Archive for the ‘作文指南’





『理科系の作文技術』 木下是雄著 中公新書 198109.04.04

らぶナベ@まろまろ名刺ver.2が完成しました。
(何かの機会でオフラインでお会いした方にはお渡しますね)

さて、『理科系の作文技術』木下是雄著(中公新書)1981年初版。

佐倉統助教授から必読書として紹介された理科系の作文指南書。
20年以上にわたって読み続けられている理科系の定番本で、
研究室のだいぶ上の先輩も学部の頃に必読書として読んだらしい。
前に法学系や人文系、社会科学系の作文本はいくつか読んでいたが、
理科系の作文本は初めてだったので楽しみに読始めた本。

読んでみると他の分野の本に比べても「はっきりと言い切る姿勢」や
「事実と意見の明確な区別」について繰り返し強調しているのが印象深かった。
この二つは勇気のいることだし題材によっては難しいこともある。
(僕が興味がある領域は特にそういう側面が大きい)
でも、だからこそできるかぎり事実と意見を分けて、
はっきりと言い切ることを意識して書く必要があるんだろう。
そのことが述べられているこの本の6~8章はそういう意味でも重要。

ちなみに後半は講演のコツ(11章)などもあって読み物としても面白い。
歯切れ良く聞こえるために「語尾をはっきり言う」ということも書かれていたが、
僕は会話でもカラオケでも語尾で音量が少なくなる傾向があるので、
気をつけたいとあらためて思った。

そんなこんなで理科系に限らず何かを書く人には一読の価値のある本。

以下はチェックした箇所(要約含む)・・・

○理科系の仕事の文書の特徴=内容は事実と意見に限られる
→心情的要素は含まない

☆理科系の文書を書くときの心得
=内容の精選、事実と意見の区別、記述の順序、明快・簡潔な文章
→「やわらかさ」を配慮するために「あいまいさ」が導入されることを嫌う
<1. 序章>

○その研究の価値と成功の可能性とに対する判断の資料を提供するのが申請書の役割
→書こうとする文書に与えられた特定の課題を十分に認識してかかる必要がある
<2. 準備作業(立案)>

☆自分で主題をえらべる場合にはできる限り自分自身が直接当たった生の情報と、
それについての自分自身の考えに重点を置くべき
→これらはたとえ不備や未熟であったとしてもオリジナリティーという無比の強みがある
(紙で得た知識はいかに巧みにまとめてみたところで所詮は二番煎じ)
<2. 準備作業(立案)>

☆序論の役割
(a)読者が本論を読むべきか否かを敏速・的確に判断するための材料を示す
(b)本論にかかる前に必要な予備知識を読者に提供する
<3. 文章の組立て>

☆論文は読者に向けて書くべきもので著者の思いをみたすために書くものではない
→特に序論では著者が迷い歩いた跡などは露いささかも表に出すべきではない
<5. 文の構造と文章の流れ>

☆不自然に思えても、できる限り明確で断定的な言い方をすべき
(見解に保留条件がある場合にはそれを明瞭に述べるべき)
→仕事の文書で何事かを書くのは”state”すること
<6. はっきり言い切る姿勢>

○理論と法則の違い
・理論(theory)=証明になりそうな事実が相当あるが、
 まだ万人にそれを容認させる域には達してない仮説
・法則(law)=すべての人が容認せざるを得ないほど十分な根拠のあるもの
<7. 事実と意見>

○事実の記述は真偽の二価(two-valued)、意見の記述は多価(multi-valued)
<7. 事実と意見>

☆事実記述の際の注意点
(a)その文書の中で書く必要性を十分に吟味せよ
(b)ぼかした表現に逃げずにできるだけ明確に書け
(c)名詞+動詞で書き、主観に依存する修飾語を混同させるな
→一般的<特定的、漠然<明確、抽象的<具体的なほど価値が高い
<7. 事実と意見>

☆事実と意見の書き分けのコツ
(a)事実と意見どちらを書いているのかを常に意識して、
 書いた後で逆にとられる心配はないかと読み返す
(b)事実の記述に意見を混入させないようにする
→意見の根拠になっている事実だけを具体的かつ正確に記述し、
 後は読者自身の考察にまかせるのがいちばん強い主張法
<7. 事実と意見>

