Archive for the ‘小説’


『太陽の季節』 石原慎太郎著 新潮社 195704.04.08

特許庁な人とお話して知的所有権(商標)の権利範囲を確定してきた、まろまろです。

さて、『太陽の季節』石原慎太郎著(新潮社)1957。

闘拳(ボクシング)に打ち込む高校生の竜哉は、無軌道で自堕落的な生活をおくっていた。
ある日、同じく裕福な環境の下で遊びに呆ける英子と出会い、駆け引きを通しながら惹かれあってゆくが・・・

性表現や退廃的な描写が問題となり、太陽族という言葉も生み出した1955年初版の小説。
読んでみると、まず50年前の高校生とは思えない、カジュアルな関係とバブリー(セレブ)な生活ぶりが目に付いた。
著者の弟である石原裕次郎から聞いた話をモデルにしているらしいけど、どんな日常やねんと突っ込んでしまったw
(石原裕次郎主演で映画化もされている)

そして読み終えてみると、かなりネットリとした読後感を持った。
太陽の季節というタイトルやバブリーな生活、カラっとした夏の湘南の風景が、
逆に竜哉と英子の陰湿な心理描写を際立たせていて、読み終えた時の虚しさや後味の悪さが印象深い。

ちなみに、僕はちょうど1年前に著者と対話する機会があった。
その時に社会と関わる表現者としての姿勢に共感したことを思い出して、彼の表現物に触れてみようと手にとった一冊でもある。

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2008 4/4
小説
まろまろヒット率3

Posted in まろまろヒット率★★★☆☆, 読書日記, 小説with No Comments →

『破軍の星』 北方謙三著 集英社 199312.22.07

東海ごはんカテゴリを創設した、まろまろ@東海地方のみなさんよろしくお願いします(^_^)v

さて、『破軍の星』北方謙三著(集英社)1993。

南北朝の動乱期、公家の北畠顕家は16歳で奥州に赴任する。
卓越した指揮能力で奥州を安定させ、朝廷に反旗をひるがえした足利尊氏を打ち破るのだが・・・

21年という短い人生でありながら、南北朝の時代に名を残した北畠顕家をえがく歴史小説。
実はかつて通っていた高校が北畠顕家の所縁のある場所にあり、近くには北畠という地名も残っていたので、
北畠顕家についてはその鮮烈な人生を含めてずっと気になっていた。
この北畠顕家を含めて南北朝時代は魅力的な人物や素材が豊富だけど、いろいろな大人な事情から取り上げにくい時代でもある。
この本はそんな南北朝時代を題材とした小説を書いている著者の一冊として手に取った。

読んでみると朝廷側(南朝側)の人間ということもあって、苦悩する面が強調されていた。
同じ著者の同時代をえがいた『道誉なり』(佐々木道誉)、『悪党の裔』(赤松円心)などは北朝側ということもあって
読んでいてある意味で爽快感を感じたけれど、この本は全体的に切ないトーンでえがかれている。
したたかに生き残った人間の生々しい力強さと、殉じた人間の美しさの違いが表現されているのだろうか。

ちなみにこの本は名古屋の駅ビル・タワーズのスタバで読み終えた。
最後のページは切なくて、これから人と会うというのにひたってしまった(w

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2007 12/22
歴史小説
まろまろヒット率3

Posted in まろまろヒット率★★★☆☆, 歴史, 読書日記, 小説with No Comments →

『火車』 宮部みゆき著 新潮社 199812.05.07

まろまろ@実はクレジットカードは持たないようにしています(^_^)v

さて、『火車』宮部みゆき著(新潮社)1998。

休職中の刑事は、親戚から失踪した婚約者の捜索を依頼される。
消えた婚約者を追いかけながら、刑事は現代社会の抱える地獄と、
それから必死で逃れようとする女性の痕跡を発見していく・・・

初めて読んだ宮部みゆき作品。
読んでみると、失踪者の痕跡を追いかける推理小説(ミステリー小説)としての面白さに加えて、心理描写に迫力を感じた。
特に、失踪者の痕跡からその状況や心理を予想していく場面には、何度かハッとさせられるところがあった。

また、幸せになりたいともがきながら、簡単に手に入る錯覚に溺れてしまった人たちと、
それに関わる人々の中に見え隠れする善意と悪意の絡まりも印象深かった。

そして、まるで叙事詩のようなラストは賛否両論があるらしいけど、僕にとっては納得いくものだった。

この本が書かれた時と今とでは、法制度や情報技術などがかなり違ってきているけれど、
それらを差し引いてもミステリー小説としての迫力は十分に感じられる一冊。

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2007 12/5
小説
まろまろヒット率4

Posted in まろまろヒット率★★★★☆, 読書日記, 小説with 1 Comment →





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