マルク・レビンソン、村井章子翻訳 『コンテナ物語 世界を変えたのは「箱」の発明だった 増補改訂版』 日経BP 2019

コンテナ、特に輸送コンテナ (shipping container) が普及する過程とその影響を解説する一冊。

原題は、“The Box: How the Shipping Container Made the World Smaller and the World Economy Bigger” (2016) 。

内容は、地味で目立たない輸送コンテナが、いかに現在の世界経済を変えたか、また、そのことを当時の誰も予想できなかった点を強調しているのが特徴的。
この点は、以前読んだ、『補給戦―ナポレオンからパットン将軍まで』の最終章の名前が、「知性だけがすべてではない」にも通じると感じた。

以下はチェックした箇所 (一部要約含む) …

☆マルコム・マクリーンがすぐれて先見的だったのは、海運業とは船を運航する産業ではなく荷物を運ぶ産業だと見抜いたこと
→輸送コストの圧縮に必要なのは単に金属製の箱ではなく、貨物を扱う新しいシステムという理解
<第3章 トラック野郎>

☆機械化に対する港湾労働者組合の執拗な抵抗は、一つの原則を確立した
→仕事を奪うようなイノベーションを産業界が導入する場合は、労働者を人間的に扱うという原則
<第6章 労働組合>

☆コンテナの歴史を振り返って驚くのは、専門家や先駆者でさえ繰り返し予想を誤ったこと
→民間企業も、国も地方自治体も何度も失策を犯した
<第15章 付加価値>

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2025 5/19
ビジネス書、経済史、歴史、経済学、supply cain、
まろまろヒット率4

スティーブ・ザフロン&デイヴ・ローガン、トランネット訳 『パフォ-マンスアップ3つの法則: 組織と個人の成果にブレークスルーを起こす法』 ダイレクト出版 2011

組織と個人のパフォーマンス (Performance) の向上を解説する本。

約29年前にマレーシア・プロジェクトで一緒にジャングルに行った友人からオススメされた一冊。

原題は、“The Three Laws of Performance: Rewriting the Future of Your Organization and Your Life” (2009) 。

以下は、チェックした箇所 (一部要約含む) …

◯パフォーマンス第1法則=人の行動は、状況が本人にどのようなものとして起きているかと相関する
<第1章 不可能を可能にする>

◯パフォーマンス第2法則=状況の起き方は言葉の中に生じる
<第2章 パフォーマンス向上のカギはどこに?>

◯欺瞞の4要素=根強い不満、行動パターン、メリット、代償
<第2章 パフォーマンス向上のカギはどこに?>

◯パフォーマンス第3法則=未来に基づく言葉が状況のその人への起き方をトランスフォームする
<第3章 すでに描かれた未来を書き換える>

◯リーダーシップ=人々をゲームに巻き込むこと
<第4章 リーダーシップについて書かれた本は多いのに、なぜリーダーがこんなに少ないのか?>

◯自立=自分が何者かなのかを表すことができ、世の中で存在感を発揮することができる
<第5章 自立した組織>

◯外部の利害関係者と継続的な会話をしている組織は、おのずと発展する
<第5章 自立した組織>

◯自己改革ができる人=自分自身に対する見方を変える能力がある
<第7章 マスターへの道>

◯自分の満足につながらないことは、諦めても構わない
<第8章 ワンランク上のパフォーマンス>

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2025 4/1
ビジネス書、リーダーシップ、自己啓発
まろまろヒット率3

東野圭吾 『ガリレオvs.メタルの魔術師 ガリレオの事件簿』 文藝春秋 2023

ガリレオ・シリーズの「操縦る」、「曲球る」、「幻惑す}の3篇を、ジュニア版として再編した一冊。

特に、「ガリレオvs. メタルの錬金術師」の表題にもなった、「操縦る」は、印象に残った。

恩師との対決という点が、旧友との対決である同じガリレオ・シリーズの『容疑者Xの献身』と似た構図を持っていて、ガリレオ (湯川学) の寂しさや、悲しみが伝わってきた。

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2025 3/18
推理小説、ミステリー小説、ジュニア版
まろまろヒット率3

ジェームズ・ドゥティ、関美和訳 『スタンフォードの脳外科医が教わった人生の扉を開く最強のマジック』 プレジデント社 2016 

脳神経外科医で、スタンフォード大学にある「共感と利他精神研究教育センター」 (Center for Compassion and Altruism Research and Education
:CCARE) 創設者の著者が、自伝を通して、mindfulnessを解説する一冊。

