Archive for the ‘法律関連’





『王妃の離婚』 佐藤賢一著 集英社文庫 200212.12.05

立ち退き問題更新停滞問題が立て続けに解決してきた、らぶナベ@今年のトラブル今年のうちにってやつです(^_-)

さて、『王妃の離婚』佐藤賢一著(集英社文庫)2002。

中世フランス、まだ法学が神学の一部だった頃(カノン法)におこった国王から王妃への離婚裁判を舞台にした法廷もの。
主人公は学問の世界(カルチェ・ラタン)に挫折し、それでも知的な仕事からは足を洗えずに田舎弁護士をしている。
その主人公が圧倒的に不利な王妃側の弁護に名乗りを挙げる、過去の自分に復讐するために・・・

没落した主人公が過去を引きずりながら不利な状況を戦っていくというのは、まさに法廷もののお約束ストーリーだけど、
いきがっていた頃の気恥ずかしさ、引きずり続ける恋、上手く折り合いをつけられない思い出たちの描き方が絶妙で、
読んで自分の古傷がジクジク痛むような気持ちになったほどだ(^^;
この点がこの作品が直木賞(第121回)を受賞した理由のような気もする。

そんな過去と絡めながら進む現在はとても躍動感がある。
国際情勢の影響下で進む生々しい政治的駆け引き(カノン法なので裁判はローマ法王庁管轄)と、
鋭い論理戦を展開しながら不利な状況をつくがえしていく痛快さがとても面白い。
章立ても上手くて、息を飲むシーンが何度もあった。

エピローグの一番最後は必要ないような気もしたが、最後は男女にとっての「救い」とはいったい何なんだろう?っと考えさせてくれる一冊。

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2005 12/12
歴史小説、法廷もの
まろまろヒット率4

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『法律学習マニュアル』 弥永真生著 有斐閣 200106.13.02

カルボナーラの意味は「炭焼き職人風」、ペスカトーレは「漁師風」など
イタリア料理は職業名をつけたものが多いけど
プッタネスカの意味が「娼婦風」と知って驚いた、
らぶナベ@そんなおおらかさがイタリアンですな(^^)

さて、『法律学習マニュアル』弥永真生著(有斐閣)2001年初版。
以前この著者が書いた商法リーガルマインドシリーズを読んで、
法学者らしからぬ柔軟な記述と広い視点に好感を持ったので購入した学習本。
この本もわかりやすいなぁっと思っていたら著者はもともと経済学部の出身らしい。
学士入学の著者自身が経験したつまずきや戸惑いなどを参考にして
一般の判例から研究論文、海外文献の調べ方(各段階ごとに詳細に書かれている)、
さらにはゼミへの参加の仕方や小論文、答案の書き方まで記載している。
こういう本では躊躇しがちなWEBサイト上の資料記載も積極的におこなっているのも注目。
法学に限らず学問一般の学習に使える箇所も多くて、
今後も何かとお世話になりそうな予感がする一冊。

以下、チェックした箇所・・・
・抽象的な議論をする際には必ず具体的なイメージを描くことが大切
 同時に具体的な事案にぶつかったときに抽象化することも必要
 →極めて抽象的な条文と極めて具体的な事案をなめらかに結び付けるのが腕の見せ所
 (1-2:具体的なイメージを)

・法律学の勉強では批判的態度が大切=自ら考えることがリーガルマインドの前提
 →理論の世界には疑ふことの許されない権威はない
 (1-3:リーガル・マインドとは何か)

・法律学は説得の技術=「結論の妥当性」+「結論への道筋」が大切
 →結論の妥当性とは一人一人の価値観が異なることを意識した上での結論
 (1-5:条文がスタートライン)

・論文は料理に似ている→「テーマ=材料」&「文献=調味料」
 (6-2:テーマの探し方)

・注や参考文献を見ただけである程度その論文の出来栄えを判断できる
 (6-4:引用と注)

・報告原稿に4箇所くらい目標時間を書き込んでおいて、
 もし遅れたら飛ばしてよいところをあらかじめきめておく
 (7-2:ゼミでの報告)

・自分も条文から考察を進めていくのだという心がけが
 法律の勉強を苦痛の暗記科目から楽しい科目に変える秘訣
 (8-1:学年末試験への立ち向かい方)

