Archive for the ‘HP・ブログ本’







『自治体Webサイトはなぜ使いにくいのか?―“ユニバーサルメニュー”による電子自治体・電子政府の新しい情報発信』 安井秀行著 時事通信出版局 200904.13.11

ご縁があって4月から松阪市情報政策担当官に就任した、まろまろです。

さて、『自治体Webサイトはなぜ使いにくいのか?―“ユニバーサルメニュー”による電子自治体・電子政府の新しい情報発信』安井秀行著(時事通信出版局)2009。

地方自治体のWebサイトは使いにくいものが多い。
その原因と課題を整理し、ユニバーサル・メニュー(UN)を提唱する解説書。

中でも前半部分に当たる自治体サイトの問題と課題の解説が分かりやすい。
直接的な問題とその背景にある根本的な課題に分けて・・・

○直接的な問題
・知りたい情報が探せない
 →1:そもそも情報がない、2:情報はあるが探しにくい
・情報が理解できない
 →1:過不足が激しく理解できない、2:読ませる努力がない、3:リンクがない

○根本的な課題
・セキュリティ、手続き中心のサイト作り
・情報発信・申請主義中心
・広報と担当部署の組織的課題
・編集能力の欠如
・アクセシビリティ偏重のサイト作り

・・・と、整理されているのは理解しやすかった。
<第4章 自治体サイトの課題概観>

また、問題整理の中で自治体の申請主義的性格に注目して・・・

○申請主義の自治体側と、分かりにくく使いにくいために申請すらできないサイト利用者側の間に
大きな溝ができてしまっているのが、現在の自治体サイトの問題の本質的な課題

・・・と指摘している点も印象に残った。
<第3章 なぜ使いにくい自治体サイトが生まれるのか?>

本書が提唱するユニバーサル・メニュー(UN)については、まだ検討すべきものがあるとは思うものの・・・

○サイトには、持ち主である組織の課題や変革の可能性が内包されているから、
サイトを分析、改善していくことが組織そのものの変革を加速化していく

○自治体サイトの使いにくさに関する改善活動を行うことが、自治体サイトの組織変革につながる

・・・という理念には強く共鳴した一冊。

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2011 3/13
ウェブ・ユーザビリティ、情報・メディア、デザイン論、HP・ブログ本、実用書
まろまろヒット率3

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『新ウェブ・ユーザビリティ』 ヤコブ・ニールセン&ホア・ロレンジャー著、斉藤栄一郎訳 エムディエヌコーポレーション 200612.06.10

松阪市民講座として「”まろまろ流”市民による情報発信のすすめ」という公開講座をすることになった、まろまろです。

さて、『新ウェブ・ユーザビリティ』ヤコブ・ニールセン&ホア・ロレンジャー著、斉藤栄一郎訳(エムディエヌコーポレーション)2006。

ウェブ・ユーザビリティの重鎮として知られるヤコブ・ニールセン(Jakob Nielsen)によるウェブ・ユーザビリティ本。
ウェブ・ユーザビリティの基本を様々な事例を紹介しながら解説している。
原題は“Prioritizing Web Usability” (2006)。

読んでいて一番印象に残ったのは・・・
「筆者は13年にわたってウェブのユーザー行動を見てきた。
その経験からいえば、ユーザーは実にわがままな生き物で、未来や過去ではなく今が大切なのだ。
だからウェブで成功するためには、今のニーズに的確に応えるしかない」
・・・と明言しているところだ。
作り手の思いと受け手の思いのバランスについて、受け手に大きく比重が置かれたWebの特徴を端的に言い当てているように感じられた。

そうした点は考えさせられたけれど、解説本としては疑問を感じるところもあった。
たとえば、文中に多くあるWebサイトの画像は白黒なので分かりにくかったり、
囲み記事が散漫で読みづらかったりと、ウェブ・ユーザビリティの前に本書自体のユーザビリティが気になった。
試しに原著をひも解いてみると、いくつかの大きな省略も発見した。
できれば原著を中心にして、副読本として読むことがオススメの一冊。