原題は、“Into the Magic Shop: A Neurosurgeon’s Quest to Discover the Mysteries of the Brain and the Secrets of the Heart” (2016) .
読んでみると、著者が近所のマジックショップを見つけることから始まる自伝が、生々しいほどの臨場感があり、読み物として引き込まれた。
また、この本のテーマであるmindfulnessは、以前、認知行動療法として医療機関で1年半取り組んだことがあった。
(『ACT(アクセプタンス&コミットメント・セラピー)をはじめる セルフヘルプのためのワークブック』、『呼吸による癒し―実践ヴィパッサナー瞑想』など)

その時の経験と合わせて読み進めると、mindfulnessの効果や、科学的な研究となっていく背景について、統合的な知見になっていく感覚を得た。

以下は、チェックした箇所 (一部要約含む) …

◯人は、安定と安心が確保されている環境で一番能力を発揮する
<2 ものすごい怒りがこみ上げてくるんだ>

☆あなたが出会うすべての人を、あなたと同じように欠点のある不安定な存在として見る
→あなたと同じように失敗し、間違った道を選び、時には他人を傷つけるが、愛されることを求めている
<4 自分をどう扱うかを決めるのは自分>

◯生徒に準備ができていると、先生が現れる
<5 お金がたくさん欲しい>

☆強く思い描くと、実際に見るようになる
→神経科学と脳可塑性の事例

☆意識を向けることには大きな力がある
→脳を変え、灰白質の中の学習や成果や夢の実現を助ける部分を強化する
<6 いいことのなった町を出る>

☆自分が成功したり、すごいことをやってのけるのを望まない人がいることを受け入れる力が必要
→そういった現実と折り合いをつけて、いたずらに反応しないことが重要
<7 それは受け入れられません>

☆富が幸せをもたらす方法はたった一つ、人に与えること
→幸せになりたければ、他人を幸せにするしかない
<10 心のコンパスに従う>

◯強い感情が思考を黙らせることができる一方で、思考によって強い感情を追い出すことは、ほとんどできない
<10 心のコンパスに従う>

☆mindfulnessと視覚化 (visualization) は、集中力を上げ、意思決定の速度を上げてくれるが、知恵と洞察が伴わなければ、自己陶酔とnarcissismと孤立につながりかねない
<10 心のコンパスに従う>

◯心のAlphabet=CDEFGHIK
→Compassion、Dignity、Equanimity、Forgiveness、Gratitude、Humility、Ingegrity、Justice、Kindness、Love
<11 心のアルファベット>

☆自分がどれほど重要な人間かを他人に知らせたがるのは、不安の表れ
→他人も自分も、良いところも悪いところもあることを認めた時、人は本当につながり合える
<11 心のアルファベット>

☆中脳水道周囲灰白質と眼窩前頭皮質との結合が人の振る舞いに大きな役割を果たしている
→他者に分け与えると、もらった時よりも大きな快楽を感じる
→他者が親切に振る舞ったり、他者を助けているのを見ると、自分も思いやりのある行動を取るようになる
<12 「適者生存」の本当の意味>

☆他者に向ける笑顔、断罪しないこと、自分や他者への許し、が贈り物
→共感と奉仕の一つ一つが、この世界と自分自身への贈り物
<13 みんなの旅が始まった>

☆生まれながらにして完璧な人生はなく、苦しい現実から逃れることはできない
→しかし、美しい心のつながりからも逃れることはできない
<13 みんなの旅が始まった>

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2025 3/9
自伝、mindfulness、瞑想、自己啓発
まろまろヒット率4

浅倉秋成 『六人の嘘つきな大学生』 KADOKAWA 2023

人気企業の新卒採用を受けた六人の大学生は、最終選考として、この中なから1名を選出するグループワークをすることになる。
そこに、全員の過去を告発する封筒が見つかった…

新卒一括採用の白々しさと、誰もが持つ仮面を暴露しながら、どんでん返しと複数の伏線回収が印象的な一冊。

ミステリー小説として、構成がよく練られていることに加えて、自分自身の新卒時の就職活動の時のこと (『就職エッセイ』) や、採用を担った時のことが思い出されて、当事者の緊張感や迫真的な場面が共感できた。
また、複数ある伏線回収の中では、p. 324の伏線回収が一番印象に残った。
何年も意識していた、自分の告発の中身が、最後へのつながりとなり、昇華する流れは、一種の様式美のように思えた。

