父の観阿弥と共に、能楽を確立した、世阿弥の代表作。
原著は、15世紀初頭に成立したとされている。
この本は、世阿弥が息子に能楽の真髄を伝えるための秘伝書、という形式になっている。
しかし、「花」を軸にしたその内容は、パフォーマンス論、芸術論、美学などにも通じる普遍性がある。
本業は劇作家の訳者も、「耳が痛い」と後書きで書いているように、現代でも活き活きとした影響力を感じる一冊。
以下は、チェックした箇所 (一部要約含む) …
○能は物狂を演じるが1番面白い
→物狂を演じる時は狂ったその原因が大事
→直面 (面を取った素顔) の物狂こそ、能の窮極地点
→物狂は、研究と工夫をいくらでも重ねるに値する対象
<花伝その二ー風姿花伝>
○かりそめのものであろうとなんだろうと、「花」がある方が勝つ
→能においては、一にも二にも「花」が命
<花伝その三ー風姿花伝>
○「風姿花伝」の意味=「心より心に伝ふる花」=伝統の「風」を体感し、「花」を「伝」え継いでいく
<花伝その五ー風姿花伝>
☆「花」=見ていてこれは面白い!と感じるユニバーサルな何か
<花伝その五ー風姿花伝>
☆「花」を開かせることの必須条件=真摯であること、穏やかな心持ちをキープすること
<花伝その六ー風姿花伝>
☆能を作る上で最も大事なことの一つ=座長のパフォーマンスをグッとくるものにするために、ここぞというタイミングでキラー・フレーズを使う
<花伝その六ー風姿花伝>
☆「花」=面白さ=特別なレア感
<花伝その七ー風姿花伝>
☆「花」=見る人の心が格別にレアな何かを感じた時に、その人が見ていた「それ」
<花伝その七ー風姿花伝>
☆「花」の種を失うこと=パフォーマーとしてレベルアップした時に、それ以前の自分の芸の質感を捨ててしまうこと
<花伝その七ー風姿花伝>
☆秘しているからこその「花」
→「花」=見る人が予想しなかった感興を、その心に生じさせるテクニック
→秘伝の内容を知られてはいけないだけでなく、秘伝をわきまえている人間であることさえ察知されてはいけない
→油断させておいて勝つことは、特別なレア感を生じさせるためのセオリー
<花伝その七ー風姿花伝>
☆成功に導くために必要な「花」には、その時代、その地域ごとに異なる観客の様々な好みに応じて、ふさわしいパフォーマンスをチョイスするフレキシビリティが必要
=人々心々の花
<花伝その七ー風姿花伝>
2026 8/22
能、舞台芸術、パフォーマンス論、芸術論、美学
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