まだ渾然一体だった時代の思想性がえがかれている。
「旅」の意味が、実際の旅と、精神の探求の意味の両方が重ねあわせられている短編。
2009 7/2
歴史小説、哲学
まろまろヒット率3
酒見賢一さん、デビュー作読んで以来ご無沙汰でした。
よく冷えた翡翠冷麺のように、口ざわりよく、きりりとおいしいですね。
>miroさん
なるほど!
翡翠冷麺の例えは分かりやすいですねー。
さすがです☆