☆書くべきことが頭にびっしり詰まっている状態から
書き出す際の流れのコントロール方法・・・
(a)書きたいことを一つ一つ短い文にまとめる
(b)それらを論理的にきちっとつなぐ(つなぎ言葉に注意)
(c)「その文の中では何が主語か」をはっきり意識して書く
<8. わかりやすく簡潔な表現>

☆歯切れがいいと言われる講演のコツ
(a)事実または論理をきちっと積み上げて話の筋道が明瞭
(b)無用のぼかし言葉がない
(c)発音が明瞭(特に語尾)
→注意を惹きたい場合は大きな声ではなく
 ちょっと黙って聴衆の注意を引き出す
<11. 学会講演の要領>

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2004 9/4
作文指南、学問一般、理科系
まろまろヒット率4

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『大学生と大学院生のためのレポート・論文の書き方』 吉田健正著 ナカニシヤ出版 199709.30.03

いつの間にかYahooに「情報学」と「メディア論」のキーワードでも登録されていてた、
らぶナベ@院入学半年の活動がこういうキーワードでも登録されるようになった原因だけど、
本人の手を離れて独りでに進化していくようなところがネットでの活動の楽しさですな(^^)

さて、『大学生と大学院生のためのレポート・論文の書き方』
吉田健正著(ナカニシヤ出版)1997年初版。
同じ研究室の聖ちゃん(男)が貸してくれた本。
いまさら感もあるし、こういう本は総じて面白くはないけれど、
気づかずに付いた癖や思い込みを発見できるので通して読んでみた。

案の定、デジタルメディア(特にネット上の情報)を引用や注で使うときには、
“…; accessed 26 May 2003.”というようにアクセスした日時も記載するとういうのは
ころっと抜けていたところだったのでこれから参考にしたい(^^;
(8章:注・注記・引用・文献一覧)

また、どうでもいいところかもしれないけど「起承転結」はレポートにはあまり適さないし、
能や浄瑠璃で基本の「序破急」も不適切だと書いていたのには笑ってしまった。
(3章:レポート・論文の構成)

以下はその他にチェックした箇所・・・

○英文なら”A Manual for Writers of Term Papers, Theses, and Dissertations”か、
“MLA Handbook for Writers of Research Papers”が参考になる
<1章 レポートとは>

○「モデル」の意味(Alfred Tarski)=
1:theory formation, 2:sinplification, 3:reduction, 4:extension, 5:adequation,
6:explanation, 7:concretization, 8:globalisation, 9:action, 10:experimentation
<4章 卒業論文と修士論文>

○「科学的」の定義(ベレルソン&スタイナー)=
1:手続公開、2:定義の正確性、3:データ収集法の客観性、4:事実の再現可能性、
5:組織的・集積的なアプローチ、6:説明・理解・予測のための研究
<4章 卒業論文と修士論文>

○レポートと感想文との違い=objective&detached

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2003 9/30
作文指南、学問一般
まろまろヒット率2

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『文章読本』 谷崎潤一郎著 中公文庫 1996(原著1934)04.09.03

麻婆豆腐はどうしても二人分つくってしまう、らぶナベ@まだ一人暮らしには慣れてません(^^;

さて、『文章読本』谷崎潤一郎著(中公文庫)1996年改版(原著1934年初版)。
知り合いが読んでいたので気になって手に取った一冊。
小説以外で谷崎潤一郎が書いた本といえば『陰影礼賛』が有名だけど、
この本でも言葉という伝達手段の限界を踏まえて、
総てを表現しようとしたり言い尽くそうとすることを戒めている。
かなり文化論的考証が入っている点(それが目的?)も考えると、
さしずめ『陰影礼賛』の作文指南版っといった感じだろうか。
また、文章の要素の中で一番その人の本質が出るのが文章の「調子」だと言っている点や、
西洋語のような厳密な文法は日本語にはないので「文法に囚われるな」と言っている点には肯いてしまった。