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2010 12/6
ウェブ・ユーザビリティ、情報・メディア、デザイン論、HP・ブログ本、実用書
まろまろヒット率2

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『ウェブユーザビリティの法則』 スティーブ・クルーグ著、中野恵美子訳 ソフトバンククリエイティブ 2007(改訂第2版)07.13.10

まろまろ@各記事の下に関連記事を表示できるよう改良しました☆
ただし、自然言語処理で抽出しているので、チューニングはまだ発展途上です。てへっ。

さて、『ウェブユーザビリティの法則』スティーブ・クルーグ著、中野恵美子訳(ソフトバンククリエイティブ)2007(改訂第2版)。

AppleやAOLなどのWebサイトにも関わったウェブユーザビリティ・コンサルタントによるウェブユーザビリティ本。
弊社の元同期で、現在のまろまろ記サイトデザイン構築時も協力してもらった、ユーザビリティ・スペシャリストのtmaedaから推薦を受けた一冊。
原題は“Don’t Make Me Think: A Common Sense Approach to Web Usability” (2nd Edition, 2005)。

内容は、原題にあるように「ユーザーに考えさせない」ということを第一にしたウェブユーザビリティについて解説している。
特に、Webサイト製作側が想定する利用法と、実際のユーザーの利用には大きなギャップがあることに対する指摘が多い。、
たとえば・・・
「人はページ内の文章を読まない。ざっと見るのみ」、「人は最良の選択に時間をかけるよりも、ある程度満足できるところで妥協する」、
「人はものごとの仕組みを理解しない。何とか帳尻を合わせて切り抜ける」という傾向を指摘して、
「製作者はウェブページを卓越した著作物(パンフレット)だと思っているが、ユーザーは時速100キロで疾走する車の窓から見る看板という方が実態に近い」。
・・・と断定している。
(第2章:ユーザーは”実際には”どんな風にウェブを使っているのか)

さらに・・・
「大きさの感覚がない」、「方向感覚がない」、「位置感覚がない」というWebの特徴は、
「物理空間に比べてはるかに自分がどこにいるかを把握するのが難しい」点に注目して、
「ウェブページをデザインする場合は、ユーザーはトップページから、きちんと整理された経路を通って目的のページに到達すると想定したくなる。
しかし現実には、そこがどこかもわからないままで、サイトのど真ん中に放り込まれるというケースが多い」。
だから、「内容の詳細ではなく、全体の外観だけで判断がつくようにしておく必要がある」。
・・・と展開している。
(第3章:道路標識とパンくず)

また、製作者側とユーザー側とのギャップについてだけでなく、製作者側の内部での不毛な議論についても解説しているところも興味を持った。
自分の好みや信念を一般化させて議論することを「宗教論争」と表現して、一般論ではなく具体論で話し合う必要性を強調している。
(第8章:「きっと仲良くやっていけるさ」)

そのために必須となるユーザー・テストについては・・・
「テストを行う目的は、何かが正しいと証明することでも、間違いがあると証明することでもない。
製作者の判断を整理するためにおこなうのである」。
・・・と位置付けている。
(第9章:1日10円でできるユーザビリティテスト)

確かに一般論で話し合うことは自分たちの好みを言い合うだけの不毛なものになることがあり、
有益なものにするためにはテストが必須としているところは他の分野にも通じるものとして納得した。

また、ユーザビリティをあえて逸脱することについては・・・
「自分が違反しているルールが何なのかは自覚しておくべきだし、
少なくともルール違反を犯すだけの納得のゆく理由があるのだと考えるくらいのことはしてほしい」。
・・・と結論づけている。
(第12章:助けて!ウチのボスが○○しろって言うんです)

ウェブユーザビリティの考え方と、具体論の進め方を知ることができる一冊。

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2010 7/13
ウェブユーザビリティ、デザイン論、HP・ブログ本、情報・メディア、実用書
まろまろヒット率3

