雪印に続いて森永もやばそうなので気に入っている牛乳プリンも
店頭から消えちゃうのかな?と心配しているらぶナベっす。
さてさて、『違法弁護』中嶋博行著(講談社文庫)1998年初版。
この作家の処女作『検察捜査』に続いて読んだ第二作目の小説。
これらの作品はまだ読んでいない『司法戦争』を加えて
「法曹三部作」と呼ばれているらしい。
話の筋立ては横浜でおこった警官射殺事件を中心にして
貿易会社による企業犯罪、その会社顧問の法律事務所と神奈川県警との対決、
最高検察庁の内部腐食などがスケール大きくえがかれている。
そして今回も主役は法曹界に席をおく気の強い女性。
国際約款やM&Aなどの渉外法務を専門にする(マジでめっちゃ儲かるらしい)
大型法律事務所にアシスト弁護士=つまりヒラ弁護士として務めながら
パートナー弁護士になろうとする彼女の野心を主軸に書かれている。
会社への強制捜査を清算手続でかわすなど渉外法務の知識を使って
リーガルディフェンスをする箇所などはなかなかに読ませてくれる。
それに多面的に利害関係者を絡ませていきながらも退屈させない話の展開は
本職が弁護士らしくてやっぱりうまいなと思うが(そうやって仕事するんだね)
前の作品と比べるとちょっと見劣りしてしまう、似ている点も多いし。
批評家も解説で「三部作として読まないとダメ」と苦しい言い訳をしていた。
実際に著者の作品の中では一番売れてないらしい(^^;
ちなみに解説で批評家がこの分野(リーガルサスペンスもの)の第一人者
ジョン・グレシャムのデビュー作品『評決のとき』もほとんど売れなかったと
言っているが映画を見る限りジョン・グレシャムの作品の中では
この『評決のとき』が一番良いと思うのは僕だけだろうか?
特に最後の法廷シーンは僕にこの進路を選ばせたきっかけの一つなのに・・・
2000 7/13
小説、法学一般
まろまろヒット率3