ミステリー小説としても、就職活動を振り返る機会としても、心にあるわだかまりの昇華としても、様々な視点で読める一冊。

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2025 2/2
ミステリー小説、就職活動
まろまろヒット率4

佐々木司監修 『やさしくわかる! 文系のための東大の先生が教える 発達障害』 ニュートンプレス 2024 

東京大学で精神神経科学の研究をしている佐々木司先生と、理系が苦手な文系サラリーマンの対話による、発達障害の解説書。

主に、自閉スペクトラム症 (Autism Spectrum Disorder, ASD) 、注意欠陥多動症 (Attention-Deficit/Hyperactivity Disorder, ADHD)、学習障害 (Learning Disabilities, LD) の三つのタイプの発達障害を中心に、現時点で判明している研究成果を基に、発達障害の特徴と、その付き合い方をまとめている。

以下は、チェックした箇所 (一部要約含む) …

☆発達障害の自己判断が難しい理由=自己評価と客観的評価は食い違う可能性が高いから
<1時間目 発達障害の基本>

◯ASDは「内側前頭前野」の非言語情報を処理する領域があまり働いていないことが一因ではないかと考えられている
<発達障害の三つのタイプ>

☆「普通」と「発達障害の特性」の間には、客観的な線引の基準はない
→生活に支障をきたしているかどうかという基準が重要になる
<4時間目 発達障害との上手な付き合い方>

◯「環境調整」=自分の体型に合った服を選んで着るようなもの
<4時間目 発達障害との上手な付き合い方>

◯連絡報告では、用件、結論、理由、対策の4点が重要
→予定通り進んでいれば、用件、結論の2点だけでいい
<4時間目 発達障害との上手な付き合い方>

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2024 11/1
ASD、ADHD、LD、発達障害、発達神経症、精神障害
まろまろヒット率3

マーシャ・シャイナー & ジョーン・ボグデン、梅永雄二訳 『自閉スペクトラム症(ASD)社員だからうまくいく――才能をいかすためのマネージメントガイド』 明石書店 2022

自閉スペクトラム症 (Autism Spectrum Disorder, ASD) を社員として雇用する上での注意点や、その特性を会社として活かす方法を、上司や経営者向けに解説した本。
原題は、“An employer’s guide to managing professionals on the autism spectrum” (2017) 。

ASDに限らず、発達障害関係の本は、保護者や当事者向けのものが多いため、「問題点をどのように補うか」というの負の面を補う内容のものが多い。
そのような本でも、「独自の個性を伸ばして…」などの個性を活かすことの重要性は書かれているものの、その具体的には乏しいものがほとんどだった。
(あくまでこれまで私が読んだ本の中での感想)

この本は、実際にASDを会社の社員として雇用する上で上での注意点と合理的配慮に加えて、その個性をいかに会社の中で発揮させるかについて書かれているところが最大の特徴。
ASDの特性の積極的な活用という本書の趣旨は、就労継続支援A型事業の経営者としても強い興味を感じた。

以下は、チェックした箇所(一部要約含む)…

☆ASD社員雇用者の所見=
・「私達が発見した未使用の採用の貯水湖」 (K.R Lewis, 2014)
・「会社が多様化すれば、製品や問題解決により多くの視点を取り入れることができる」 (Florentine, 2015)
・「これまで明らかにされたことがない視点を利用でき、全く新しい、より豊かで、より深く、より広い世界観を開くことができる」 (Florentine, 2015)
<第3章 自閉症ということの開示と自閉症社員のタイプ>

◯多くのASDは他者との関わりを持ちたいと思っており、一般的に意図して侮辱的、批判的、不適切な態度を取っていない
→職場での適切な話題や対処法を上司が教えることは効果的
→もしASD社員が同じ間違いを繰り返すようなら、上司が「安全な」話題のリストを更新して、練習させる
<第5章 会話>

☆一般的に、定型発達者は反復的な考えに対処するために、自分の考えを別のものに移そうとするが、ASDにとって自分でそれを行うのは非常に難しい
→しかし、解決策や改善策など、より建設的なことに集中するように上司が提案することで、否定的な考えから転換する手助けができる
→ex. 「あなたの一番の心配事を1ページにまとめて、私が参照できるようにして」と指示するなど
<第5章 会話>

☆「共感」=他人の視点を理解する「認知的共感」+前者を基に相手の気持ちを気遣う「感情的共感」
→ASDは、「認知的共感」は低いが、「感情的共感」は高い
(Hadjikhani et al., 2014) (Markram, Rinaldi, and Markram, 2007)
<第6章 人とのかかわり>