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『ブログスフィア アメリカ企業を変えた100人のブロガーたち』 ロバート・スコーブル+シェル・イスラエル著、酒井泰介訳 日経BP 200610.01.06

携帯電話が水没扱いになってしまったのでナンバーポータビリティ開始前に機種変更してしまった(SH901ic→SH902i)、
まろまろ@まだ携帯カメラの撮影に慣れていないけどごはん日記のコンテンツ創りしてます。

さて、『ブログスフィア アメリカ企業を変えた100人のブロガーたち』
ロバート・スコーブル+シェル・イスラエル著、酒井泰介訳(日経BP)2006。

マイクロソフト社のブロガーとして有名になった著者によるブログ本。
企業ブログやブログを使ったPR、キャンペーンの事例を紹介しながら現在の状況を説明しつつ、ブログのあるべき姿を模索する一冊。
BlogSphere(ブログスフィア、ブログ界)を無視して失敗した事例や、逆にブログを利用して失敗した事例も載っているのが面白い。
原題は“Naked Conversations: How Blogs Are Changing the Way Businesses Talk With Customers”

この本の根底には勧誘電話やダイレクトメールのような土足マーケティングや、CMや広報のようなマス広告への不信がある。
こうした不信を前提にして、双方向性が高く、生の声に近いところからブログによる情報発信は企業活動でも有効だとこの本は主張する。
もちろん他国の事例を紹介する第8章で著者自身も書いているように、情報発信については文化の差が激しいので、
読んでいて同意できない点や馴染まないと思われる点もあったけれど、この本の前提や方法論にはヒントを感じた。

以下はチェックした箇所(一部要約)・・・

○革命的な変化というものはたいてい、ひっそりと忍び寄ってくる
→革命を予言するのは得てして難しいが、革命を無視するのは、たいてい不幸な結果を招く
<第2章 ブログはすべてを変えるか>

○ブログの6本柱
1:公開性がある、2:見つけやすい、3:社会性がある、4:感染性がある、5:シンジケート性(配信性)がある、6:リンクできる
<第2章 ブログはすべてを変えるか>

☆どんな広告やマーケティング・キャンペーンも、友人ほど大きな影響は持ち得ない
→口コミに何より勢いをつけるのは、自分が信頼する人々に対するロイヤリティ(忠誠心)である
<第3章 極め付きの口コミ>

○成功の5つのヒント
1:語れ、売り込むな、2:頻繁に投稿し、面白いものを書け、3:興味のあることについて書け、4:ブログは費用の節約になるが時間がかかる、5:人の話に耳を傾けよ
<第5章 無限のリーチ>

○ブログは管理できないから信用があり、事実に基づいているから持続性があり、会社の製品やサービスについてのコメントに基づいているからパワフルだ
<第7章 PR>

☆リビングルーム・ルール
私の家に招いた客が私や他の客に失礼な振る舞いをしたら、もっと礼儀正しくしてもらうように頼む
→それを聞かなければ帰ってもらう
→ブログも同じ
<第11章 ブログをより良くするには?>

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2006 10/1
情報・メディア、HP・ブログ本、マーケティング本
まろまろヒット率3

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『30日間マクドナルド生活―自分の体で実験してみました』 マツモトケイジ著 祥伝社 200607.06.06

「金色麿生」をまろまろ用語集にアップした、まろまろ@たまに使うペンネームです(^_^)v

さて、『30日間マクドナルド生活―自分の体で実験してみました』マツモトケイジ著(祥伝社)2006。

表題の「30日間マクドナルド生活」に加えて「30日間カップ麺生活」、「30日間避難訓練生活」の三本立ての企画もの。
書き下ろしの「30日間避難訓練生活」意外はネットで公開したものを書籍化したもので、
特に「30日間マクドナルド生活」は話題になった映画『スーパーサイズ・ミー』の日本版として以前僕も読んだとがあった。

書籍版を手に取ってみると・・・レイアウトの問題か、Webで呼んだ時の迫力がない。
Webで読んでいた時のわくわくどきどきしたものがあまり感じられなかった。
書き下ろしの「30日間 避難訓練生活」もそれなりに興味深かったけど、
このスタイルはWebで読んだ方が面白く感じたんだろうなと思えてしまった。