・答案の書き方・・・
 1:条文を徹底的に引用
 2:条文を正確に活用
 3:自分なりのまとめ&位置付けを示す
 4:積極的な理由付けを示す
 5:各論点のプライオリティを意識
 6:思うよりもう少し具体的に
 7:総論を活用
 (8-3:実際にやってみよう)

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2002 6/13
法律関係、総論(その他)、学問一般
まろまろヒット率4
法務 キャリア

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『権利のための闘争』 イェーリング著、村上淳一訳 岩波文庫 1982(原本1894)09.30.01

横浜中華街と神戸中華街(南京町)との肉まんの大きさの違いを
いつも不思議に思う、らぶナベっす。

さて、『権利のための闘争』イェーリング著・村上淳一訳
(岩波文庫)1982年初版(原本1894初版)。
国家主義&教条主義の匂いがしたので読むのを躊躇していたが
昔の法学では必読書だったらしくいろいろなところで眼にするので
一度は読んでみようと購入した一冊。
やはり19世紀のドイツで書かれたという時代背景を考慮して読まないと
本質を見失うだろう。これは古典的な学術書すべてに言えることだけど。

この本でイェーリングが言いたいことは序文でカントの言葉を引用した・・・
「自ら虫けらになる者は、後で踏みつけられても文句が言えない」
・・・の一言につきる。

メインの主張だけでなく著者は古代ローマ法の専門家だったみたいで
歴史的な視点として刑法における刑罰の重さの違いに注目することで
その国の生存原理が何かをひもとくヒントになるとしている点や、
政治外交でその国がどういう行動を取るかを知るには
私法の分野でその国の構成員がどういう風に権利主張するのかを
見れば良いとしている点にはかなり興味を持った。
歴史マニアなので歴史を見る視点が一つ増えたことが一番嬉しい(^_^)

ちなみに最初の日本語版は西周が訳して出版している。
そりゃあいろんな法学者に影響を与えていたはずだね(笑)
以下はその他の抜粋&要約・・・
・権利=法(Recht)の目標は平和であり、そのための手段は闘争である

・刑罰の重さの驚くほどの差違がその国家が何によって
成り立っているのかを見る参考→自国に固有の生存原理を脅かす犯罪を
最も厳しく処罰し、その他の犯罪は対照的に極めて軽い処罰にゆだねている
(神聖国家の冒涜罪、商業国家の偽造罪、絶対王制国家は大逆罪など)

・所有権とは物の上に拡大された私の人格の外縁に他ならない(中略)
理解力ではなく感覚がだけが権利の何たるかを知るために役立つ

・倫理社会秩序の偉大で崇高な所以は、その命令を理解していない者をも
無意識のうちに協力させてゆくための効果的な手段を有していることに存する

・諸国民の政治的教育の本当の学校は憲法ではなく私法である
→ある国民が政治的権利や国際法上の地位をいかに防衛するかを
知りたいならその構成員一人一人が私的生活において
自分の権利を主張するやり方を見ればよい
(古代ローマが動じに最も完成された私法を有していたのは偶然ではない)

・美学にとって最高の主題は常に人間が理念のために立ち上がること
→ただし何が権利=法(Recht)の本質で何が反しているのかを
明らかにしなければならないのは美学ではなく倫理学

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2001 9/30
法学一般
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『近未来の法モデル-近未来から現代を考えるー』 北川善太郎著 国際高等研究所選書 199907.06.01

NHK朝の連ドラ『ちゅらさん』を見て不覚にも感動している、
らぶナベ@でもほとんどの人には通じないので哀しいっす(T_T)

さて、『近未来の法モデル-近未来から現代を考えるー』北川善太郎著
国際高等研究所選書(1999年初版)。
そもそも法は社会的なトラブルに直接的に対処するための道具だけど、
システム契約やコピーマート、大量被害発生事件、DNA治療などのような
問題は今までの法概念では対処しきれていないと言われている。
それらをどう捉えるのかについて学際的に研究している
民法出身の研究者が書いたブックレット。

まだ研究途中だし分量の薄いブックレットということで
あまり突っ込んだ研究成果というのはなかったが、
まず近未来の法システムを考えて、
それを現代の問題に当てはめてみるという、
意欲的&科学的な手法を使っている点に興味を持った。

