Archive for the ‘料理本・食文化’


『コーヒー・ハウス―18世紀ロンドン、都市の生活史』 小林章夫著 講談社 200006.01.07

最近、コーヒー・ハウスではココアやチョコレートも主流の飲み物だったと知った、
まろまろ@男がカフェでココア注文しても別に恥ずかしくないのですな(^_^)v

さて、『コーヒー・ハウス―18世紀ロンドン、都市の生活史』小林章夫著(講談社)2000。

ロンドンのコーヒー・ハウスが全盛期だった17世紀半ばから18世紀にかけての、
コーヒー・ハウスとそれを取り巻く政治、経済、文化を紹介する一冊。

具体的には・・・
第1章:一八世紀イギリスの生活史―ロンドン、ペスト、大火
第2章:ジャーナリズムの誕生―クラブ、政党、雑誌
第3章:ウィットたちの世界―文学サークル、科学実験、チャップ・ブック
・・・の三章構成で、代表的なコーヒー・ハウスとその果たした役割が書かれている。
たとえば、ロイド保険組合を生み出した、ロイズ・コーヒー・ハウス。
ドライデンなどの文化発信の中心となった、ウィル・コーヒー・ハウス。
ジョン・デザグリエルスによて科学実験を客の前で見せた、ベッドフォード・コーヒー・ハウスなどが取り上げられている。
また、情報センターであったコーヒー・ハウスからジャーナリズムが生まれていった経緯も紹介しつつ、
コーヒー・ハウスがいかに政治、経済、文化の拠点となっていたのかを紹介している。

このよう18世紀ロンドンでコーヒー・ハウスが盛んになった理由に興味を持ったが、
当時から、1:値段が安い、2:酒が無いので真面目な雰囲気、3:楽しめる、という点が指摘されていたらしい。
著者はこれに加えて、当時のイギリスの住宅事情が悪くて家で人と会うのが難しかった、という点を挙げている(第1章)。

また、これと対をなして、コーヒー・ハウスの衰退した理由については、
1:数が多くなりすぎた、2:酒も出すようになった、3:客の多様性が失われた、4:ジャーナリズムの発達、
5:植民地政策の変更によって紅茶が中心となった、6:個人の家の構造が良質化した、という点を指摘している(第3章)。

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2007 6/1
歴史、グルメ、カフェ本
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『コーヒーが廻り世界史が廻る―近代市民社会の黒い血液』 臼井 隆一郎著 中央公論社 199205.21.07

紅茶党だったけど最近コーヒーも飲めるようになってきた、まろまろです。

さて、『コーヒーが廻り世界史が廻る―近代市民社会の黒い血液』臼井 隆一郎著(中央公
論社)1992。

コーヒーと世界史との関係について書かれた一冊。
内容は・・・
第1章 スーフィズムのコーヒー
第2章 コーヒー文明の発生的性格
第3章 コーヒー・ハウスと市民社会
第4章 黒い革命
第5章 ナポレオンと大陸封鎖
第6章 ドイツ東アフリカ植民地
第7章 現代文化とコーヒー
終章 黒い洪水
・・・となっていて、東アフリカ原産のコーヒーがいかに世界市場に受け入れられ、世界史に影響を与えながら廻って(めぐって)いったのかを述べている。

中でも興味を持ったのが、世界史の中でカフェ(コーヒーハウス)が果たした役割について述べている箇所だ。
公でも私でもない共同領域(公共圏)を生み出し、コンヴァセイション(CONVERSATION)という技術の訓練の場になって、近代社会への扉を開くきっかけの場所の一つとなった経緯が紹介されている。

ちなみに文章の中にダジャレやユーモアが頻繁に出てきて、軽快に読み進めることができる一冊でもある。

以下はチェックした箇所(一部要約&重要と思われる順)・・・

☆イスラーム世界で誕生した「コーヒーの家」の最大の魅力は、(公共浴場に代わる)新種の社交場としての魅力
→公でもなければ私でもない独特な共同領域を形成し、そこで不特定多数の人々と交わる可能性を提供した
<第1章 スーフィズムのコーヒー>

☆旧来の公私の関係を溶かし、新たな近代市民社会の公私の関係を鋳造していくかまどの役目を果たすのが、コーヒー・ハウスに他ならなかった
<第3章 コーヒー・ハウスと市民社会>

☆「コンヴァセイション」という、市民社会で必須の技術を開発するにあたって、十七世紀のコーヒー・ハウスは歴史的な役割を果たした
→コーヒー・ハウスは彼らに異なった意見を交換することから、彼らの公的見解を形成する技術を習得させたのである
→コーヒー・ハウスは「一ペニー大学」とも言われていてた
<第3章 コーヒー・ハウスと市民社会>

○巡礼。それは巨大な商品輸送機関であり、情報伝達機関である
やがてその運搬と交換にイスラーム世界の豪商やヨーロッパ諸国の商人資本家が関与してくることによって、コーヒーは近代の商品交換社会の代表的商品として世界市場に登場する
<第1章 スーフィズムのコーヒー>

○豪商に必須の能力は、商品交換によって結合される共同体のそれぞれの価値観の差異から利益を捻出できることである
<第2章 コーヒー文明の発生的性格>

○商品フェティシズムと、自然と人間の搾取とは、同じメダルの両面である
コーヒーという商品は地球を一枚のメダルにして、華麗なフェティシズムと陰惨な搾取とを繰り広げた近代の典型的な商品であった
<終章 黒い洪水>

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2007 5/21
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『カフェ―ユニークな文化の場所』 渡辺淳著 丸善 199505.20.07

交流スペースとしてのカフェの歴史で一本論文(position paper)でも書こうかと思う、まろまろです。

さて、『カフェ―ユニークな文化の場所』渡辺淳著(丸善)1995。

17世紀から20世紀初頭までのパリのカフェの歴史を紹介する一冊。
内容は・・・
第1章 ニューモード、カフェの出現
第2章 十八世紀―カフェの本格的開花
第3章 十九世紀―カフェの発展と変遷
第4章 二十世紀―カフェの新展開
・・・という章構成になっていて、作家や芸術家などの文化人たちの出会いのと創造の場という意味合いで、
カフェを「ユニークな文化発祥の場」と位置づけている。

確かに「フランス文化は大体において、カフェとキャバレーの文化」(ピエール・ギラール)と言われるように、
文化とカフェをつなげるエピソードは豊富にある。
「カフェは社会を映す鏡」(ジャン・デティエ)とは言い得て妙だと思った。
(ちなみに本来のキャバレーの意味はショー風俗店ではなく居酒屋に近い意味合い)

また、諸説あるものの、「イギリス初のカフェ(コーヒーハウス)は、首都ロンドンではなく、
大学町オックスフォードに1650年に生まれたとされる」というのは興味深かった(第1章)。

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2007 5/20
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