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2006 7/6
グルメ本、ブログ・HP本
まろまろヒット率2

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『Webブランディング成功の法則55』 生田昌弘/株式会社キノトロープ著 翔泳社 200504.10.06

最近わりとオフィシャルなメールもmixi経由で来るようになった、
らぶナベ@確かにSPAMと紛らわしくないしこれも時代の流れですかな。

さて、『Webブランディング成功の法則55』生田昌弘/株式会社キノトロープ著(翔泳社)2005。

成功するWebブランディングの法則を55項目にして紹介している本。
・・・のはずだったんだけど単なるWebサイト制作進行本と変わらない気がした。

そもそもWebブランディングで成功した実例が示されていないので、どれも当たり障りの無い抽象論に聞こえてしまった。
(たとえばコラムでちらっと紹介されている「BMWの事例」などの方が説得力があった)
55の法則それぞれを当てはめた成功モデルを仮にでもつくるか、もっと実例が欲しかった。

また、根拠となるデータも詳細を公開していない自社調べのものが多くて信頼性に疑問だし、
参考にした参考文献や資料の一覧も無いので資料性もとぼしく感じた。

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2006 4/10
情報・メディア、ブログ・HP関連、ブランディング
まろまろヒット率1

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『アルファブロガー 11人の人気ブロガーが語る成功するウェブログの秘訣とインターネットのこれから』 FPN・徳力基彦・渡辺聡・佐藤匡彦・上原仁著 翔泳社 200502.20.06

決して一見さんお断りでも秘密主義でもないのに、ありえない入り口で分かっていないと絶対に入れない神楽坂のBarに行く機会が多い、
らぶナベ@でも飲むのはマリブ・ミルクだす。

さて、『アルファブロガー 11人の人気ブロガーが語る成功するウェブログの秘訣とインターネットのこれから』FPNほか著(翔泳社)2005。

影響力あるブロガーという意味のアルファブロガー11人に対するインタビュー集。
僕はWEBマスターやブロガーたちへのインタビュー本を読むのが好きだ。
ネットで起こっていることを考えたり自分の活動を振り返るには、よくまとまった理論を聞くより、
まとまっていなくても生々しい熱を持った表現者たちの感想や意見を聞く方が参考になることが多いからだ。

この本は副題が仰々しすぎる気もするけど、情報発信者たちの生の声には迫力があった。
たとえば「裏がわかっているメディアの情報は役に立つけど、裏がどこにあるかわからないメディアの情報っていうのはあんまり意味がない」
(R30「R30」http://shinta.tea-nifty.com/nikki/)というのは、自分で情報を発信してみて初めて実感できることだけに説得力があった。

ちなみにこの本は企画段階から、アルファブロガーを選び出すアンケート項目がいまいちだったとか、
組織票があったのではないかとか、そもそもアルファブロガーの定義が曖昧だなどが問題点として取り立たされた。
まず出すことの意味があるんだろうし、僕としてはあまり興味がない話題なのに巻き込まれそうになってこまっちんぐな事もあったけど、
でも、それはブログというものが普及した証拠なんだろう。
これまでのWEB表現者たちへのインタビュー本、たとえば『個人ホームページのカリスマ』『テキストサイト大全』などが出た頃よりも
情報発信者が広範囲に増えたからこそ問題視されるんだと感じた。

WEBマスター、サイト管理人、そしていま流行のブロガーと、呼び名は変わっても、
WEB上で表現をしている人たちの苦心と楽しみがありありと伝わってくる一冊。

以下はチェックした箇所(一部要約)・・・

○負のエネルギーを出してそれに自分が巻き込まれるのは嫌 (だから悪いことは書かない)
コグレマサト「ネタフル」http://netafull.net/

○表立った対話でなくても、なんとなく関心を寄せ合うようなブログだと、この人は今こう考えているなどというのはわかる
→この感じはブログ特有のもので、一種の連帯感
finalvent「極東ブログ」http://finalvent.cocolog-nifty.com/