以下は興味をもった点の引用・・・
・重要なのははじめから法律問題が法律問題として取り上げられるのではなく
問題の発見と確定から始まり、その問題の解決を模索する過程で、
次第に法モデルに焦点が絞られることである。

・損害とは異なり被害はもともと法律概念では必ずしもなかった。
(中略)被害は、一定の利益について人の行為、物、自然現象に起因する、
期待と現実の不一致状態ということができる。

・事後救済では公式の解決方法と非公式の解決方法間に深い相関関係がある。
(中略)これを私は両者の共鳴現象といっている。

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2001 7/6
法学一般
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『法律における理屈と人情』 我妻栄著 日本評論社 195506.29.01

『レオン』ではゲーリー・オールドマンが一番カッコ良いと思っている僕は
とても少数派だということに気がついてショックを隠しきれない、
らぶナベ@ジャン・レノなんかよりずっと良い演技していたのでは??

さて、『法律における理屈と人情』我妻栄著(日本評論社)1955年初版。
以前、カメラマンから弁護士になった人が薦めていたのを思い出して
書店で見つけたときに思わず購入した一冊。
民法の世界ではとぉっても有名な学者さんが、
戦後まもなくおこなわれた新憲法&新民法啓蒙の公演をもとに書いた本。

内容は「法律における理屈と人情」(立命館大学で公演したもの)と、
「家庭生活の民主化」(税務庁で公演したもの)の二部構成になっている。
「法律における理屈と人情」の方は”理屈”=”一般的確実性”(法的安定性)と
“人情”=”具体的妥当性”とが法律解釈ではどのような関係になるのか、
どのように調整すべきなのかについて語っている。
以下は第一部の中にあったもののピックアップ&要約・・・
・法律論は理屈の筋を通して論理の枠を守り、
しかもその筋にそって人情と調和させることに務めなければならない。
(人情だけを前面に出して理屈を壊せばもはや法律論ではない)

・法律における理屈と人情を調和させる第一の手段は擬制(フィクション)。
法律の規定を大前提とし、事実を小前提として、結論を引き出すのだから、
大前提を動かすことができなければ、小前提を動かす。
結論の違ってくることは、いずれを動かした場合でも同じ。

・一般的確実性を崩さないで、しかも具体的妥当性について
できるだけ人情に適した結論を導きうるような解釈をすること。
その場合もっとも重要なことは、法律規定の存在理由、
立法理由にさかのぼってその規定を吟味すること。

☆(形式的解釈の重要性)現代社会は大きな精密機械のように個々の役割が
分化、絡み合っている。この個々の歯車が全体の構造も知らないで
一人で力んだところで機械を動かすことはできない。
まず複雑な機構を全部理解して形式的に判断すればどうなるかを理解する。
そうすれば全体の動きを止めないでしかも妥当な結論を出せるようになる。

・・・第二部の「家庭生活の民主化」の方はさすがに50年ちかく前に
書かれたものなので議論の前提である家族状況がかなり変化していて
しっくりとこない面が多いのだけど、最後のところで・・・
・家庭内の役割を夫だから妻だから子供だからということで、
かつての民法のように一概に法が分けるのはおかしい。
各自がそれぞれの才能と能力に応じて違う楽器を手にしながら、
しかも調和のとれた交響楽をかなでだす家庭が理想だ。
・・・としているところは役割分担という法の役割について、
彼なりに語っているところなので興味深かった。

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2001 6/26
法学一般
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『司法戦争』 中嶋博行著 講談社文庫 200106.20.01

EU拡大を目的とするニース条約批准を否定したアイルランドの首相の名前が
「アハーン」首相だと知って世界の広さを感じている、らぶナベっす。

さて、『司法戦争』中嶋博行著(講談社文庫)2001年初版。
弁護士をやりながら小説を書いている著者が『検察捜査』
『違法弁護』に続いて出したリーガルサスペンス小説。
三つ合わせて司法三部作と呼ばれているらしい。
確かにこれで主役も女検察官、女弁護士、女裁判官と法曹三者がそろった。

