Archive for the ‘対談’


『なるほどの対話』 河合隼雄・吉本ばなな著 新潮社 200510.24.07

まろまろ@ついにこの「まろまろ記」が携帯電話に完全対応しました(^_^)v

さて、『なるほどの対話』河合隼雄・吉本ばなな著(新潮社)2005。

心理学者の河合隼雄と、小説家の吉本ばななによる対談本。

読んでみると、小説でも治療でも”偶然”が大切だということを話し合っていて、
河合が自分の職業を「偶然屋さん」と語っていたのが印象的だった。
「うまいこといったやつは、わけわからんのや。失敗したのは、全部わけがわかる」(河合)というのは、
一つ間違うと単なる傲慢だったり安っぽい開き直りになるけれど、河合隼雄が言うと妙に納得。

また、二人ともヒーリングや癒しという言葉に対してネガティヴにとらえていて、
「いま世間で言われていることはヒーリングではなくリラクゼーション」と話している点も印象に残った。

対談に加えてこの本には二人のQ&A往復書簡が載せられているのだけど、
「蝶と蛾はどちらが好き?」という河合の質問に、吉本が「圧倒的に蛾が好き」と応えているのには思わず笑ってしまった。

そして、河合が好きな言葉として「ふたつよいこと、さてないものよ」を紹介していたのも印象深い。
この言葉は『こころの処方箋』を読んだときにも紹介されていた言葉だったけれど、
かつて『こころの処方箋』を読んだ時と自分の置かれている状況が違うだけに心に響くものがあった。

他にも・・・

「ずっと目が覚めている人で掴める人は少ない→寝ている人は勘が冴えてくる」(河合)

「いまの現代人は”社会”病にかかっている→ただ外に出て働いているだけなのに社会に貢献していると思っている人がいる」(河合)

「とにかく日本には、おせっかいが多い→それは想像する作業にとってものすごくマイナス」(河合)

・・・などの発言に興味を持った。
こうして見ると河合発言が多い(^^;
(吉本ばななは対談が苦手とのこと)

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2007 10/24
対談本
まろまろヒット率3

Posted in まろまろヒット率★★★☆☆, 対談, 読書日記with 1 Comment →

『村上春樹、河合隼雄に会いにいく』 河合隼雄・村上春樹著 新潮社 199608.27.07

北海道から帰ってきたので北海道ごはんというコンテンツを創造した、まろまろです。

さてさて、『村上春樹、河合隼雄に会いにいく』河合隼雄・村上春樹著(新潮社)1998。

小説家の村上春樹と心理学者の河合隼雄の対談本。
二人の本を何冊か読んだことがあったことと、二人の間に共通点を感じたので手に取った一冊。

読んでみると、その分野の主流派コミュニティには属さなかった、安易な首尾一貫性を求めないなど、
やはり本人たちも共通点があると感じているらしく、盛り上がった話の様子が伝わってきた。

たとえば・・・
村上春樹:「小説にとってバランスというのは非常に大切である。でも、統合性は必要ないし、整合性、順序も主要ではない」
河合隼雄:「ストーリーというのは背後にイメージを持っていなかったら絶対に成立しない(中略)イメージとの関連にコミットしていくことが課題」
・・・と述べている点などは、彼らのスタンスを示すものとして納得してしまった。

他にも・・・
河合隼雄:「物語というのはいろいろな意味で結ぶ力を持っている」
村上春樹:「事実とフィクションは永遠の補完関係にある」(勝ち負けではない)
・・・という語りは物語の力をどうとらえるかについて参考になると感じた。

さらに・・・
河合隼雄:「矛盾の存在やその在り方、解消の方法などについて考え、言語かしていく。しかし、決して解決を焦らない。
そうしているうちに、最初は矛盾としてとらえていた現象が、異なるパースペクティブや、異なる次元のなかで矛盾を持たない姿に変貌する」
・・・というのは人生訓としても印象深い。

また、この対談では全般を通して『ねじまき鳥クロニクル』がトピックスとして取り上げられることが多かった。
ちょうどこの本を今月読み終えたところだったので(まったくの偶然)、ありありとその場面が思い浮かんだ。
また、箱庭療法についてもよく話題になっていたが、これまたたまたま箱庭療法の本も何冊か読んでいたので理解も早かった。

ちなみにこの対談は1995年におこなわれたものをまとめている。
1995年というのは、阪神大震災、阪神大震災、オウム事件、エヴァンゲリオン公開、インターネット元年、とういう風に大きな出来事があった年でもある。
僕個人も読書日記をつけはじめたのがちょうど1995年だったので、二人の対談から当時の自分が思い出されたりもした。