○思いっきり主観が入ったコンテンツにものすごくアクセスが多くて、
逆に雑誌のまんまのスタイル(略)ファクトだけを積み上げたコンテンツというのが、がっかりするほど読まれない
R30「R30」http://shinta.tea-nifty.com/nikki/

○「僕はこう思うんだけど」というところで止まるのが既存のメディアなんだけど、
その後の「みんなどう思う?」っていうフィードバックにつなげられるのがブログの面白いところ
R30「R30」http://shinta.tea-nifty.com/nikki/

☆裏がわかっているメディアの情報は役に立つけど、裏がどこにあるかわからないメディアの情報っていうのはあんまり意味がない
R30「R30」http://shinta.tea-nifty.com/nikki/

☆独り言のつもりで書いていたら、多く読まれるようになった→トラフィックの多いブロガーは、みなさん、そんなスタイルですね
磯崎哲也「isologue」http://tez.com/blog/に対するイタンビュワー発言

○ブログは得たいの知れない複雑なことを説明する最高の媒体
磯崎哲也「isologue」http://tez.com/blog/

☆(ブログを続けることとミームとの関係で)自分の意識を残す技術が発明されるまではおそらく生きられない私が、
私の何かを残したいっていうか、自分の持っている考えを散らばせたいという欲求の発露かもしれない
磯崎哲也「isologue」http://tez.com/blog/

○情報をパーツ化すれば崩れにくい
橋本大也「情報考学 Passion For The Future」http://www.ringolab.com/note/daiya/

○伸びているサービスに共通して言えるのが、ホームグラウンドで連帯意識を持っているということ
山本一郎「切込隊長BLOG」http://kiri.jblog.org/

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2006 2/20
情報・メディア、HP・ブログ本
まろまろヒット率3

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『教科書には載らないニッポンのインターネットの歴史教科書』 ばるぼら著 翔泳社 200511.07.05

最近ご近所さんと東京都文京区のシビックランドによくいく、らぶナベ@ナニゲに銭湯好きです。

さて、『教科書には載らないニッポンのインターネットの歴史教科書』ばるぼら著(翔泳社)2005。

ホームページ、ウェブ日記、テキストサイト、ブログ、呼び方はいろいろあるけれど、
インターネット文化を支えてきた、そして今も支えている個人サイトの歴史書。
年表、説明、註釈も含めてすごいテキスト量で、通読には時間がかかるし読んでいて眼が痛くなることが何度もあった(^^;

第1章は1992年から始まっていて、それ以前の歴史は普通に教科書に載ってる歴史として「序章」で取り扱っている。
また、「もうひとつの序章」としてパソコン通信の歴史についてもかなりの量が使われている。
(裏表紙には”Encyclopedia of Japanese Internet Culture 1984-2004″と書かれてある)

日本のネット文化を支えてきた個人サイトやネット上の出来事はアーカイブが残りにくくて、
たった数年前のことなのに後から確認しようと思ってもできないことが多いことはよく指摘されている。
だからこの本はルポタージュというより、本文にも出てきたように「ネット考古学」という言葉の方が近い。
本当によく調べたなぁっと読んでいて何度も関心してしまった。
通読した後にはある種の大全を読んだ気分になってしまったほどだ。
タイトルには「教科書には載らない」と銘打っているけど、
ネット文化に興味がある人の間では必読書の一つとして引用されていくと思う。

・・・っという歴史的な一冊として見たときには、
重要なサイトや出来事が抜けている点や著者の主観があまりに強すぎるところが気になった。
すごくよく調べられてある一冊だけに、今後の改訂版やこの本を参照した別の本に期待。
名著とされる歴史書はたいてい数巻にわたるものだから(^_^)v

ちなみにコラム「ネット文体を一晩中考えよう」の中で、
「ネット独自の特徴は、”未完成感”が漂う文章ほど愛されること。
単体で完成された文章は、驚かれるが簡単に消費され終わってしまう。
コミュニケーションを生まないからだ」と述べているのは説得力があった上に共感もできた。