内容は三部作の中で間違いなく一番面白い!
検察庁から出向している女性裁判官(最高裁民事調査室所属)が
沖縄でおこった最高裁判事の殺人事件を検察側の人間として
極秘に捜査することから物語はスタートする。
法曹三者による最高裁判事の熾烈なポスト争い、判事間の対立、
最高裁と内閣とのパワーバランス、警察と検察の相互不信、
アメリカでのビジネスロイヤー市場の活況、PL法、
次世代技術をめぐる日米間の熾烈な争い、行政改革、
果ては内閣情報調査室とCIAとの闘いまで、
スケールの大きな背景を殺人事件に直接的にからませて物語は展開する。
物語が進むにつれてなぜ「戦争」なのかの輪郭がはっきりしてくる。
突っ込める箇所はいくらでもあるけれど本質的なリアリティがあって
緊張感がある、著者のキャリアが活かされているのだろう。
(しかし商売敵だからってアメリカの弁護士に警戒心ありすぎ(^^;)
その分、三部作の中では一番分量が厚いけど、
物語の核心部分も二転三転するので読んでいて退屈しない。

ただ、この人の書く物語は出てくる人間や組織内部での関係が
精神的にどれも窮屈そうで線の細い視点ばかり目立つ。
そこらへんが読んでいてちょっとうんざりする面もある。
ちなみにこの人の小説は常に司法の構造的な問題点をプロットの根底において
書かれているけどどの作品もほとんどまったくと言って良いほど
法廷シーンが舞台にならない。
一度彼の書いた法廷ものを読んでみたいと思う梅雨の合間。

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2001 6/20
小説、法学一般
まろまろヒット率4
法務 キャリア

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『伊藤真セレクション1 司法試験択一過去問集[憲法]』伊藤真監修 法学書院 200005.27.01

最近自分はゲームメイカーやストライカーではなく、
アウトサイドを駆け上げるサイドポジションが合っているんじゃないかと思う
らぶナベ@「ナベッカム」と呼んで欲しい(^_^)

さて、『伊藤真セレクション1 司法試験択一過去問集[憲法]』
伊藤真監修(法学書院)2000年初版。
問題集だけど解説も多くて一通りやり終わったら
「読んだ」という感じになるので読書録に記録。
(「なるほど」と感心することもけっこうあった)

そもそも過去問を練習してみようと思って買ったは良いけど
あれだけ基本書を読んでいてもちんぷんかんぷんな問題も多くて
最初はほとんど手もつけなかった。
これはいかんと思って司法試験予備校と契約して
伊藤真のDVD講義を見てから取り組むとかなり解けるようになった。
憲法を「個人を尊重するための権力への制限規範」という前提でみれば
複雑な問題もある程度目処をつけることができることは眼から鱗(^^)
尻上がりで解けるようになり最後までやってみると
一度目なのにトータル46%ほど正解率があったのには驚き。
復習や確認用としてはかなり良い教材では?

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2001 5/27
法学一般、憲法
まろまろヒット率3
法務 キャリア

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『法医学 推理する医学―死体は真実を語る』 塩野寛著 羊土社 199804.01.01

『レオン』は何度見直してもゲーリー・オールドマンの演技が
一番印象深いと思う、らぶナベ@だって痛いもん(^^;

さて、『法医学ー推理する医学~死体は真実を語る・・・~』
塩野寛著(羊土社)1998年初版。
法医学の本を読むのは始めてだし馴染みの薄い科学書だけど
法律関係を学ぶ僕にとってはまた別の意味がある一冊。
神田神保町の本屋で見つけて思わず衝動買いしてしまった。
内容の方はかなり面白い!
「男の睾丸はおもりとなるか」(溺死)、「オンディーヌの呪い」
(乳幼児突然死症候群)など各項の題名のつけ方もセンスがあって楽しい。
ただ専門書ではないので物足りない面もあるが
これ以上深くなるとまた読みにくい本になるのだろうと思う。
民事専門のはずなのにこんな本を読んでしまうと
刑事事件を担当したくなる(^^;

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2001 4/1
法医学、自然科学、法学、その他
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『中坊公平・私の事件簿』 中坊公平著 集英社新書 200003.25.01

34日間にわたる東京滞在から帰ってきた、
らぶナベ@ネコのホームズが他人行儀でさびしんぼ倶楽部(T_T)

さて、『中坊公平・私の事件簿』中坊公平著(集英社新書)2000年初版。
東京在住中に市ヶ谷の中大大学院の中で読み終えた、法学関係で50冊目の本。
弁護士・中坊公平がこれまで関わった事件の中から
印象深い14の事件を取り上げて書いている自伝的な一冊。
掲載している事件数自体は14と少なく感じるが
「この本が私の墓標」と言い切っているだけあって
森永ヒ素ミルク事件、豊田商事事件、豊島事件、住専事件などの
戦後史に残る大きな事件だけでなく小さな市場の立ち退き補償事件まで
彼の弁護士人生に影響を与えた事件を紹介している。

