京極夏彦 『陰摩羅鬼の瑕』 講談社 2003

らぶナベ@40度近い高熱からようやく解放されつつあるっす。

さて、『陰摩羅鬼の瑕』京極夏彦著(講談社ノベルス)2003年初版。
京極堂シリーズ最新作のミステリー小説。
この京極堂シリーズは去年読んで以来、ハマッてしまって何度も読み直している。
特に第1作目の『姑獲鳥の夏』を読んだときはかなりの衝撃を受けて、
いまの学校に通うことになるきっかけのひとつになったくらいだ。
(人生のボタンかけまちがえた?(^^;)
そんな京極作品は今回5年ぶりの新刊ということで、
発売日(8/8)当日に意気込んで買って読んでみた。

感想は・・・ちょっと生ぬるい(^^;
このシリーズはたとえ犯人がわかっていても、
その動機やトリックが衝撃的で毎回驚かされるものなのに
今回は犯人も動機もトリックもすぐにわかってしまってぜんぜん驚きがなかった。
前作の『塗仏の宴』(支度始末)を読んだときも感じたが、大丈夫だろうか京極夏彦。

とはいえ、今回のテーマはハイデガーによる存在と時間の認識論と、
儒教の死生観を絡めながら生と死の概念について扱っている。
ちょうど遺書を書いたときだったのでテーマ的にはすごく興味深かった。
生と死の認識の「瑕」が語られる最後のシーンでは、
展開も結末もわかっていても「きゅん」っとなってしまった。
まだまだやれるぞ、がんばれ京極夏彦!

この本をamazonで見ちゃう

2003 8/21
小説
まろまろヒット率3

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