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2005 11/7
メディア史
まろまろヒット率3

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『ウェブログの心理学』 山下清美・川浦康至・川上善郎・三浦 麻子著 NTT出版 200509.29.05

ネットは顔の見えないコミュニケーションだとする資料の中で、「上戸彩似だと聞いてたメル友に会ったら綾戸智絵に似てた」という事例を見つけた、
らぶナベ@響きが似てるだけにちょっと笑いました(^_^)

さて、『ウェブログの心理学』 山下清美・川浦康至・川上善郎・三浦 麻子著(NTT出版)2005。

「人はなぜウェブログを書くのだろう?」、「なぜウェブログを続けるのだろう?」という疑問に社会心理学からアプローチした一冊。
社会心理学としての調査、考察だけでなく、インターネットの普及と共に始まったウェブ日記の歴史もちゃんと書かれてある。

内容はこれまで言われてきたことをまとめたという感じだけど、その分なるほどと思える要約もあった。
たとえば「ウェブログの本質はそのブロガーのライフストーリーとしての時間的な縦軸と、情報をつなげる横軸との組み合わせ」(第4章)というものや、
「ウェブログの持つ信頼性の根源は”継続性”にある」だからウェブログに必要なのは「継続する名前とそれに伴う存在感」(第5章)というものはすごく納得した。

本文に加えて附録もウェブログのススメ、ウェブログを中心にしたインターネットの歴史、ウェブログに関する論文・記事リストまであって充実している。
分量的にも読みやすいし、ネットでの情報発信に関わってる人や興味がある人には、かなり良い本ではないだろうか。

以下はチェックした箇所(重要と感じた順)・・・

☆ウェブログというコンテンツのもつ社会心理学的な意味を考えるときまずもって注目すべきは、
個人のもつ情報という横糸と、個人のなかで経過する時間という縦軸(ライフストーリー)が組み合わさることによってもたらされる絶妙の相乗作用
→2ちゃんねるなどの掲示板とウェブログの決定的な違いは、ウェブログが独立した空間だということ
<第4章 ウェブログの現在と未来>

☆ウェブログのもつ情報の信頼性の根幹=継続性
→ウェブログに必要なのは継続する名前とそれに伴う存在感(継続性があれば仮名で十分)
<第5章 ウェブログ・個人・社会>

☆ウェブ日記の効用・・・
・自己に向かう効用=感情の表出、自己の明確化、社会的妥当性、
・関係に向かう効用=二者の発展、社会的コントロール、社会的妥当性
→日記そのものは自己表現で、それを契機としたコミュニケーションの可能性にかけるのがウェブ日記の本質
→コミュニケーション志向のより強いウェブログが登場しても不思議はない
<第3章 ウェブログの社会心理学>

☆ホームページをもつ動機=「情報の呈示動機」、「自己表現動機」、「コミュニケーション動機」(池田・柴内 2000)
→ホームページはコミュニケーション動機の強いユーザーにとっては使い勝手が悪いものだったが、
 ウェブログはトラックバック機能なでで書き手同士のコミュニケーションを容易にした
<第1章 インターネット時代のコミュニケーション>

☆これまでの書物が持っていた書き手の著社性とは別に、インターネットでは読み手の著者性が生まれた
→インターネットは読み手主体のメディアという見方もできる
<第1章 インターネット時代のコミュニケーション>

○メディア・コミュニケーションの二つの方向性=コミュニケーション行為を隠す方向と明らかにする方向
<第1章 インターネット時代のコミュニケーション>

○携帯電話も電子メールも、コミュニケーションしている状況を社会関係のなかから切り離すことができるようになって、会話内容も同時に大きく変化した
<第1章 インターネット時代のコミュニケーション>

