Archive for the ‘小説’







『ペスト』 カミュ著、宮崎嶺雄訳 新潮社 196906.22.09


最近、特命係長プレイの一つでJKと話す機会が増えたので、ナウなヤングの情報に詳しくなりつつある、まろまろです。

さて、『ペスト』カミュ著、宮崎嶺雄訳(新潮社)1969。

オラン市に住む医師のリウーは、血を吐いて死ぬ鼠を発見する。
それはペスト大流行の始まりだった。
閉鎖された街の中で、天災に襲われた人々の混乱と闘いが「語り手」によって語られていく・・・

20世紀フランス文学を代表する作家、アルベール・カミュの代表作。
原題は”La Peste” (1947)。

危機的状況を描く、と言ってもハリウッドのパニック映画のようなスピード感は無いけれど、
ペストに襲われた街の人々の心理描写が丁寧にえがかれている。

著者のカミュは、第二次世界大戦中にパルチザンに参加していたことがあるので、
この本のペストとはナチスを寓話化したものだという解釈がされることが多い作品でもある。

でも、僕は単純に、染症という天災にみまわれた人々の心理をえがいた作品だと読み取った。
天災とは、突発的で、不条理で、非人間的なのものだけど、それと出会った人々は戸惑い、簡単には受け入れられない。
阪神大震災を経験したこともある僕には、天災と出会った人々が、現実を受け入れ、天災と向き合っていく過程を描いたものとして読めた。

グローバル化が進んだ21世紀の現代は感染症が拡大しやすい時代でもある。
つい最近も、最近よくいる大阪では新型インフルエンザ騒動があった。
21世紀の今も示唆を与えてくれる作品。

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2009 6/22
小説
まろまろヒット率4

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『風の歌を聴け』 村上春樹著 講談社 198205.26.09


今日が誕生日のまろまろ@Happy Birthday to me!

さて、『風の歌を聴け』村上春樹著(講談社)1982。

「完璧な文章などといったものは存在しない。完璧な絶望が存在しないようにね。」

作家・村上春樹はこの文章からはじまった。
原著1979年初版のデビュー作。

29歳の「僕」は、21歳の時の8月8日から8月26日までの19日間を書き出す。
その時の「僕」は、海辺の地元に帰省していて、友人と退屈な日々をおくっていた。
女の子との出会いとこれまでの「僕」の人生の思い出が錯綜しながら物語は進んでいく・・・

断片的な物語から構成されている青春小説。
一つ一つの章が短い上に、「☆」でさらに区切られているので、これまで読んだ村上春樹の小説の中で一番読みやすかった。
内容の方も、村上春樹らしいつかみどころのなさと、青春小説らしい切なさが入り交じって、
これまたこれまで読んだ村上春樹の作品の中では一番印象深い読後感があった。

ちなみに僕(まろまろの方)は、村上春樹の小説を常に誰かに薦められて読んでいる。
この『風の歌を聴け』も、朝オフ会でスタバのシュガードーナツを食べている時に、
「まろまろさんって『風の歌を聴け』の主人公に似てますよね」と言われたのが手にしたきっかけになっている。

ただ、似ていると言われても村上春樹の小説の主人公は、感情移入がしにくい。
これまでの作品の表現を引用すれば、「カジュアルな関係」や「カラフルな体験」など、
突発的に女性と関係を持つような、不自然なモテモテぶりに違和感をおぼえるからだ。
(こんな大学生活おくってない・・・)

いや、別にうらやましいと思っているわけではない。












・・・ホントだよ(T_T)

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2009 5/26
小説
まろまろヒット率4

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『沈黙の王』 宮城谷昌光著 文藝春秋 199501.25.09


