Archive for the ‘情報・メディア’


『デジタル・ナルシス―情報科学パイオニアたちの欲望』 西垣通著 岩波書店 199702.20.07

文京区友の会会長として携わった街歩き本プロジェクト「てくてく文京」第1回分が文京区の図書館で閲覧できるようになった、
まろまろ@関わったものがかたちになるってやっぱり良いですな(^_^)v

さてさて、『デジタル・ナルシス―情報科学パイオニアたちの欲望』西垣通著(岩波書店)1997。

世界史の視点で現代を振り返れば、情報化社会(の始まり?)と評価される時代に位置することはほぼ間違いない。
その情報化社会の基礎をつくった情報科学の研究者たち、
バベッジ、ノイマン、チューリング、シャノン、ウィーナー、ベイトソンの業績を、
単なる研究成果だけでなく心理的・人間的な側面から評価する情報科学評論書。

読んでみて一番興味を持ったのは、原初版は携帯電話やインターネットが普及する以前の1991年なのに・・・
「情報機械は、人間の欲望と深くかかわりながら、思考=神経系の動きを代行するエロティックなマシン」、
「デジタル・ナルシスたちは情報機械なしには生きていけない」と看過しているのはまさに達観だと感じた。
確かにいまのSNSやblogはデジタル・ナルシスたちのエロティックな感覚があふれる空間という見方もできるだろう。

また、各研究者の評論では、ノーバート・ウィーナー(ウィナー)とフォン・ノイマンとの対比がおもしろかった。
何しろ僕は前々からウィナーを好きな人とノイマンが好きな人は、見事に正反対のキャラクターを持っていると感じていたので・・・
「ウィーナーのまなざしは数学的体系そのものでなく、その背後にひろがるカオスをみすえていた」、
「ところがノイマンの興味は物理的対象ではなかった(略)位置や運動量を記述する、演算子の形式的体系を構築すること自体が目的だった」
・・・としているのは「なるほどー」と思わず笑ってしまった(^_^)

以下はその他でチェックした箇所(一部要約含む)・・・

○人間と機械とを分けるのは”質”ではなく、せいぜい”程度”の違いだという呪文が、チューリングの全生涯を通じて唱え続けらている
<2 機械との恋に死す>

○応用数学がロマンティシズムと交錯するのは、それが「新しい精神によって因習・旧弊を打破する爆薬」とみなされる瞬間
→現実はダイナミックに変転するカオスだが、数理モデルは静止したコスモス(略)
 前者を後者のうちに写像して、はじきだした答をもっともらしく提示するのが応用数学のレトリック
<3 階差に神はやどる>

○情報科学とは不思議な学問である(略)
それは本質的に「自分は自分を見きわめがたい」という奇妙なパラドックスをかかえこんでいるから
<7 デジタル・ナルシス>

☆どうやら人間は「ものごとを記号化・形式化する烈しい希求」を持っているらしい
→抽象化とは、一回性のある個々の出来事の豊かな具体性を切り捨てることによって成立する(略)
 それは常に”力”にたいする欲望を隠している
<7 デジタル・ナルシス>

この本をamazonで見ちゃう

2007 2/19
情報科学
まろまろヒット率3

Web maromaro.com


(more…)

Posted in まろまろヒット率★★★☆☆, 読書日記, 自然・科学本, 情報・メディアwith No Comments →

『ブログスフィア アメリカ企業を変えた100人のブロガーたち』 ロバート・スコーブル+シェル・イスラエル著、酒井泰介訳 日経BP 200610.01.06

携帯電話が水没扱いになってしまったのでナンバーポータビリティ開始前に機種変更してしまった(SH901ic→SH902i)、
まろまろ@まだ携帯カメラの撮影に慣れていないけどごはん日記のコンテンツ創りしてます。

さて、『ブログスフィア アメリカ企業を変えた100人のブロガーたち』
ロバート・スコーブル+シェル・イスラエル著、酒井泰介訳(日経BP)2006。

マイクロソフト社のブロガーとして有名になった著者によるブログ本。
企業ブログやブログを使ったPR、キャンペーンの事例を紹介しながら現在の状況を説明しつつ、ブログのあるべき姿を模索する一冊。
BlogSphere(ブログスフィア、ブログ界)を無視して失敗した事例や、逆にブログを利用して失敗した事例も載っているのが面白い。
原題は“Naked Conversations: How Blogs Are Changing the Way Businesses Talk With Customers”