○日記を含め、自分自身の日常を記録する行為は、自己フォーカスを刺激し、自覚状態を高める効果がある
<第3章 ウェブログの社会心理学>

○トラックバックとリンクは情報をつなぐ点では共通だがその方向性は逆・・・
リンク:自分のウェブログの読み手に、情報源を伝える
トラックバック:情報源となってるウェブログの書き手と読み手に、自分が言及していることを伝える
<第5章 ウェブログ・個人・社会>

○ソーシャル・ネットワークは基本的に個人駆動型のつながりを強めるもの
→社会的強者=実名を出すことがメリットになり、すでに強固なネットワークを持つ人々が
さらにそれを拡大するためには利便性が高いが、そうでない人々にとってはメリットを感じにくいかもしれない
<第4章 ウェブログの現在と未来>

○ソーシャル・ネットワークはアクセス・コントロールの容易なウェブログに対する潜在的ニーズに応えたサービス
<第5章 ウェブログ・個人・社会>

○読者からのフィードバックはブロガーの心理的過程に大きな影響をおよぼしており、
それらを容易にコンテンツに組み込むことを可能にしたウェブログの仕様は、
ブロガーたちに読者の目を明確に意識さえ、書き続けようとする意思を力強くサポートする
<第4章 ウェブログの現在と未来>

○WBC(Web-Based Communication)=発信主体、ABC(Article-Based Communication)=メッセージ主体
<第1章 インターネット時代のコミュニケーション>

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2005 9/29
情報・メディア、HP・ブログ本、社会心理学
まろまろヒット率4

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『ブログ 世界を変える個人メディア』 ダン・ギルモア著、平和博訳 朝日新聞社 200509.25.05

大阪にいた頃からの念願かなって日比谷松本楼の10円チャリティカレーを食べることができた
らぶナベ@協力してくれたみなさんに大感謝です(^^)

さて、『ブログ 世界を変える個人メディア』ダン・ギルモア著、平和博訳(朝日新聞社)2005。

長年ジャーナリストを続けてきた著者が、ブログの出現と普及によって急激に変化している
アメリカのメディア状況を取材してまとめた一冊。

内容は、読者を「元読者」と表現するなどのスタンスからわかるように、
ジャーナリズムの抱える問題点を照らし合わせながらメディアの変化をレポートしている。

中でも思わず笑ってしまったのは、情報発信には信頼の階層構造が必要だと述べている
第9章「荒らし、情報誘導、そして信頼の境界」の中で、古株編集者が駆け出し記者に語るという・・・
「かあちゃんから『お前のことが何より大事なんだよ』って言われてもな、まず裏を取って来い」
・・・という忠告を紹介しているのは思わず笑ってしまった。

ちなみにこの本の原題は”We the Media”。
合衆国憲法前文の出だし”We the People”をもじっていることともあって、
訳題よりも原題のままの方がよかった気がする。

以下はチェックした箇所(一部要約)・・・

○ブログが民主主義的な形式のジャーナリズムである理由・・・
1:今日のジャーナリズムは市場経済に由来するが、ブログは贈与経済に由来
2:ジャーナリズムはプロの領域でたまにアマチュアが迎えられるが、ブログはアマチュアの領域でプロが迎えられる
3:ジャーナリズムの参入障壁は19世紀半ば以来ずっと高かったが、ブログがその障壁を引き下げた
(ジェイ・ローゼンの「プレスシンク」より)
<第2章 読み・書きウェブ>

○ブログに対する典型的な批判は、ほとんどが自己完結でくだらないというもの
→その通りだがだからと言ってこのジャンルを否定したり、人々が互いに語り合うことの価値を損なうことにはならない
<第7章 元読者がパーティに参加する>

☆書いた記事をそのまま残す唯一の方法は、正反対の立場の人間でも納得するようなものを書くということ
(ウィキペディア創設者ジミー・ウェールズへのインタビューより)
<第7章 元読者がパーティに参加する>

○荒らしとは、時間泥棒 (ワード・カニンガムによる定義)
<第9章 荒らし、情報誘導、そして信頼の境界>

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2005 9/25
情報・メディア、HP・ブログ本
まろまろヒット率3

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