読んでいる最中はちょうど新生活がスタートして気持ちが落ち着かない時期だったので、
こういう著者の文章を読むと一息つけるような気分になってよかった(^^)

以下は、チェックした箇所(一部要約)・・・

○されば言語は思想を伝達する期間であると同時に(略)
 思想を一定の型に入れてしまうと云う缺点があります。
<一 文章とは何か>

☆口で話す方は、その場で感動させることを主眼としますが、
 文章の方はなるたけその感銘が長く記憶されるように書きます。
→即ち真に「分からせるように」書くためには
 「記憶させるように」書くことが必要なのであります。
<一 文章とは何か>

○口語体の大いなる缺点は、表現法の自由に釣られて長たらしくなり、放漫に陥り易いこと(略)
 言葉や文字で表現出来ることと出来ないこととの限界を知り、その限界内に止まることが第一。
<一 文章とは何か>

○即ち真に「分からせるように」書くためには
 「記憶させるように」書くことが必要なのであります。
<一 文章とは何か>

☆文法的に正確なのが、必ずしも名文ではない、だから文法に囚われるな(略)
 全体、日本語には、西洋語にあるようなむずかしい文法というものはありません。
<二 文章の上達法>

○即ち感覚と云うものは、一定の鍛錬を経た後には、
 各人が同一の対象に対して同様に感じるように作られている。
<二 文章の上達法>

☆されば文章における調子は、その人の精神の流動であり、血管のリズムである。
<三 文章の要素>

○或る文章の書き方を、言葉の流れと見て、その流露感の方から論ずれば調子と云いますが、
 流れを一つの状態と見れば、それがそのまま文体となります。
<三 文章の要素>

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2003 4/9
作文指南、文化論
まろまろヒット率3

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『ロジカル・シンキング-論理的な思考と構成のスキル』 照屋華子・岡田恵子著 東洋経済新報社 200108.31.01

これが“まろまろ読書会”メールマガジン初発行になります。
みなさんよろしくです(^^)

さて、第一回目は『ロジカル・シンキング-論理的な思考と構成のスキル-』
照屋華子&岡田恵子著(東洋経済新報社)2001年初版っす。

「論理的な伝え手」になることを目的として書かれた本。
最近、法律を勉強している僕は論理性について
正面から考える必要性を感じたので購入したビジネス書。
才能や経験ではなく努力でコミュニケーション能力を鍛えようという姿勢は
すごく共感できるし演習問題も多くて
論理性というものを考えるきっかけとしては良い本だと思う。

ただ、MECEやSo What?/Why So?などのマッキンゼーのやり方を
そのまま紹介しているだけなのはちょっとオリジナリティが足りない気がした。
この本で得られるものは『問題解決プロフェッショナル』(斉藤嘉則)で
十分得られるのだと思う。
良いネタを扱っているだけにこういうマイナスが目立つのが残念。

以下は特に重要だと思う箇所の要約・・・
☆「メッセージ」=”課題”+”その答え”+”相手に期待する反応”
の三つが揃っていること

☆コミュニケーションに入る前の確認・・・
1:”課題(テーマ)を確認する”
・いくら自分が重要だと力んでも相手がいま検討すべき課題と
 認識できなければ議論の土俵にすら登れない

2:”相手に期待する反応を確認する”
・コミュニケーションの後に相手からどのような反応を引き出せば
 そのコミュニケーションは成功と言えるのか予め答えを用意しておく
・反応の中身→理解、フィードバック、行動

☆「答え」=”結論”+”根拠”+”方法”のどれが欠けてもいけない

○どのような時も課題と答えが整合しているのがロジカルコミュニケーション

○結論に付帯条件を付けるのは注意→定量化&定性的具体化で明確にすべき

☆書いたり話したりしている時に具体的でないと感じたら
問題が具体的に解けていないと考えるべき
→具体的とは「そういうならお前が自分でやれ」と言われたときに
 答えを用意していること

