Archive for the ‘歴史’


『孔子伝』 白川静著 中央公論新社 200301.11.08

まろまろ@今月は東京にいます(^_-)

さてさて、『孔子伝』白川静著(中央公論新社)2003。

儒教の開祖、孔子(孔丘、Confucius)について定評のある伝記。
中心におくにせよ、否定するにせよ、東アジアの社会と文化にとっては儒教は無視できない思想。
しかし、その思想の始祖である孔子は、ソクラテスと同じように実際には何も書き残していない。
この本は「哲人の事業が、ひとえにその人の言行によってのみ示されるとすれば、伝記こそ、その思想でなければならない」として、
後世の美化や粉飾を差し引いて(『論語』もかなり怪しい部分が多い)孔子の人生に迫ろうとする一冊。

読んでみると、孔子は巫女の非嫡出子であり、シャーマン的な側面の強い人物であったという仮説を打ち立てている。
また、孔子とその弟子たちも後世の美化された思想集団ではなく、反体制的な生々しいカルト教団だった可能性を示唆している。

特に興味を持ったのが、『論語』と『聖書』との共通点を指摘している部分だ。
ナザレのイエス(イエス・キリスト)も孔子も、聖人として美化されやすいけれど、実際はかなり人間くさかった可能性が高い。
そんな彼らの思想を受け継いだ『論語』も『聖書』も「敗北者のための思想」としているのは印象深い。

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2008 1/11
歴史、思想、宗教
まろまろヒット率3

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『世界をかえた魚 タラの物語』 マーク・カーランスキー文、S.D.シンドラー絵、遠藤育枝訳 BL出版 200412.28.07

実に8年半来の念願かなって檸檬プレイを実現した、まろまろ@読書日記はこんな時にも威力を発揮しますな(^_^)v

さて、『世界をかえた魚 タラの物語』マーク・カーランスキー文、S.D.シンドラー絵、遠藤育枝訳(BL出版)2004。

タラ(鱈、学名:Gadidae)はヨーロッパ・アメリカを含んだ北大西洋の食文化に欠かせない食材。
それだけにタラの捕獲と利用をめぐる歴史は、時に世界を変えたと言えるほどの影響を与えることがある。
そんなタラが歴史上に果たした役割をえがく絵本。

読んでみると、絵本と言っても年表や文字も多くて歴史ものとして読み応えがある。
さらにそれぞれの時代のタラのレシピも紹介してあるので料理本としての読み方もできる。
実にタラづくしな一冊。

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2007 12/27
絵本、歴史、食文化
まろまろヒット率3

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『破軍の星』 北方謙三著 集英社 199312.22.07

東海ごはんカテゴリを創設した、まろまろ@東海地方のみなさんよろしくお願いします(^_^)v

さて、『破軍の星』北方謙三著(集英社)1993。

南北朝の動乱期、公家の北畠顕家は16歳で奥州に赴任する。
卓越した指揮能力で奥州を安定させ、朝廷に反旗をひるがえした足利尊氏を打ち破るのだが・・・

21年という短い人生でありながら、南北朝の時代に名を残した北畠顕家をえがく歴史小説。
実はかつて通っていた高校が北畠顕家の所縁のある場所にあり、近くには北畠という地名も残っていたので、
北畠顕家についてはその鮮烈な人生を含めてずっと気になっていた。
この北畠顕家を含めて南北朝時代は魅力的な人物や素材が豊富だけど、いろいろな大人な事情から取り上げにくい時代でもある。
この本はそんな南北朝時代を題材とした小説を書いている著者の一冊として手に取った。

読んでみると朝廷側(南朝側)の人間ということもあって、苦悩する面が強調されていた。
同じ著者の同時代をえがいた『道誉なり』(佐々木道誉)、『悪党の裔』(赤松円心)などは北朝側ということもあって
読んでいてある意味で爽快感を感じたけれど、この本は全体的に切ないトーンでえがかれている。
したたかに生き残った人間の生々しい力強さと、殉じた人間の美しさの違いが表現されているのだろうか。

ちなみにこの本は名古屋の駅ビル・タワーズのスタバで読み終えた。
最後のページは切なくて、これから人と会うというのにひたってしまった(w

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2007 12/22
歴史小説
まろまろヒット率3

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