最近、コーヒー・ハウスではココアやチョコレートも主流の飲み物だったと知った、
まろまろ@男がカフェでココア注文しても別に恥ずかしくないのですな(^_^)v
さて、『コーヒー・ハウス―18世紀ロンドン、都市の生活史』小林章夫著(講談社)2000。
ロンドンのコーヒー・ハウスが全盛期だった17世紀半ばから18世紀にかけての、
コーヒー・ハウスとそれを取り巻く政治、経済、文化を紹介する一冊。
具体的には・・・
第1章:一八世紀イギリスの生活史―ロンドン、ペスト、大火
第2章:ジャーナリズムの誕生―クラブ、政党、雑誌
第3章:ウィットたちの世界―文学サークル、科学実験、チャップ・ブック
・・・の三章構成で、代表的なコーヒー・ハウスとその果たした役割が書かれている。
たとえば、ロイド保険組合を生み出した、ロイズ・コーヒー・ハウス。
ドライデンなどの文化発信の中心となった、ウィル・コーヒー・ハウス。
ジョン・デザグリエルスによて科学実験を客の前で見せた、ベッドフォード・コーヒー・ハウスなどが取り上げられている。
また、情報センターであったコーヒー・ハウスからジャーナリズムが生まれていった経緯も紹介しつつ、
コーヒー・ハウスがいかに政治、経済、文化の拠点となっていたのかを紹介している。
このよう18世紀ロンドンでコーヒー・ハウスが盛んになった理由に興味を持ったが、
当時から、1:値段が安い、2:酒が無いので真面目な雰囲気、3:楽しめる、という点が指摘されていたらしい。
著者はこれに加えて、当時のイギリスの住宅事情が悪くて家で人と会うのが難しかった、という点を挙げている(第1章)。
また、これと対をなして、コーヒー・ハウスの衰退した理由については、
1:数が多くなりすぎた、2:酒も出すようになった、3:客の多様性が失われた、4:ジャーナリズムの発達、
5:植民地政策の変更によって紅茶が中心となった、6:個人の家の構造が良質化した、という点を指摘している(第3章)。
2007 6/1
歴史、グルメ、カフェ本
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