様々な読み方ができる本だろうが僕は彼の人間や物事に対する
本質的な希望感や明るさやというものを強く感じた。
特に豊田商事事件や豊島事件などの大きな事件ほど
この考えが貫かれているように感じられる。
森永ヒ素ミルク事件で彼が読み上げた冒頭陳述が掲載されているが
彼が「遅れてきた青春」と呼ぶように僕自身も強い感動を感じた。
人に対して明るさを持つ人間が活躍するというのは先行きが明るいだろう(^^)

以下は印象に残った彼の言葉・・・
現場さえ知っていれば裁判も勝つし客も来る(中略)私にはツテもコネもない。
ましてや不勉強で特に法律に強いわけでもない。
そんな私がこの世界で生きていくためには、
誰より現場をしりぬくしかないんだ。
<H鉄工和議申立て事件>

依頼者が自分の事務所に来る時にはすでに仮面をかぶって入ってきています。
だから依頼者のほんとの素顔というのは依頼者が生活しているところへ
行ってこそ初めてわかるものなのです。
<M市場立ち退き補償事件>

この事件の被害者は誰や。赤ちゃんやないか。
赤ちゃんに対する犯罪に右も左もない。
<森永ヒ素ミルク中毒事件>

当事者の代理人がそもそも事件をどのように考え、どのように進行させ、
どのように終結させるのかということについて、
今のように裁判所任せであってはならない(中略)
弁護は迫力をもっていないとだめ。
<小説のモデル名誉毀損事件>

どうやって被害者の費用負担を最小限に抑え、
かつ正しい調査・鑑定結果を得られるのかということを見出す。
そういうことも弁護士の仕事の中に入ってくる。
<自転車空気入れの欠陥による失明事件>

弁護士が扱う「商品」というのは「人の不幸」というものから出発している
わけです。しかし「人の不幸」というものをどう処理するかというのは
限りなく難しい(中略)要するに人を見て法を説かないといけないのであり、
たえず万人に対して同じ答え、態度で接するという方がむしろ間違っている
<看護学校生の呉服類購入契約事件>

結局、事件を手がける時に弁護士にとって一番大事なのは、
同じ目線でものがみられるかということなのです。
これはどんな事件を手がけるにしても一番必要なことなんです
(中略)人間、粘りとひたむきさが大切です。
<金のペーパー商法・豊田商事事件>

われわれは単に豊島にいて、そしてそれがテレビや新聞に載せられて、
そして公害調停委員会に届くというだけでは目的は達成できない。
香川県の知事が謝罪しないということは香川県の皆さまが
やっぱり承知されていないからだ(中略)それには自分たちが
まず小豆島の土庄町から、そして小豆島から、
われわれの願いというものを本当にわかってもらわなければならない。
<産業廃棄物の不法投棄・豊島事件>

世の中は理屈や筋書きだけでは動きません。
情熱、エネルギーというものが必要です。
住管機構の仕事も見通しがないのに出発してはいけないというのではなく、
見通しがなくとも出発すべきだと考えました。
なんの見通しもないまま出発したのに(中略)何千億も回収できるなんて
奇跡だと言う人もいますが、人間、退路を断って懸命にやれば
世の中は動くものなのです。
<不良債権・住専処理事件>

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2001 3/25
法学一般、ドキュメンタリー
まろまろヒット率4
法務 キャリア

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『知的所有権Q&A100のポイント』 小野昌延著 有斐閣ビジネス 2000(5版)02.19.01

週末から東京入りする僕としてはやはり目黒の寄生虫博物館は欠かせないと
思っている、らぶナベ@まだTシャツ売ってるのかな?