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2007 8/27
対談
まろまろヒット率3

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『トポスの知―箱庭療法の世界』 河合隼雄・中村雄二郎著、明石箱庭療法研究会協力 TBSブリタニカ 1993(新装)12.05.03

奇しくもまろプチフラッグが端っこに撮影されていた、らぶナベです。

さて、『トポスの知~箱庭療法の世界~』河合隼雄・中村雄二郎著、
明石箱庭療法研究会協力(TBSブリタニカ)1993年新装初版。
『箱庭療法入門』に続いて読んだ箱庭療法関係本。
心理学者と哲学者の二人が箱庭療法の事例を通して、
場(トポス)の哲学的なパフォーマンスや科学論を議論している。

「自分で作ることが自分を治癒する」とか「言語化を急ぐと失敗する」という
箱庭療法の特徴は確かに魅力的な話題のネタなんだろう。
言語化を急ぐと失敗するというのは何かを作ろうとするときには共通したことだし、
自分で作って自分で癒すというのはHPを作る僕にとっても興味深かった。
まさに「自作自癒」(新まろまろ用語候補)。

以下は、チェックした箇所(一部要約)・・・

○患者は自分自身による自己実現の力に頼ることによってみずから治ってゆくもの
(中略)患者の無意識内に存在する自己治癒の力に対して
畏敬の心を持つことが箱庭療法をはじめる出発点(河合)
<箱庭療法と< 私>>

☆イメージこそは、無意識から意識へのコミュニケーションのメディア
→イメージは常に多義性をもち、多くのことを集約的に表現している(河合)
<箱庭療法と< 私>>

○ふつう視覚的なものは、触覚性を失って独走することが多いわけですけれど、
その二つが箱庭療法では非常にうまく結びついているために日本では成功した(中村)
<< 自由に創ること>の楽しさ>

☆箱庭療法が成功した要因は、箱の大きさがちょうど一つの視野にパッと入ること
→一つのインテグレーションというのを考えて置くようにできている
(中略)置いて表現できて、だれか他人がわかるということは、
人間にとって結局はものすごいこと→わかるだけで何も言わなくたっていいんです(河合)
<豊かなイメージの世界>

☆まったくの自由というのは近代の一つの迷妄であって、
ある形が与えられている、基本的なものがあることによって、
かえって自由になれるんです(中村)
<豊かなイメージの世界>

☆早く言語化してしまうと流れが止まって大失敗する倍が多い(中略)
箱庭はわからないものに身を任してもいいような場を治療者が提供している
→治療者は水路付ける(canalization)役割をしている(河合)
<< 癒やす>意味とその動き>

○箱庭のいいところは三次元だということ、それから砂があるということ(河合)
<隣接する領域とのかかわり>

☆箱庭はイメージ表現がはっきりした枠の中で一つの世界を形作っているのが大きな特徴
→箱庭療法の世界は盆栽的な箱庭よりもむしろ都市論の問題の方につながる(中略)
みんな自分の世界、自分の都市を置いているわけだから
単純にこれは何を象徴しているとか言うんじゃなくて、
その人の世界がそこにあるというふうに見ていけばそう簡単な置き換えはできない(中村)
<箱庭・その哲学的パフォーマンス>

☆トポスでは、空間と時間が一体化している
→均質的な空間ではなくて独特の雰囲気のある歴史的空間=ゲニウス・ロキ(中村)
<箱庭・その哲学的パフォーマンス>

○いつのまにか我々の社会の中ででき上がり物質化されているような
あれこれのイメージが用意されている
→箱庭はそれらを組み合わせで表現するというところに、
一見ありきたりなように見えながら、そういうことを通して
一番うまく自分たちの心の中の願望を引き出す仕掛けになっている(中村)
<箱庭・その哲学的パフォーマンス>

○価値判断を括弧にいれて、見えるかぎりのことを記述する
→そこに表れているいろいろな意味をおのずと浮かび上がらせるようにする(略)
箱庭療法はそのような現象学の方法と非常に近い(中村)
<箱庭・その哲学的パフォーマンス>

○個別性を組み込むとは、個の人間、時間、場所の要素が加わることによって、
選択可能ないくつもの意味のなかからどれかが選ばれること(中村)
<近代科学と新しい< 知>のあり方>

○コスモロジーとシンボリズムとパフォーマンスという三つの要素は、
別々ものもではなくて互いに結びついて「臨床の知」の原理をなしている(中村)
→シンボリズムで成り立っている世界は否応なしにリゾーム的
(シンボルの多義性=シンボル相互の結びつきに多様な可能性があること)
<近代科学と新しい< 知>のあり方>

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2003 12/5
心理学、臨床心理、箱庭療法、哲学、対談
まろまろヒット率4

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