◯ASDの生まれつきの正直さは、仕事の場ではメリットになる
→上司が意見を聞けば、ほとんどの場合、正直で直接的な答えが返ってくる
→ただし、ASDは自分が正直であるから、他人もそうだと思い込みがちなので、社会的不利な立場になることも多い
<第6章 人とのかかわり>

☆ASDは、細かいことを記憶し、処理し、パターン化が得意であり、その能力は複雑な問題に対する創造的な解決策をもたらすことがある
→興味あるテーマを調査してカタログ化する情熱を持っているので、それを積極的に共有することで、同僚の間で貴重な情報源となることがある
<第8章 組織化>

◯ASDが優先順位をつけるための確認事項
・依存:ある仕事は他の仕事の完成に依存していないか?
・時間:ある仕事の期限が他の仕事よりも早かったり、誰かにすぐやって欲しいと頼まれたりしていないか?
・人:誰がその仕事を要求しているか?
<第8章 組織化>

☆ASDは、「ボトムアップ」で物事を考える傾向があり、事実や詳細な事柄からパターンを見つけ関連性を見出す能力に優れているため、それがやがて、何に取り組んでいるとしても「俯瞰する」ことにつながる
→ASDにとっては、すべての細部が全体に不可欠であり、複数の分野にまたがる事実やアイデアを関連付ける能力が創造的で意味のある洞察をもたらす
(Grandin, 2009)
<第8章 組織化>

☆ASDの認知世界は、相互に関連した事実と詳細で構成されている
→ASDの頭の中には多くの偶発性があり、詳細を省略することは解決策の一部を無視することに等しいので、簡単な説明をすることは困難
→しかし、ASDは一般的に非常に粘り強く、目標、一連の手順、必要なリソースが明確であれば、仕事をやり遂げる
<第8章 組織化>

☆ASDは文脈に頼らないので、職場の慣習や政治的関わり状況に影響されず、問題解決や分析する際に新鮮な視点を持つことができる
→時に、ASDは思いがけない結果を生み出したり、型破りな方法で仕事を進めていくことがあり、それがユニークで創造的な解決策につながる
(Best et al., 2015)
<第10章 仕事の質>

☆ASDなどの社会的な状況を理解することが難しい人たちには、職場環境をすべての人にとっても、より良くより生産的な環境にすることができる可能性がある
(Myles, 2012)
<おわりにー自閉スペクトラム症候群>

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2024 9/12
ASD、発達障害、発達神経症、精神障害、就労支援、経営
まろまろヒット率4

石川道子 『そうだったのか! 発達障害の世界 (子どもの育ちを支えるヒント) 』 中央法規出版 2015

主に自閉スペクトラム症 (Autism Spectrum Disorder, ASD)を中心にした、発達障害について、主に保護者と教育者向けに解説している。
小児科医である著者は、30年以上にわたる臨床経験があるため、具体歴として臨床経験が添えられているのが特徴。
そうした豊かな経験則があるからこそ、なぜそこまで断定できるのか?、2015年初版から9年経った2024年現在ではどうのなのか?、と疑義を感じるところもあった。
その点でも、自閉スペクトラム症 (Autism Spectrum Disorder, ASD)を中心とした発達障害の把握の難しさをあらためて考えさせられた一冊でもある。

以下は、チェックした箇所 (一部要約含む)…

◯本書の目的は、「発達障害を克服する」でも「発達障害をなおす」でもなく、発達障害とはどのような世界をもっているかを「理解」し、どのような生きづらさがあるのかに「共感」し、社会生活を少しでも快適に過ごすことができるようにどうしたらよいかを「ともに考える」ための入門書
<まえがき>

☆ASDの子どもには、顔を見ながら話を聞くという難題を要求しなければいい
→目を見るなら見る、話を聞くなら聞くと1つの要素に分けてあげた方がやりやすいということを、指示する人に分かってほしい
→目を見ることを要求するなら、話を聞いてもらうことはあきらめ、話を聞いてもらいたいなら、目を見なくてもよいとすることが大切
→どうやったらいちばん人の話が聞けるかという方法は人それぞれ
→まず第1段階として、本人たちがいちばん人の話を聞くことができると思うやり方でやってもらうことを、周りの人たちが許してあげる環境づくりが大切
<1章 発達障害ってどういうこと?>

☆ASDの子どもにとって、大人が近づいてくるときは怒られるときだと間違って学習してしまう
→まずはASDの子どもと大人との間により関係をつくってください
<2章 自閉症spectrumの子どもたちの「問題」って?>