さて、『知的所有権Q&A100のポイント』[第5版]小野昌延著
(有斐閣ビジネス) 2000年第5版。
これまでの人生をふと振り返りつつ今後のことをマロマロ妄想してみると
そのうち知的所有権関係のお仕事がやって来る可能性が妙に高いので
今のうちにざっとでも押さえておこうと手軽に読める本を購入してみた。
内容は無理矢理ポイントを100に絞り込んでいるので用語説明が前後したり
前提の話がずっと後に書かれていたりと実に読みにくい!
でも包装箱に「ハイミー」と印刷してパチンコで当てたハイミーを詰め、
販売目的で所持した行為でも商標権侵害と認めた微妙な事件(最決昭46.7.20)
などはその議論のバカバカしさと深刻さを想像するとかなり笑えた。
それに知的所有権についての主要文献も紹介されているのでよしとしよう。
とにもかくにも始めて読んだ知的所有権関係の一冊。

☆著作権=「著作財産権」(著作物利用で収益をあげる)&
「著作者人格権」(内容を勝手に変えないことや氏名表示など)
→著作者人格権は他人に譲渡できない一身専属権(著作権法50条)
=美術品と譲渡と美術著作権の譲渡を混同して問題になることが多い

☆商標の要件である「特別顕著性」の中心は識別力
→判例は「菊正宗」と「菊焼酎」の類似性を認めた(最決昭36.6.27)
・・・判例が認めた類似性・・・
・外観類似=「テイオン」と「ライオン」(最決昭28.9.1)
・呼称類似=「シンガー」と「SINKA」(最決昭35.10.4)
・観念類似=「キング」と「王」(大審昭9.3.23)
→判例はこれに加えて取引の実情を加味する方向にある
(商標権侵害の本質は商標の機能を害すること)

☆「○+C」マーク&「発行年」&「氏名」を適当な場所に書いておくと
万国著作権条約上に著作権の保護が受けられる

☆保護が難しかった「trade secret」(営業秘密やノウハウ)には
不正競争防止法3条によって差止請求もできるようになった
(ただし事実を知った時から3年で時効&行為の開始時から10年で時効)

☆特許の要件=発明・新規制・進歩性
(実用新案要件は特許の発明が考案に代わるだけ)

☆工業上利用できるものの「機能」を保護するのが特許&実用新案、
「美感」を保護するのが意匠(デザイン)
→著作権は「模倣」のみが禁止されるが意匠権は偶然一致した類似物も禁止

☆特許権の許諾=「専用実施権」&「通常実施権」
=権利者(licenser)が利用者(licensee)に独占使用を認めるかどうかの差

☆特許などの実施料(royalty)の例・・・
・一括金だけを払う「lump sum payment」
・一個単科を分割金として算出して払う「running royalty」
・頭金&分割金で払う「initial payment&running royalty」などが主流

○グーテンベルクの印刷技術によって発生した
聖書出版業者からの保護要求が著作権が出現する原動力となった

○1642年の英専売条令が「特許の母」と呼ばれる
(パテントという言葉も特許状”letters patent”から来ている)

○知的所有権重視の流れは技術的国際競争力の低下が顕著になった
レーガン政権下のアメリカで急速に広がった

○データベース作成に使用する原文献の著作物性の問題と
データベース自体の著作物性の問題とは別

○WIPO(世界知的所有権機関)、AIPPI(世界知的所有権保護協会)、
WTO(世界貿易機関)の三つが知的所有権をめぐる主要国際機関

○”PAT.P”=”Patent pending”(特許出願中)

○著作権は50年だが商標権は更新さえすれば半永久

○商標侵害による差止請求は現実に混同していなくても
そのおそれさえあれば請求できる(最決昭49.11.18)

○著作権法が世界的に注目されるのは
知的所有権保護の欠落した部分を補う役割があるため

○著作権侵害の例外・・・
・私的利用する場合は著作物を自由に複製&上映できる(著作権法30条)
・引用部分があくまでその内容の中で「従」である場合(著作権法32条)
・使用許諾を受けた者は差止請求ができない
・著作権者が反対しても文化庁長官の裁定で使用可能など

○特許&実用新案が出願されるより前にすでに実施or準備していた発明は
自由に利用できる=「先特許」&「先実用新案」
→「先商標」では中断せずに善意で使用され続けられている事実が必要

○実用新案と著作権をめぐる裁判では特許に認められる「過失の推定」はない
(無審査で申請が許可されるため)

○著作権は文化庁に登録することができるが登録なしでも差止&損害賠償請求が可能
(ただし刑事事件の場合は親告罪・告訴期間は侵害を知ってから6ヶ月)

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2001 2/19
法学一般、知的財産
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