Archive for the ‘戦略論’


『ゲリラの戦争学』 松村劭著 文藝春秋 200210.28.07

まろまろ@旧まろまろ記時代の「はじめに」、「どんな人?」などを「まろまろ記について」に統合しました。

さて、『ゲリラの戦争学』松村劭著(文藝春秋)2002。

これまで『遊撃戦論』(毛沢東)や『ゲリラ戦争』(チェ・ゲバラ)、『人民の戦争・人民の軍隊』(グエン・ザップ)などの
ゲリラ戦の指導者たちの本を読んできたので、ここで少し体系的な本を読んでみようかと手に取った一冊。

読んでみると、何よりもまず物足りなさを感じた。
個々の事例は単に流れを追うだけな上に、瀬戸際戦略やアメリカ同時多発テロのように
そもそもゲリラ戦に加えていいのかどうか分からないものも入っていて散漫な印象を覚えた。

著者はもともと自衛隊で正規軍の戦いを学んだ点や、ゲリラ戦は資料が残りにくいというのはあるけれど、
それだけにゲリラ戦の全体を通した共通点や特徴などの体系的なものを読みたかっただけに残念。

ただ、そんな中でも・・・
対ゲリラ戦の成功事例の多くは索敵撃滅より誘致撃破
<第10章 インドシナ三十年戦争>

ファビアン戦略の極意は主導権を渡さないことと、最終決戦陣地を持つこと
<第4章 ナポレオンのスペイン戦役>

古代ローマのスッラがおこなったゲリラの機動力を奪った事例(ヌミディアの駱駝を狙う)の紹介
<第2章 ゲリラ戦の原型>

・・・などには興味を感じた。

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2007 10/28
戦略論
まろまろヒット率2

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『人民の戦争・人民の軍隊―ヴェトナム人民軍の戦略・戦術』 ヴォー・グエン・ザップ著、真保潤一郎・三宅蕗子訳 中央公論新社 200210.22.07

大阪の大国町コミュニティで初オフ会を開催した、まろまろ@まさに情報機動戦です。

さて、『人民の戦争・人民の軍隊―ヴェトナム人民軍の戦略・戦術』ヴォー・グエン・ザップ著、真保潤一郎・三宅蕗子訳(中央公論新社)2002。

現在のベトナム民主共和国の独立戦争で中心的な役割を果たした、ベトナム人民軍とベトミンの最高指揮官ヴォー・グエン・ザップによる戦略書。
ベトナム人民軍はインドシナ戦争でフランスを、続いてベトナム戦争でアメリカを破っているけれど、
原著は”Guerre du peuple, Armee du peuple”(1961)なので、まだベトナム戦争が終結(1975)していない時期のもの。
そのため、インドシナ戦争で北ベトナムの独立を確定したディエン・ビエン・フーの戦いがクライマックスに書かれている。

フランスは第2次世界大戦で弱体化していたとはいえ、20世紀半ばから21世紀初頭の現在までアメリカは世界最強の国。
そのアメリカ軍を破ったベトナム人民軍の戦いは戦略を語る上では外せない存在。
特にベトナムはロシア(ソ連)のような工業国ではなかったし、中国のような人口が多い国ではない小国。
そんなベトナムが長期にわたって大国と戦えたのはゲリラ戦を中心とした戦いがあったからで、
この本の著者グエン・ザップは世界で最も成功したゲリラ戦の指導者の一人と言える。

そんな著者の本なので楽しみに読んでみると、ベトナム労働党の自画自賛とマルクス・レーニン主義的な抽象論ばかりが目についてしまった。
プロパガンダの意味もあってか「正しい」や「適切な」という単語は多かったけど、何がどう正しかったのか具体的でなかったのが残念。
そういう意味で同じゲリラ戦の指導者による戦略書としては、毛沢東の『遊撃戦論』やチェ・ゲバラの『ゲリラ戦争』に比べるとだいぶ見劣りがしてしまうように感じた。

ただ、ゲリラ戦を「まず第一に長期戦の戦略でなければならない」としている点。
<第1章 人民の戦争・人民の軍隊>

武装蜂起について、「蜂起を一つの技法だとするならば、この技法の内容に必要不可欠な点は、
その転換を各時期の政治情勢に適した新たな闘争形態に誘導することと、
各時期の政治闘争の形態と武装闘争の形態との間に正しい関係を維持していくことである」としている点。
<第2章 党は武装蜂起の準備と1945年8月の総蜂起を成功裏に指導した>

また、「ゲリラ戦を維持し、発展させていくためには、必然的に機動戦に行き着かねばならない」として正規軍による戦いも強調している点。
<第3章 党はフランス帝国主義者とアメリカ帝国主義者との長期抵抗戦争を成功へと導く>

・・・などは興味を持った。

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2007 10/25
戦略論
まろまろヒット率2

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『戦争概論』 アントワーヌ=アンリ・ジョミニ著、佐藤徳太郎訳 中央公論社 200109.24.07

家族の関係もあって大阪にいるけれど、再び復興支援オフ会の依頼が来たので一時上京の際に主催することになった、
まろまろ@遠隔地からオフ会準備というのも情報通信の発達のおかげですな(今さらだけど^^;)