☆ASDの子どもは集団から離れた方が、集団をよく観察できる
→ASDの子どもの情報処理は、ものを細かいパーツでとらえる特性があるから、集団の中に混ざってしまうと、気が散って集団やそのなかの人の動きを全体的に捉えられない
→逆に言うと、ASDの子どもの通常の発達というのは、幼児期には集団行動ができないということ
<3章 自閉症スペクトラムの子どもたちの「育ち」を支える>

☆こだわりはその人の本質的な部分なので、「こだわりをなくす」ということは考えないで、それを使って分からせてあげるようにする
<3章 自閉症スペクトラムの子どもたちの「育ち」を支える>

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2024 9/1
ASD、発達障害、発達神経症、精神障害
まろまろヒット率3

逢坂冬馬 『同志少女よ、敵を撃て』 早川書房 2021

第二次世界大戦中のソ連、少女セラフィマが暮らす小さな村は、ドイツ兵による襲撃を受けた。
村を襲ったドイツ兵、中でも母を射った狙撃兵、そして遺体を焼いたイリーナ教官への復讐を誓った少女セラフィマは、狙撃兵となべく訓練を受ける。
少女セラフィマは、共に狙撃を学んだ仲間と共に独ソ戦の激戦区、スターリングラードの戦いに投入され、そこで本当の敵と対峙していく…

女性狙撃兵を主役にする、狙撃兵同士の戦い、とういうのは、よくある設定なものの、狙撃銃をはじめとした兵器の記述や戦闘の描写が丁寧で、読んでいて引き込まれる。
また、第二次世界大戦中の特に激戦であった独ソ戦を通して、人にとって敵とは何なのか、生きるとか何なのか、を問いかけようとしているように読み取れた。

そうした本筋と共に、昔からロシア文学が好きで (ただし翻訳版) 、戦略シミュレーションゲームでもソ連をよく選択していて、今でも歌の「インターナショナル (Интернационал) 」を口ずさむことがあるくらい、旧ソ連の雰囲気が好きな自分※にとって、世界観が馴染みやすかった一冊。
(※:思想信条は関係なし)

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2024 8/21
小説、戦記、狙撃兵、第二次世界大戦、独ソ戦
まろまろヒット率3

岡田尊司 『自閉スペクトラム症 「発達障害」最新の理解と治療革命』 幻冬舎 2020

自閉スペクトラム症 (Autism Spectrum Disorder, ASD) の理解と治療について、最新の動向を解説している。

以下は、チェックした箇所 (一部要約含む)…

☆ASDに対する偏見や誤解が、しばしば過酷なイジメや迫害につながりやすかったのは、ASDの特性が、性格や人格の問題と同一視されてきたから
→過敏さにしても、同じ行動パターンへのこだわりや融通が利かない傾向にしても、また相手の気持ちや場の空気を読み取るのが苦手な点にしても、自分勝手であるとか頑固であるとか思いやりがないとかいった性格的欠点として受け取られ、人格の問題であるかのようにみなされやすかった
<第1章 自閉スペクトラム症に気づく>

◯本人の流儀が、生物学的な特性によるということを理解せず、単なる行動上の癖や習慣だと思って修正しようとすると、大変な目に遭う
→特性と戦うことは、地球の自転を止めようとするのと同じくらい虚しく、消耗する行為
→本人がそれを自ら変えていこうと思いわない限り、その軌道を他人が変えようとすることは本人に極度のストレスを与え、激しい怒りや興奮を引き起こす
<第1章 自閉スペクトラム症に気づく>

◯発達特性はあくまでも途中経過であり、固定したものではない
→ベテランの専門家ほど、固定した障害という従来の観念にとらわれていることがある
<第4章 特性に応じた進路、適職、生き方>

☆ASD当事者と向き合うには、同じことに打ち込むことによって、関心を共有することが必須の第一歩
→優れたカウンセターは、ごく自然に相手の関心に寄り添い、のめり込み、本気で感動する
<第8章 回復例が教えてくれること>

☆ASD当事者に寄り添う原則
1: 相手でなく、取り組んでいることの方に熱中すること
2: 相手の世界を尊重する
3: 相手の行動を変えようとしてはいけない
→ASD当事者とぎくしゃくしてしまう人は、行動や関心を共有することよりも、相手の行動や関心を外から見て評価してしまう
<第8章 回復例が教えてくれること>

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2024 8/1
ASD、発達障害、発達神経症、精神障害
まろまろヒット率3