牡蛎の産地、岡山県の日生でカキフライソフトクリームを食べてきた、まろまろです。

さて、『沈黙の王』宮城谷昌光著(文藝春秋)1995。

言語障害を持つ商(殷)の王子、子昭は言葉を求めて旅に出る。
困難と出会いを通じて、ついに子昭は目に見える言葉=文字を生み出す・・・

漢字の原型である甲骨文字を創ったとされる商の高宗・武丁をえがく表題作、
「沈黙の王」を含めた五編の短編集。

古代中国を舞台にした歴史小説を多く手がける著者の作品集だけに、
どの作品も伝説と史実の狭間にある時代が活き活きとえがかれている。

中でも晋の名臣、叔向の活躍と嫁取りをえがく「鳳凰の冠」は、
謎かけが解けるラストの余韻が印象深かった。

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2009 1/25
歴史小説
まろまろヒット率3

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『重耳』 宮城谷昌光著 講談社 全3巻 199612.11.08


名古屋(大須)のブラジル料理店で東海地方の現状を垣間見た、まろまろです。

さて、『重耳』宮城谷昌光著(講談社)全3巻1996。

43歳から19年に渡って逃亡と放浪の生活を送り、最後は春秋の覇者となった晋の文公(重耳)は、
斉の桓公と並んで「斉桓晋文」と評されるように春秋五覇の代表的な存在。
その重耳の人生を祖父の代からひもといて、覇者となった城濮の戦いをクライマックスにえがく歴史小説。

読んでみると、重耳本人よりもまわりの人物が丁寧にえがかれていてる点が印象深い。
たとえば重耳の祖父の武公(称)とその部下の狐突は、もはや主役級の存在。
特に狐突は骨太でスマートな知識人として、『太公望』の中でえがかれた商(殷)の箕子の存在と通じるものがあり、
きっと著者の理想像なんだろうなと微笑ましく思えた。

ちなみにこの小説は人から勧められて読んだ本でもある。
能力面はもちろん、人格面でもイマイチな重耳なのに、なぜか人材が集まってくる姿には、
確かにどこか他人とは思えないものを感じた(w

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2008 12/11
歴史小説
まろまろヒット率3

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『百年の孤独』 ガブリエル・ガルシア=マルケス著、鼓直訳 新潮社 200608.01.08


まろまろ@まろまろ記7周年を記念して替え歌「時代おくれのブログになりたい」を公開しています。

さて、『百年の孤独』G・ガルシア=マルケス著、鼓直訳(新潮社)2006。

南米の山あいにある町、マコンド。
そのマコンドの開拓者一族であるブエンディア家の人々にスポットを当てて、町の建設から発展、衰退、廃墟に至るまでの約100年間を通してえがく長編小説。

原著”Cien Años De Soledad”(1967)の新訳版。
前々から読んでみたいと思っていたけれど、悲劇的なタイトルと分量、そして独特の修飾語の長さから尻ごみしていた。
(7世代にわたるブエンディア家の登場人物たちは同名が多いので家系図を参照しないといけないのもハードルになった)
それが今回、特命係長プレイの合間に読んでみようと手に取った一冊。

読んでみると、確かに基本は悲劇、それも時には悲惨な場面もあるのだけど、陰湿さや悲壮感は感じられなかった。
悲劇的な内容も比較的からっとしていてスイスイと読めてしまう。
一つは展開がすごく早くて退屈させない点や、ところどころに思わず笑ってしまう場面が散りばめられている点などが原因しているのだろう。

また、読み進めるに従って忘れていた登場人物に思わぬスポットが当たったり、衝撃的な展開が折り重なっていて、あっという間に最後まで読んでしまった。
衝撃的なラストは独特の読後感を与えてくれる。

長編の、それも悲劇なのに、読み終わってからもう一度読んでみたいと思わせるのが心憎い(w
ラテン・アメリカ文学の最高傑作という前評判に負けない作品。

ちなみに僕のまわりではGabriel Garcia Marquezのこの本よりも焼酎の「百年の孤独」の方が有名だったりした(w

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2008 8/1
小説、文学
まろまろヒット率5

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"Big Fish" written by Daniel Wallace Pocket Books 200406.17.08


maromaro@when somebody asks me whether I can communicate in English, I recently answer “Are you look down on me? I am even able to say ‘I am a pen ;-) ’”.

“Big Fish” written by Daniel Wallace Pocket Books 2004.