○文書が回ってきたら読む前にその文書の目的と
自分に期待されている反応を把握する癖をつけるべき

☆「MECE」=”Mutually Exclusive and Collectively Exhaustive”
=「ある事柄を重複も漏れもない部分集合に分けて捉える集合の概念」
→話の細部に入る前に伝え手側の答えの全体像とその構成部分を伝えられる

○二つのMECE・・・
・全体集合を完全に要素分解できるMECE
 →年齢、性別、地域など
・大きな重複と漏れがないという約束事のMECE
 →3C(Customer,Competitor,Company)、
  4P(Product,Price,Place,Promotion)など

○「グルーピング」=「言いたいことやネタをいったん洗い出して
結論に対するMECEな根拠、方法になるようタイトルづけし
全体の構造を見やすくする方法」

☆”So What?”"Why So?”
・「So What?」=課題に照らした時に言えることのエキスを抽出したもの
・「Why So?」=So What?した要素の妥当性が要素によって
         証明されていることを検証する作業
・概念図・・・
    「課題」
↑So What? ↓Why So?
    「要素」

☆「論理」=結論と根拠、結論と方法が結論を頂点に縦方向には
So What?&Why So?の関係に横方向にはMECEの関係になっているもの

○論理パターンの留意点
・”並列型”→根拠や方法がMECEであること、MECEな切り口が相手を
      説得する上で妥当なもの
・”解説型”→事実が正しいこと、判断基準が明示され妥当な内容であること、
      事実・判断基準・判断内容の流れが一貫していること

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2001 8/31
問題対処法、作文指南、経営学
まろまろヒット率4

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『論文のレトリック―わかりやすいまとめ方』 澤田昭夫著 講談社学術文庫 198304.21.97

一回生の頃から一度は読んでみたいと思っていた一冊。
それが読めて感慨深い面もある(^^)
内容はわかりやすくて論理的な論文を書くにはどうすれば良いのか?
というよくある疑問から発して、テクニック的なものから
文化論的なことまで幅広く展開している。
日本人は本来的に農耕民族、単一的民族でレトリックを必要としない寡黙な
民族とする一般論を見事に論破していて読んでいて気持ちがいい(^^)
ただ、著者がばりばりの左派であるようで
自分の思想信条を必要以上に誇示している面もある。
それを差し引いても論理的な考えをするにはどうすれば良いのか?
説得力ある説明とはなにか?などの論文に限らず必要なことに関して
丁寧に説明されているところが良かった。

特に第一章:よい論文とは?
第十一章:文段(パラグラフ)のまとめかた
第十四章:だめな論文からよい論文へ
の三章はこの本の骨格部分をなしている。

印象に残った言葉・・・
「論文とは大論文であれ、小論文であれ明確な問いを呈示してそれに答えるもの」

「よい論文とは統一、連関、展開いおいてすぐれ明確性においてもすぐれたもの」

「レトリックにおいて非常に大切なのはパラグラフ」

「パラグラフを統一を保証するのは、段を統括する題目文」

「何のアウトラインもなしに論文を書き始めるのは無謀きわまりない」
←政策と同じっすね(^_^)

「注はお世話になった人へのお礼」

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1997 4/21
作文指南
まろまろヒット率5

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『それでも作家になりたい人のためのブックガイド』 糸圭秀実&渡部直己著 太田出版 199311.19.96

「書き方の本だが、逆に文学を読む上でも参考になるのでは」と思い
購入したが、著者は二人とも時代錯誤な70年代している
左翼崩れで参考にはならなかった。ただ、一部に心ひかれる言葉もあった。
「書き手が自分が思ったことを読み手に伝えようとすれば、
三割がた強い言葉を使わなければダメなんです。
書き出しでキメる場合はそうした方がいい・・」や
「自分にとって理解しやすい人物を描いているうちは、
技術は進歩しないんです。・・・つまり、
ある異物感に触れようとせぬかぎり進歩はない」
また、「この世にはまだ理不尽なことがあるってことに対して、
ある種の感受性を持てないと無理・・自分を侵す他者の存在や
亀裂をあえて受け入れる覚悟が必要」などの言葉には
なかなか考え深いものがあった。

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1996 11/19
作文指南、対談
まろまろヒット率3

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