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さて、『シンカのかたち 進化で読み解くふしぎな生き物』北海道大学CoSTEPサイエンスライターズ著、宮本拓海イラスト、遊磨正秀・丑丸敦史監修(技術評論社)2007。
不思議な生物たちを進化論の視点で解説する一冊。
僕たち人間から見れば、へんてこりんで魅力的な生物たちが紹介されている。
たとえば若返りをおこなって永遠に生きることができる「ベニクラゲ」(Turritopsis nutricula)や、
しっぺ返し戦略の互恵的利他行動で助け合いをする「ナミチスイコウモリ」(Demodus rotundus)などの
こうした本ではレギュラー的(?)なお馴染みの生物から、
植物なのに歩くことができる「ウォーキングパーム」(Socratea exrrhiza)や、
擬態をおこなってシロアリを欺すカビの「ターマイトボール」(Athelia)などの興味深い生物が取り上げられている。
中でも馴染み深い「タラバガニ」(Paralithodes camtschaticus)は、実はカニではなくてヤドカリの一種だということは知らなかったので面白かった。
カニに似ているのは進化における「収斂」の結果で、そもそもカニとは足の本数からして違うらしい。
読んでいると『へんないきもの』に影響を受けたと思わしきシニカルな文体の箇所もあったけれど、『へんないきもの。』よりも科学的正確性が高い一冊。
(その分、断定を避ける記述も多い)
ちなみにこの本の執筆者の一人は研究室の後輩が入っていたりする(^_^)v
2007 6/3
進化生物学
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