There are two main characters in the book.
The father who likes to tell jokes and tales as a boaster.
The other is the son who does not like the father`s jokes and tales.
The son finally start to listen to the father`s jokes and tales, when he knew the father has short time to left…

As “fish story” means big talk and boast, the title “Big fish” is an extream boaster.
The main theme of this story is to understand between the father and the son, who have different personalities.
The last part of this story was toched for me as a reader.
I think it does not matter the jokes and tales are real or not.
The important thing is there are truth or not.

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2008 6/17
小説、洋書、English
まろまろヒット率4

annotation; this readingdiary was assisted by maropro.

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『翔ぶが如く』 司馬遼太郎著 文藝春秋 全十巻 2002(新装版)06.06.08


最近、「アクティヴな引きこもり」の新しい類似語として「ワーカホリック気味なニート」を使う機会の多い、まろまろです。

さて、『翔ぶが如く』司馬遼太郎著(文藝春秋)全十巻2002(新装版)。

明治維新によって近代日本がスタートした明治時代初めを舞台に、征韓論から西南戦争までをえがく長編歴史小説。
実はこの本は、これまで何度か途中で挫折した作品でもある。
その最大の原因は、文庫本にして全十巻という長さではなく、この作品の読みにさにある。

小説と言っても物語のあらすじより評論的な部分が多い上に、肝心の物語の方も行ったり来たりしてなかなか進まない。
「以下、余談ながら・・・」という著者の脱線は、他の作品では真骨頂のような説得力や力強さがあるのに、この作品ではダラダラと要領を得ないと感じられるところが多い。
「翔ぶがごとく」という躍動感のあるタイトルとは逆に、「翔ばないがごとく」という感じ(w

なぜそうなってしまったのか?
それは著者自身が何度も書いているように、著者が西郷隆盛を理解できなかったからだ。
かつては政略家だったはずの西郷隆盛が、なぜ征韓論から西南戦争にかけては根回しも戦略も放棄したかのようなスタイルになったのか。
著者はこの点が理解できず、主役に対する理解の自信の無さが長々とした評論になってしまっている。

この点、僕が今回通読できたのは、一つには西郷隆盛の気持ちがなんとなく感じられるようになったからだ。
政略・戦略とは、平たく言えば、自分はできるだけ安全な場所にいて相手を危険な場所に追い込む、というものだ。
「感情量の多い」(著者の表現)人間は、たとえ政略・戦略の能力があったとしても、時に公の場で矢面に立って、正々堂々と進むことを選ぶことがある。
物分かりの良さや、バランス感覚、割り切りなどでは何かを生み出していくことはできないし、したり顔の人間が人の心を動かすことはありえないからだ。

たとえば、僕はかつての恩師から「お前は伊藤博文のようだな」と言われる機会が何度かあった。
確かにこの作品に出てくる伊藤博文のちょこまかしいところは、どこか通じるところがあるかもしれない(w
でも、そんな伊藤博文でさえ、政略・戦略を捨てて、組織を抜け一歩踏み出したことがあった。
(長州クーデター)
そのことが、少し軽薄な伊藤博文が単なる裏技・寝技師だけでない証拠となった。
政略・戦略の必要条件である理解力や透徹とは逆の、聞き分けの悪さや頑固さが矢面に立って進む上では必要になる。

著者はこの機微が理解できずに、長々とした評論的な文章になってしまっている。
著者自身も書いているように、それは矢面に立って(リスクを取って)進んだ経験がないということが大きい。
でも、経験が無いので書けない、というのでは歴史小説の意味がない。
この作品の要領を得ない長々とした記述は、著者が作家としての限界を感じたからというのもあったのだろう。

かつて僕は、100年か200年後に自分の人生が歴史小説の題材にされることがあるなら、司馬遼太郎のような作家に書いてほしいと思っていた。
でも、司馬遼太郎のような著者では僕のことを描ききれないのだろう。

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2008 6/6
歴史小説
まろまろヒット率3

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『太陽の季節』 石原慎太郎著 新潮社 195704.04.08


特許庁な人とお話して知的所有権(商標)の権利範囲を確定してきた、まろまろです。

さて、『太陽の季節』石原慎太郎著(新潮社)1957。

闘拳(ボクシング)に打ち込む高校生の竜哉は、無軌道で自堕落的な生活をおくっていた。
ある日、同じく裕福な環境の下で遊びに呆ける英子と出会い、駆け引きを通しながら惹かれあってゆくが・・・

