ジェームズ・ドゥティ、関美和訳 『スタンフォードの脳外科医が教わった人生の扉を開く最強のマジック』 プレジデント社 2016 

脳神経外科医で、スタンフォード大学にある「共感と利他精神研究教育センター」 (Center for Compassion and Altruism Research and Education
:CCARE) 創設者の著者が、自伝を通して、mindfulnessを解説する一冊。

原題は、“Into the Magic Shop: A Neurosurgeon’s Quest to Discover the Mysteries of the Brain and the Secrets of the Heart” (2016) .
読んでみると、著者が近所のマジックショップを見つけることから始まる自伝が、生々しいほどの臨場感があり、読み物として引き込まれた。
また、この本のテーマであるmindfulnessは、以前、認知行動療法として医療機関で1年半取り組んだことがあった。
(『ACT(アクセプタンス&コミットメント・セラピー)をはじめる セルフヘルプのためのワークブック』、『呼吸による癒し―実践ヴィパッサナー瞑想』など)

その時の経験と合わせて読み進めると、mindfulnessの効果や、科学的な研究となっていく背景について、統合的な知見になっていく感覚を得た。

以下は、チェックした箇所 (一部要約含む) …

◯人は、安定と安心が確保されている環境で一番能力を発揮する
<2 ものすごい怒りがこみ上げてくるんだ>

☆あなたが出会うすべての人を、あなたと同じように欠点のある不安定な存在として見る
→あなたと同じように失敗し、間違った道を選び、時には他人を傷つけるが、愛されることを求めている
<4 自分をどう扱うかを決めるのは自分>

◯生徒に準備ができていると、先生が現れる
<5 お金がたくさん欲しい>

☆強く思い描くと、実際に見るようになる
→神経科学と脳可塑性の事例

☆意識を向けることには大きな力がある
→脳を変え、灰白質の中の学習や成果や夢の実現を助ける部分を強化する
<6 いいことのなった町を出る>

☆自分が成功したり、すごいことをやってのけるのを望まない人がいることを受け入れる力が必要
→そういった現実と折り合いをつけて、いたずらに反応しないことが重要
<7 それは受け入れられません>

☆富が幸せをもたらす方法はたった一つ、人に与えること
→幸せになりたければ、他人を幸せにするしかない
<10 心のコンパスに従う>

◯強い感情が思考を黙らせることができる一方で、思考によって強い感情を追い出すことは、ほとんどできない
<10 心のコンパスに従う>

☆mindfulnessと視覚化 (visualization) は、集中力を上げ、意思決定の速度を上げてくれるが、知恵と洞察が伴わなければ、自己陶酔とnarcissismと孤立につながりかねない
<10 心のコンパスに従う>

◯心のAlphabet=CDEFGHIK
→Compassion、Dignity、Equanimity、Forgiveness、Gratitude、Humility、Ingegrity、Justice、Kindness、Love
<11 心のアルファベット>

☆自分がどれほど重要な人間かを他人に知らせたがるのは、不安の表れ
→他人も自分も、良いところも悪いところもあることを認めた時、人は本当につながり合える
<11 心のアルファベット>

☆中脳水道周囲灰白質と眼窩前頭皮質との結合が人の振る舞いに大きな役割を果たしている
→他者に分け与えると、もらった時よりも大きな快楽を感じる
→他者が親切に振る舞ったり、他者を助けているのを見ると、自分も思いやりのある行動を取るようになる
<12 「適者生存」の本当の意味>

☆他者に向ける笑顔、断罪しないこと、自分や他者への許し、が贈り物
→共感と奉仕の一つ一つが、この世界と自分自身への贈り物
<13 みんなの旅が始まった>

☆生まれながらにして完璧な人生はなく、苦しい現実から逃れることはできない
→しかし、美しい心のつながりからも逃れることはできない
<13 みんなの旅が始まった>

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