この本の根底には勧誘電話やダイレクトメールのような土足マーケティングや、CMや広報のようなマス広告への不信がある。
こうした不信を前提にして、双方向性が高く、生の声に近いところからブログによる情報発信は企業活動でも有効だとこの本は主張する。
もちろん他国の事例を紹介する第8章で著者自身も書いているように、情報発信については文化の差が激しいので、
読んでいて同意できない点や馴染まないと思われる点もあったけれど、この本の前提や方法論にはヒントを感じた。

以下はチェックした箇所(一部要約)・・・

○革命的な変化というものはたいてい、ひっそりと忍び寄ってくる
→革命を予言するのは得てして難しいが、革命を無視するのは、たいてい不幸な結果を招く
<第2章 ブログはすべてを変えるか>

○ブログの6本柱
1:公開性がある、2:見つけやすい、3:社会性がある、4:感染性がある、5:シンジケート性(配信性)がある、6:リンクできる
<第2章 ブログはすべてを変えるか>

☆どんな広告やマーケティング・キャンペーンも、友人ほど大きな影響は持ち得ない
→口コミに何より勢いをつけるのは、自分が信頼する人々に対するロイヤリティ(忠誠心)である
<第3章 極め付きの口コミ>

○成功の5つのヒント
1:語れ、売り込むな、2:頻繁に投稿し、面白いものを書け、3:興味のあることについて書け、4:ブログは費用の節約になるが時間がかかる、5:人の話に耳を傾けよ
<第5章 無限のリーチ>

○ブログは管理できないから信用があり、事実に基づいているから持続性があり、会社の製品やサービスについてのコメントに基づいているからパワフルだ
<第7章 PR>

☆リビングルーム・ルール
私の家に招いた客が私や他の客に失礼な振る舞いをしたら、もっと礼儀正しくしてもらうように頼む
→それを聞かなければ帰ってもらう
→ブログも同じ
<第11章 ブログをより良くするには?>

この本をamazonで見ちゃう

2006 10/1
情報・メディア、HP・ブログ本、マーケティング本
まろまろヒット率3

Web maromaro.com


(more…)

Posted in HP・ブログ本, まろまろヒット率★★★☆☆, 読書日記, 経営学, 情報・メディアwith 1 Comment →

『戦後名編集者列伝―売れる本づくりを実践した鬼才たち』 桜井秀勲著 編書房 200304.20.06

らぶナベ@今日(金)の日経新聞夕刊に僕のインタビューが載るそうだす。

さて、『戦後名編集者列伝―売れる本づくりを実践した鬼才たち』桜井秀勲著(編書房)2003。

女性誌「女性自身」や「微笑」の編集長を歴任し、祥伝社の創立メンバーでもある著者が、
自分と接点があった編集者たちを中心に、戦後活躍した名編集者たちを紹介する同時代記。

伝聞や推定も多いのでどこまで信じたらいいのか分からない点も無いわけではないけど、
名物編集者たちそれぞれの人生、編集エピソードが生々しくえがかれてあって躍動感を感じた。

中でも印象深かったのは名編集者とされる人たちは物議をかもし出すことを恐れない、反骨精神あふれる人たちが多かった点だ。
これは、まだ”雑”誌が”良”書”と比べられてB級メディアとして見られていた時代の人たちであり、
編集者の多くが紆余曲折の経歴を持っていたこと、そして出版社側の採用過程も多様であったことが原因かもしれない。
(結果的に権威をつくってしまった人と、できあがった権威に入ろうとする人の違いか?)
現在を振り返れば、物議を醸し出しているメディアは出版ではなくネットである点にも時代の流れを感じた。

ちなみにレイアウト的には、列伝の最初に略歴がまとまっていると、もっと読みやすかったのにとも思った。

この本をamazonで見ちゃう

2006 4/20
メディア史
まろまろヒット率3

Web maromaro.com


(more…)

Posted in まろまろヒット率★★★☆☆, 歴史, 読書日記, 情報・メディアwith No Comments →





このサイトについて  サイトポリシー  連絡先  サイト来歴  メディア掲載  お願い


 
Web maromaro.com
まろまろと探しちゃう
Amazon.co.jp のロゴ




このサイトについて   サイトポリシー   連絡先   サイト来歴   メディア掲載   お願い