さて、『戦争概論』アントワーヌ=アンリ・ジョミニ著、佐藤徳太郎訳(中央公論社)2001。

19世紀、ナポレオン戦争の時代を生きた著者による兵学書。
同時代人であるクラウゼビッツの『戦争論』と同じく戦略論の古典として読み継がれている本だけど、
原著はフランス語、さらにこれまで日本語訳も無かったので、今回はじめて読むことになった一冊。
(この点でも日本ではポピュラーなクラウゼビッツとは対照的)

読んでみると、本文よりもやはり著者のジョミニの経歴の方に興味を持った。
スイスに生まれ、フランスに渡ってナポレオンの幕僚になり、次にロシアに転向してナポレオンと戦う立場となって、
後にロシア士官学校の設立に尽力、最後は90歳で大往生をとげているというまさに波乱の人生。
特にナポレオン戦争の期間中、前半はナポレオン陣営として、後半は敵陣営として両方の立場を経験しているのは興味深い。

そんな著者だけど、読んでみると本論で展開されいている「内戦作戦」・「外線作戦」などは、
ナポレオンよりもフリードリッヒ大王の影響を強く受けているのが伝わってくる。
加えて、クラウゼビッツへの批判がよく出てくるのだけど、
その度に皮肉的な表現になっているところが著者の性格がかいま見えて微笑ましかった(w

また、彼の理論が幾何学的すぎるという批判に対しては・・・
「戦争はこれを全体として見た場合は科学(science)では無くて術(art)である」
「理論が、あらゆる場合に人のなすべきことを数学的正確さで教えてくれるものではないにしても、
避けられるかもしれない過誤を絶えず指摘してくれるもであることは確か」
・・・などと反論している(第8章)のも印象深い。

最後に付録「ジョミニについて」がついているので、この本を取り巻く戦略理論の系譜も書かれてある点は理解に役立った。
特にジョミニの理論のアメリカ軍への影響(マハンなど)はなるほどと納得。
ただし、和訳はかなり読みにくかった。

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2007 9/24
戦略論
まろまろヒット率3

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『六韜』 林富士馬訳 中央公論社 200509.16.07

年内は大阪にいることになるかもしれない、まろまろ@もしよかったらまろまろお願いにご協力くだしさいな。

さてさて、『六韜』林富士馬訳(中央公論社)2005。

「韜(りく)」とは秘蔵や秘策という意味で、文韜、武韜、竜韜、虎韜、豹韜、犬韜の6巻・60章から構成されている兵法書。
太公望が書いたという伝説があるけれど、『三略』と同じく実際は著者、成立年ともに不明の一冊。
ちなみに「虎の巻」という慣用句はこの本の虎韜から来ている。

内容は周の文王と武王の質問に太公望が応えるというスタイルになっていて、
戦略論だけでなく権謀術数やリーダーシップ論について語られている。

人間の生々しい心理について語られている部分が多くて・・・
思いやりが深い将軍は疲労を待て
清廉潔白な将軍は侮辱して怒らせろ
意志が強い将軍は事を多くして疲労させろ
他人まかせの将軍は欺しやすい
・・・などと語っている部分(竜韜)は太公望のイメージを借りていると感じた。

また、人間の二面性についても・・・
1:相手に質問して回答を観察
2:言論で追求して臨機応変を観察
3:誘惑させて忠誠心を観察
4:率直な質問をして徳行を観察
5:財貨の職につけて精錬を観察
6:美女を近づけて貞節を観察
7:難事を知らせて勇気を観察
8:酒に酔わせて態度を観察
・・・の8つの方法でその人の本性を確かめろ(竜韜)としているのは、
極端だけどある意味で人間学として読み継がれてきたこの本の本質を垣間見た印象を持った。

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2007 9/16
戦略論、リーダーシップ論
まろまろヒット率3

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『三略』 真鍋呉夫訳 中央公論社 200409.11.07

サイトはもちろん、色々なものを隠して今までやったことがないバイトをしてみようと思う、
まろまろ@気分は特命係長です(^_^)v

さて、『三略』真鍋呉夫訳(中央公論社)2004。

著者も成立年も不明の兵法書。
伝説上は太公望が書いて黄石公が編集したことになっているけれど、これは事実ではない。

内容は上略、中略、下略の文字通り三略から構成されている。
戦略としてだけでなく君主や将軍としての心得にかなりの分量がさかれているので、
どちらかというとリーダーシップ論として読み継がれて来たらしい。

老荘思想影響が見え隠れしていて、たとえば・・・
「もし人がその柔弱という要素の特性を大切にすることに努めれば、必ずやその生命を大過なく保全することができるだろう」、
「時に応じて柔と剛とを使いわけることができれば、その国はますます繁栄し、時に応じて弱と強を使いわけることができれば、その国の評価はますます高まるであろう」
・・・など、強弱・剛柔点の両面に注目する柔軟さを強調した箇所が目についた。

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2007 9/11
戦略論、リーダーシップ論
まろまろヒット率3

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