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南江堂は、1879年創業の医学・薬学書専門の出版社。
130年近くの歴史を誇る、まさに老舗中の老舗と言えます。

創立者は小立鉦四郎。彼は西南戦争に従軍巡査として参戦するのですが、
その時、傷や疾病に苦しむ兵士達の姿を目の当たりにし、医学の重要性を
悟ることとなります。

その後、小立は烏森の書店の2階に下宿しますが、そこで階下の書店の
仕事を見ているうちに書店経営に興味を覚え、医学書専門の書店を
立ち上げてみてはどうだろう、と思い至ります。
そして彼は1879年、本郷に医学・薬学の専門書店である南江堂を創業します。
ちなみに南江とは、彼の故郷である小田原の相模湾にちなんだものです。

当初は厳しい経営が続きますが、次第に東京帝大の医学生が通いつめる
ようになり、また私立の医学校の設立が相次いだこともあり、経営は
年を追うごとに上向きになってきます。また、洋書の輸出入も当たりました。

そして1888年、小立は遂に出版業に進出します。「臨床医典」「新撰解剖
学」「薬物学」などの医学・薬学関連書を次々と刊行し、業界での地歩を
固めていきます。また、洋書の輸出入も継続しており、ドイツの有名な文庫
「レクラム文庫」の輸入も開始しています。ちなみに、岩波書店の岩波文庫
は、このレクラム文庫を模範にして企画されたものです。

その後、現在に至るまで同社は医学・薬学書において良書を
刊行し続けているほか、戦前より続いている「外科」など、
多くの専門雑誌でも有名です。

㈱南江堂
〒113-8410 東京都文京区本郷3-42-6
TEL 03-3811-7140 FAX 03-3811-7265
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2006年07月23日 16:13に投稿されたエントリーのページです。

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