性表現や退廃的な描写が問題となり、太陽族という言葉も生み出した1955年初版の小説。
読んでみると、まず50年前の高校生とは思えない、カジュアルな関係とバブリー(セレブ)な生活ぶりが目に付いた。
著者の弟である石原裕次郎から聞いた話をモデルにしているらしいけど、どんな日常やねんと突っ込んでしまったw
(石原裕次郎主演で映画化もされている)

そして読み終えてみると、かなりネットリとした読後感を持った。
太陽の季節というタイトルやバブリーな生活、カラっとした夏の湘南の風景が、
逆に竜哉と英子の陰湿な心理描写を際立たせていて、読み終えた時の虚しさや後味の悪さが印象深い。

ちなみに、僕はちょうど1年前に著者と対話する機会があった。
その時に社会と関わる表現者としての姿勢に共感したことを思い出して、彼の表現物に触れてみようと手にとった一冊でもある。

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2008 4/4
小説
まろまろヒット率3

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『破軍の星』 北方謙三著 集英社 199312.22.07


東海ごはんカテゴリを創設した、まろまろ@東海地方のみなさんよろしくお願いします(^_^)v

さて、『破軍の星』北方謙三著(集英社)1993。

南北朝の動乱期、公家の北畠顕家は16歳で奥州に赴任する。
卓越した指揮能力で奥州を安定させ、朝廷に反旗をひるがえした足利尊氏を打ち破るのだが・・・

21年という短い人生でありながら、南北朝の時代に名を残した北畠顕家をえがく歴史小説。
実はかつて通っていた高校が北畠顕家の所縁のある場所にあり、近くには北畠という地名も残っていたので、
北畠顕家についてはその鮮烈な人生を含めてずっと気になっていた。
この北畠顕家を含めて南北朝時代は魅力的な人物や素材が豊富だけど、いろいろな大人な事情から取り上げにくい時代でもある。
この本はそんな南北朝時代を題材とした小説を書いている著者の一冊として手に取った。

読んでみると朝廷側(南朝側)の人間ということもあって、苦悩する面が強調されていた。
同じ著者の同時代をえがいた『道誉なり』(佐々木道誉)、『悪党の裔』(赤松円心)などは北朝側ということもあって
読んでいてある意味で爽快感を感じたけれど、この本は全体的に切ないトーンでえがかれている。
したたかに生き残った人間の生々しい力強さと、殉じた人間の美しさの違いが表現されているのだろうか。

ちなみにこの本は名古屋の駅ビル・タワーズのスタバで読み終えた。
最後のページは切なくて、これから人と会うというのにひたってしまった(w

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2007 12/22
歴史小説
まろまろヒット率3

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『火車』 宮部みゆき著 新潮社 199812.05.07


まろまろ@実はクレジットカードは持たないようにしています(^_^)v

さて、『火車』宮部みゆき著(新潮社)1998。

休職中の刑事は、親戚から失踪した婚約者の捜索を依頼される。
消えた婚約者を追いかけながら、刑事は現代社会の抱える地獄と、
それから必死で逃れようとする女性の痕跡を発見していく・・・

初めて読んだ宮部みゆき作品。
読んでみると、失踪者の痕跡を追いかける推理小説(ミステリー小説)としての面白さに加えて、心理描写に迫力を感じた。
特に、失踪者の痕跡からその状況や心理を予想していく場面には、何度かハッとさせられるところがあった。

また、幸せになりたいともがきながら、簡単に手に入る錯覚に溺れてしまった人たちと、
それに関わる人々の中に見え隠れする善意と悪意の絡まりも印象深かった。

そして、まるで叙事詩のようなラストは賛否両論があるらしいけど、僕にとっては納得いくものだった。

この本が書かれた時と今とでは、法制度や情報技術などがかなり違ってきているけれど、
それらを差し引いてもミステリー小説としての迫力は十分に感じられる一冊。

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2007 12/5
小説
まろまろヒット率4

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